今や、オンラインでのEC事業の立ち上げに多額の資金を投入する必要はありません。低コストECプラットフォームを使えば、スモールビジネスでも最小限の資金でオンラインストアを開設できます。さらに、無料でECサイトを開設することも可能です。
この記事では、低コストのEC構築サービスを9つ取り上げ、その価格と機能を紹介します。
ECサイト構築サービスとは

ECサイト構築サービスとは、商品やサービスをオンラインで販売するためのウェブサイトを構築・運営するためのシステムです。これらのサービスを提供するプラットフォームは、起業家や大企業、さらには実店舗に加えてオンライン販売を始めようとする店舗まで、さまざまな販売者のEC業務を効率化するよう設計されています。
ECプラットフォームを利用する理由

ECプラットフォームを利用する理由には、低コストで簡単にECを始めることができる、売り上げや顧客獲得につなげやすいなどの理由があります。
ECプラットフォームは、EC事業の立ち上げと販売促進を短時間で効率よく進める強力なツールです。ECサイト構築サービスを使用すれば、カスタマイズ可能なテンプレートを使ってサイトをデザインしたり、複数の決済方法をまとめて導入したりできます。また、ウェブホスティングなども含まれているサービスが多いため、レンタルサーバーの別途契約なども不要になる場合があり、低コストで簡単にECサイトを立ち上げることができます。
また、在庫管理やフルフィルメントも一元管理でき、ECマーケティングやカスタマーサービスに役立つツールやサポートが提供されることも多いため、初心者でも売り上げや顧客獲得につなげやすくなっています。
低コストECプラットフォーム9選
1. Shopify
Shopify(ショッピファイ)はカナダ発のグローバルECプラットフォームで、2006年にサービス開始して以降個人でECストアを開業する人から大企業まで幅広く利用され、世界175ヵ国以上で導入実績があります。
24時間365日のカスタマーサポートなどを備えており、多言語・多通貨・海外決済にも対応しているため、日本でも本格的な越境ECを目指す事業者に人気です。
デザイン自由度が高く、本格的なブランディングが可能なことから、導入事例には、ヨウジヤマモトなどの有名ブランドから、オリオンビールやSoup Stock Tokyo(スープストックトーキョー)などの食品を扱う企業、All Birds(オールバーズ)のようなアパレルなどがあり、幅広い業界や事業規模で利用されています。
利点
- 一元化された決済処理:決済システムShopifyペイメントを提供
- 豊富なアプリ:Shopify App Storeでアプリを見つけて顧客体験を向上させる機能やマーケティングツールなど幅広いアドオンを簡単に導入できる
- Shopify POS:オンラインとオフラインの販売チャネルを一元化するShopify POSが利用可能
- カゴ落ちのフォロー:カゴ落ちをフォローするメールなど、売り上げを向上させるツール
- 高度な分析:売り上げ、顧客行動、その他の重要な指標を追跡するための分析およびレポート機能
- Shop Pay:コンバージョン率を高めるShop Payのワンクリックチェックアウトが利用可能
価格
- 初期費用、販売手数料は無料
- 決済手数料:2.9%~
- Starter:月額750円
- Basic:月あたり3,650円(年払いの場合)
- Grow:月あたり10,100円(年払いの場合)
- Advanced:月あたり44,000円(年払いの場合)
2. BASE
BASE(ベイス)は日本のBASE株式会社が2012年に開始し、登録ショップ数は200万件以上です。テンプレートをベースに簡単にサイトを構築でき、ランニングコストも無料なことから、個人クリエイターや副業、起業したばかりのスモールビジネスに最適で、学生や主婦層も多く利用しています。
利点
- ノーコードで簡単に開設可能
- テンプレートが豊富で簡単にデザインできる
- 初期費用、月額無料で始められる
価格
- 初期費用、月額費用は無料
- 販売手数料:3.6%~+40円+3%、決済手数料3.6%~
3. STORES
STORES(ストアーズ)はヘイ株式会社が提供する日本のサービスで、2012年からスタートしました。ミニマルなデザインが特徴で、デジタル商品や予約販売にも対応しています。飲食・美容などの実店舗経営者にも人気です。
利点
- 無料プランで始められ、実店舗との連携も可能
- デザイン編集が直感的で簡単
- 予約・デジタルコンテンツ販売にも対応
価格
- 初期費用・月額費用は無料(有料プランあり)
- 決済手数料3.6%
4. カラーミーショップ
カラーミーショップはGMOペパボ株式会社が2005年に提供開始し、中小企業や個人事業主が多く利用しています。デザインの自由度とコストバランスの良さから、国内で根強い人気で、国内販売メインのビジネス向きです。
利点
- HTML/CSS編集が可能でカスタマイズが柔軟にできる
- 外部連携・独自ドメイン取得も可能
- サブスクリプション販売、会員機能、レビュー機能などが標準搭載
- Buyee(バイイー)との連携で越境ECにも対応可能
価格
- 初期費用は3,300円、月額費用は4,950円~
- 販売手数料は無料
- 決済手数料は決済代行会社との契約内容によって変動
5. makeshop
makeshop(メイクショップ)は、GMOが2004年よりサービスを開始しているサービスです。法人・大規模ECサイトに支持されているためビジネス寄りの機能が多く、BtoBに強いのが特徴です。
利点
価格
- 初期費用11,000円~、月額費用13,750円~
- 決済手数料3.14%~
6. イージーマイショップ
イージーマイショップは、2014年日本の株式会社システムリサーチが提供を開始しました。中小規模ビジネスや多機能ECを求める個人に向いており、柔軟性の高いショップ運営が可能です。
利点
- ドラッグ&ドロップで簡単にページ作成
- 定期購入、予約販売、PDF販売など特殊な販売形態に対応
- 独自ドメイン、HTML編集も可能
価格
- 初期費用、月額費用ともに3,900円~
- 販売手数料は無料
- 決済手数料は決済代行会社との契約内容によって変動
7. メルカリshops
メルカリshopsは、メルカリが提供するEC機能付き出店サービスで、2021年にスタートしました。フリマアプリの延長線で展開され、主婦や副業ユーザーの利用が多いです。アプリで手軽に出店できるのが魅力です。
利点
- フリマアプリ「メルカリ」と連動したショップ機能付きサービス
- 2,000万人以上いるメルカリユーザーに販売可能
- 料金体系がシンプル
- 個人でもすぐに販売開始できる
- 送料込みの出品でユーザーに親切
価格
- 初期費用、月額費用、決済手数料無料
- 販売手数料10%
8. Qoo10
Qoo10(キューテン)は、韓国のGmarketをルーツとするアジア圏向けECモールで、日本ではeBay Japanが運営しています。特に美容・ファッション分野で女性ユーザーに人気で、販促イベントが頻繁に行われます。出店審査があります。
利点
- アジア圏に強いECモール
- 特に韓国系・中華系商品の販売に強い
- 美容・食品などのカテゴリ特化型出店が可能
- セール・クーポンなど販促イベントを頻繁に開催
価格
- 初期費用、月額費用、決済手数料無料
- 販売手数料6~10%
9. Amazon
Amazonはアメリカ発、1995年開始の世界最大級ECモールです。法人から個人まで幅広く利用されており、国内外の消費者に圧倒的なリーチ力を誇ります。Amazonに梱包・発送・カスタマー対応を任せられるサービスもあります。
利点
- 世界最大級の集客力・信用力
- Amazon Globalで越境ECも簡単に対応可能
- 人気商品なら目立つ場所に表示されやすい
価格
- 初期費用は無料、月額費用は100円(小口の場合)
- 販売手数料5~45%
まとめ
自分のビジネスに最適なECプラットフォームを選ぶことで、ECサイトの運営が効率的に行えるだけでなく、顧客満足度の向上や売り上げにつなげることができます。
中でも、起業したばかりや個人事業など予算が限られている場合は、低コストのECプラットフォームを選ぶのがおすすめです。複数ある低コストECプラットフォームも、ランニングコストや機能面に違いがあるため、各社の費用と機能を比較して選ぶようにしましょう。
Shopifyは、オンライン販売を簡単かつ低コストで実現します。初心者でも魅力的なデザインのサイトを作りやすく、実店舗との連携や海外販売など多様なニーズに応えられます。無料体験も実施していますので、ぜひ一度お試しください。
低コストECプラットフォームに関するよくある質問
オンラインで販売するためにECプラットフォームは必要ですか?
必要ではありませんが、ECプラットフォームを使用することで時間とコストの大幅な削減ができます。一からウェブサイトにショップを作るより費用対効果が高く、顧客にとっても使いやすいショップになります。
Shopifyは無料で始められますか?
はい。Shopifyの各プランは無料体験から始めることができます。4つの有料プランがあり、最初の月は150円で利用できます。
最も安いShopifyプランは何ですか?
最も安いShopifyプランはShopify Starterプランです。このプランは機能やテーマが限られていますが、有料プランを本格導入する前の試用期間として活用できます。
ECサイトでどこが一番手数料が安いですか?
総合的に見るとShopifyが一番低コストです。月額費用が無料のECサイト構築サービスは売り上げごとの手数料がやや高め(例:BASE 3.6%~+40円+3%)です。一方、Shopifyは販売手数料は基本的にかからず、月額費用も3,650円からなので一番低コストなECプラットフォームといえるでしょう。
低コストECサイトには必要な機能が揃っている?
低コストECでもネットショップ運営に必要な機能は揃っている場合がほとんどです。Shopifyの場合、Basicプランでもさまざまな機能や豊富なテンプレートが利用できます。
文:Mitoko