新しい友達を作ろうとするとき、ターゲットにするのは、アメリカの大統領ですか?それとも、ウォータースポーツ、ペット、環境問題への取り組みなど、自分と同じ事柄に関心や情熱を持つ人ですか?
前者は、絶大な権力を持ち、メディアがその動向を注視しています。一方で、即効性があるのは明らかに後者でしょう。有意義なつながりを築くには、社会的地位よりも、共通した興味の有無の方が重要です。
インフルエンサーマーケティングの分野でも、同じ論理を適用できます。フォロワー数が多い有名インフルエンサーとの提携は効果的な戦略です。一方で、フォロワー数が少なくてもブランドと興味を共有するインフルエンサーは、ブランド認知度を高め、売上を増加させ、新しいオーディエンスにリーチするのに役立ちます。おまけに、コストが低く抑えられます。
マイクロインフルエンサーとは?
マイクロインフルエンサーは、通常、フォロワー数が1万人から10万人のソーシャルメディアクリエイターとして定義されます。従来のインフルエンサーマーケティングでは、フォロワー数が重視されます。ブランドとクリエイターは、インフルエンサーのソーシャルメディアプレゼンスをフォロワーの総数に基づいて評価することがよくあります。しかし、フォロワー数が多いインフルエンサーと比較すると、マイクロインフルエンサーは、マーケティングパートナーシップにおいてよりコスト効率に優れ、ターゲットを絞ることができます。
フォロワー数によるインフルエンサーのカテゴリーは以下の通りです。
- ナノインフルエンサー: フォロワー数が1,000人から1万人未満のクリエイター
- マイクロインフルエンサー:フォロワー数が1万人から10万人未満のクリエイター
- マクロインフルエンサー: フォロワー数が10万人から100万人未満のクリエイター
- メガインフルエンサー: フォロワー数が100万人以上のクリエイター
マイクロインフルエンサー提携がもたらす利点
インフルエンサーマーケティング初心者は、インフルエンサーのフォロワーが多いほど、結果が良くなると思うかもしれません。しかし、必ずしもそうではありません。多くのブランドにとって、スポンサー付き投稿が何人に表示さるかよりも、その投稿を見た人の反応の方がより重要なのです。つまり、エンゲージメントやコンバージョンの方が、リーチより重視されます。
マイクロインフルエンサーなら、それが可能です。場合によっては、他のインフルエンサーよりも低コストで実現できることもあります。以下に、マイクロインフルエンサーマーケティングがどのような点で優れており、このタイプのパートナーシップがブランドにどのようなメリットをもたらすかを紹介します。
1. 高いエンゲージメント率
マイクロインフルエンサーは、フォロワー数が多いインフルエンサーよりも、エンゲージメント率の高いオーディエンスを持つ傾向があります。実際、インフルエンサーのエンゲージメント率は、フォロワー数が増えるにつれて低下する傾向があります。ある調査によると、Instagramのマイクロインフルエンサーは、平均エンゲージメント率が約4%であるのに対し、メガインフルエンサーのエンゲージメント率は平均で1%をわずかに超える程度です。これにより、企業は「いいね」やコメント、企業のウェブサイトへのクリックなど、より多くの投稿エンゲージメントを確保できます。
2. 優れたオーディエンスターゲティング
マイクロインフルエンサーと連携することで、ブランドはニッチなオーディエンスセグメントをターゲットにすることができます。セレブリティインフルエンサーは大規模で多様なオーディエンスにサービスを提供する傾向がありますが、フォロワー数が少ないインフルエンサーは、特定のニッチに関心を持つオーディエンスを収集できる場合が多いと言えます。
例えば、美容分野の有名メガインフルエンサーは、メイクや美容に興味を持つあらゆる年齢層のフォロワーを持ちます。そこには、メイクや美容トレンドへの興味は薄いけど、インターネット文化を追うためだけにフォローしている人も含まれます。
一方、マイクロインフルエンサーの中には、体操選手やダンサー向けのパフォーマンスメイクといった特定の事柄に焦点を当てたオーディエンスを有していることがあります。このようなインフルエンサーと提携することで、ブランドは具体的に定義されたオーディエンスセグメントをターゲットにできます。
3. コストが低い
マイクロインフルエンサーとの提携は、コスト効率に優れています。料金にばらつきはありますが、多くのマイクロインフルエンサーでは、1つの投稿に対して100ドルから500ドル(約1500円〜7500円)の料金が発生します。メガインフルエンサーは、1件のスポンサー付き投稿に対して10,000ドル(約150万円)以上の料金が発生することさえあります。マイクロインフルエンサーと利用することで、より低予算でインフルエンサーマーケティング戦略を実施し、資金を複数のインフルエンサーに分散することができます。これにより、さまざまなコンテンツタイプをテストし、さまざまなオーディエンス層における結果を測定することができます。
マイクロインフルエンサーを利用したマーケティング戦略の構築方法
マイクロインフルエンサーのマーケティングキャンペーンは、企業がブランド認知度を高め、売上を増加させ、ブランドの評判を向上させるのに役立ちます。以下は、あなたのキャンペーンを構築する方法です。
1. 予算、目標、オーディエンスを決定する
最初のステップは、インフルエンサーに支払うための金額を特定することです。デジタルマーケティングの予算を見直し、マイクロインフルエンサーキャンペーンに割り当てるパーセンテージを決定します。インフルエンサーマーケティング初心者や、予算に制限がある場合は、小規模から始めて後で調整することもできます。通常、1,000ドルから2,000ドル(約15万円〜30万円)の予算があれば、戦略をテストするのに十分です。
次に、キャンペーンの目標とターゲットオーディエンスを特定します。まず、全体のビジネス目標とオーディエンス情報を見直し、次に、広範な目標をサポートする特定のキャンペーン目標とオーディエンスを決定します。
例えば、ビーガンプロテインパウダーを販売するeコマースストアが、ビジネスの目標の1つとして売上を10%増加させることを掲げているとしましょう。全体のターゲットオーディエンスが健康的な食事に関心のある25歳から35歳の女性である場合、ソーシャルチャネルからのサイトへのトラフィックを20%増加させるというキャンペーン目標を設定するかもしれません。その後、ビーガン料理に興味のある25歳から35歳の女性を特にターゲットにすると良いでしょう。
2. プラットフォームを特定する
次のステップは、インフルエンサーキャンペーンに最適なプラットフォームを特定することです。プラットフォームの人口統計情報を使用して、あなたのターゲットオーディエンスが最も活発な場所を特定できます。ターゲットオーディエンスが25歳から35歳の女性であれば、多くのInstagramユーザーがこのカテゴリーに該当するため、Instagramを選択すると良いかもしれません。
3. インフルエンサーを見つける
ソーシャルメディアプラットフォームを選択したら、キャンペーンに適したインフルエンサーを見つけましょう。マイクロインフルエンサーを見つけるには、関連するハッシュタグやブランドの言及をソーシャルメディアプラットフォームで検索し、トップ投稿をレビューします。インフルエンサーマーケティングプラットフォームを利用することもできます。たとえば、Shopify Collabsは、ブランドと利用可能なインフルエンサーをつなぐサービスです。インフルエンサーマーケティングエージェンシーにサポートを求めることも可能です。
ブランドに最適なインフルエンサーを特定するために、以下の要素を考慮してください。
- エンゲージメント率:インフルエンサーのエンゲージメント率は、インフルエンサーのプラットフォームを使用して特定することができます。または、投稿を分析し、自分で数値を計算することもできます。インフルエンサーにメトリクスを提供してもらうことも可能です。
- 個人ブランド:ブランドの擁護者を選択する前に、インフルエンサーのブランド価値や公共のイメージ、政治活動が自社のブランドアイデンティティや価値観と一致していることを確認してください。特定のパートナーの名前やソーシャルメディアハンドルで検索を行い、関連するニュースを通知する検索エンジンアラートを設定することができます。
- コンテンツの質: 多くのインフルエンサーは、有料パートナーシップのために独自のコンテンツを作成します。最近の投稿をレビューし、パートナー候補がブランドの基準に合った質の高いコンテンツを公開していることを確認してください。
4. インフルエンサーにアプローチする
インフルエンサーマーケティングプラットフォームやエージェンシーを利用している場合、これらのサービスはインフルエンサーにアプローチし、料金を決定するのにも役立ちます。自分で潜在的なパートナーを見つけた場合は、メールやソーシャルプラットフォームのダイレクトメッセージを送信してパートナーシップを提案できます。以下の内容を含めることが重要です。
- ブランドの整合性:なぜこのインフルエンサーをキャンペーンに選んだのかを明確にし、ブランドの価値観、ターゲットオーディエンス、インフルエンサーの活動との整合性を示してください。
- キャンペーン目標:インフルエンサーにキャンペーンの目標を伝え、結果を分析するために使用するメトリクス(インプレッション、エンゲージメント、コンバージョンなど)を含めてください。
- 提案する活動:期待するインフルエンサーの活動(Instagram投稿の数、レビュー、製品の言及など)を具体的に示してください。一般的には、インフルエンサーにカスタムピッチを作成してもらうのではなく、提案を含めることがベストプラクティスとされています。しかし、インフルエンサー候補が自身の経験に基づいて提案を修正または追加するよう促すこともできます。
- コンテンツ作成プロセス:ブランドコンテンツを誰が作成するかを決めましょう。ほとんどの場合、この作業はインフルエンサーに請け負います。キャンペーン活動のタイムラインを示し、公開前に編集レビューが必要かどうかをチェックします。
- 報酬:パートナーシップのための提案する予算を具体的に提示します。インフルエンサーに料金表やインフルエンサーのメディアキットを提供してもらうこともできます。
- 返答方法:提案に対する連絡先情報と返答期限を提示しましょう。
5. キャンペーンパフォーマンスを監視する
インフルエンサーと契約を結んだら、さっそくキャンペーンを開始しましょう。契約内容に基づき、マイクロインフルエンサーのコンテンツをレビューし、インフルエンサーのソーシャルメディアフィードを監視します。検索エンジンアラートにパートナーを設定しましょう。それにより、ブランドの擁護者によるニュース価値のある活動を把握しておくことができます。
キャンペーンが開始されたら、ソーシャルメディア管理ツールやプラットフォーム内の分析機能を使用して結果を監視します。特定のインフルエンサーや特定のオーディエンスセグメントから理想的な結果が得られている場合は、その情報を使用して今後のインフルエンサーマーケティングキャンペーンを計画することができます。
マイクロインフルエンサーに関するFAQ
マイクロインフルエンサーの価値は何ですか?
マイクロインフルエンサーの魅力は、ニッチなオーディエンスを高い信頼性と誠実さによりエンゲージできる能力にあります。これにより、より大きなインフルエンサーよりも高いエンゲージメント率を得ることができます。このエンゲージメントは、親しみやすいコンテンツから生まれ、真の交流が促され、さらにターゲットを絞ったトラフィックを生み出します。
マイクロインフルエンサーは通常どれくらいのフォロワー数を持っていますか?
マイクロインフルエンサーは通常、1万人から10万人のフォロワーを持っています。
マイクロインフルエンサーはマクロインフルエンサーと同じくらいエンゲージメントを促進できますか?
はい。マイクロインフルエンサーは通常、マクロインフルエンサーよりも高いエンゲージメント率を示すため、コスト効率の良いパートナーシップと言えます。ただし、マイクロインフルエンサーキャンペーンの総インタラクション数やインプレッション数は、マクロインフルエンサーのものよりも少ない場合があります。
マイクロインフルエンサーとの長期的なパートナーシップを確立することは可能ですか?
はい。マイクロインフルエンサーに対して短期的なパートナーシップでなく、長期的なブランドアンバサダー契約を提案することもできます。