ハーバード大学のDavid Keith教授は、直接空気回収技術の可能性を探るため、Carbon Engineeringを創業しました。地球全体で炭素の排出量をゼロにするだけでは十分ではないことが明らかになりつつあったからです。気候変動を食い止めるには、大気中の炭素を除去しなければなりません。
Carbon Engineeringには、大気中から二酸化炭素を吸収できる実証済みの技術があります。同社は、パートナーの協力を得ながら、年間100万トンの二酸化炭素を回収できる施設を建設中です。これは自動車25万台分の年間排出量または4,000万本の樹木が吸収する量に相当します。
現在、Carbon Engineeringは二酸化炭素回収プロセスを改良するため、カナダのブリティッシュコロンビア州スコーミッシュにイノベーションセンターを建設しています。さらに、開発パートナーの1PointFiveは、同社初の大型DAC施設(パーミアン盆地)の設計に着手しています。
同社の技術は、ほぼあらゆる立地条件で利用することができます。つまり、低コストなクリーンエネルギーを使ってシステムを稼働できる場所や、二酸化炭素を地中に永久貯留しやすい場所に施設を建設することができるということです。天然ガスを使用した場合でも、燃焼過程で排出される二酸化炭素は、大気中の二酸化炭素と共に地下に貯留されます。
彼らの技術は、基本的には大気を吸収し、化学反応を利用して二酸化炭素を抽出し、残った空気を大気中に戻すという仕組みになっています。人工的な樹木のようですが、樹木よりも処理スピードが速く、土地も少なくて済み、不純物のない圧縮された二酸化炭素を提供し、地下に貯留するか、再利用できます。
Shopifyは、Carbon Engineeringのイノベーションセンターから永久除去された炭素を購入することに合意しました。これはShopifyが同社の手法の成功を確信していることを示しています。またShopifyは、新たな収益源を提供することで、同社が技術開発をさらに進めていけるよう支援したいと考えています。さらに、Shopifyは永久除去された1万トンの炭素をCarbon Engineeringの大型DAC施設から購入することにも合意しています。
この炭素1万トンの購入は、購入者たちが炭素の永久除去を求めていること、そして大規模なDAC技術が気候変動の解決に向けた重要なソリューションであることを示す明確なメッセージとなります。また、ShopifyがCarbon Engineeringから炭素を購入することで、原油増進回収法ではなく、大気中の二酸化炭素の単独隔離とDACを組み合わせたプロジェクトの発展も支援できます。
ロケーション
ブリティッシュコロンビア州スコーミッシュ(カナダ)
設立
2009