Eコマースビジネスの経営者であれば、常に顧客の関心をブランドに引きつけられるよう、定期的にコミュニケーションをとることが大切です。顧客と常につながっていると、購入を検討する際に自社ブランドを思い浮かべてもらえるようになります。
こうしたアプローチは自然さが大切で、露骨な広告のように感じられてはいけません(消費者は日常生活の中でうんざりするほど広告を目にしています)。強引なセールストークや大量の製品リンクで購入を促してばかりでは、顧客はメッセージを無視するようになります。
ターゲットオーディエンスと良いコミュニケーションをとるには、有意義で興味深いコンテンツのメルマガ(ニュースレター)を作成することが効果的です。メルマガは広告よりもブログ投稿に似ており、費用対効果が高く、顧客とのエンゲージメントを高めることができます。潜在層を顧客やブランドのファンに変えるための最良の方法のひとつです。
この記事では、企業向けのメルマガの書き方を紹介します。
メルマガとは?
メルマガとは、特定のオーディエンスにとって興味深いトピックに関する情報を提供する、定期的に送信されるニュースレターです。メルマガは、企業のウェブサイトのフォームでメールアドレスを登録してユーザーに送信されます。
Eコマースでは、メルマガはよく広範なメールマーケティングキャンペーンに採り入れられます。一般的なメールマーケティングは長い広告のようなコンテンツが多いのに対し、優れたメルマガは、読者の興味に合った短い記事のコンテンツで好奇心を刺激し、新しい知識(製品情報や一般的な情報)を提供します。主な目的は、メルマガの購読者に情報を提供して楽しんでもらうことで、ブランドロイヤルティを構築し、顧客関係を育むことです。
メルマガの4つのタイプ
メルマガの目的はさまざまで、オーディエンスの種類も異なります。企業メルマガのように従業員のみに配布されるものもあれば、ウェブサイトへのトラフィックを促進するために大規模なユーザー層に送信されるものもあります。一般的なメルマガの形式には次のものがあります。
- 企業メルマガ。企業メルマガは、企業内でのみ配布されます。通常は、業界のニュースや企業の取り組みについて、従業員に最新情報を提供する役割を果たします。優れた企業メルマガは、社内の結束を高め、これから発生するイベントや変更などに向けて従業員の意識を高めることができます。
- 組織メルマガ。組織メルマガは企業メルマガと似ています(この用語はしばしば同じ意味で使用されます)。「企業メルマガ」は1つの企業について使われることがほとんどであり、「組織メルマガ」は同じ業界内の企業グループ(業界団体、非営利団体、慈善団体、コミュニティグループなど)で使われることが一般的です。組織メルマガは、業界のトレンドやさまざまな関係者を一致団結させる働きかけをテーマにすることもよくあります。
- 消費者メルマガ。消費者メルマガは、企業が作成し、メルマガ購読に登録したターゲットオーディエンスに送信します。形式は非常に幅広く、特定のターゲットオーディエンスを引き付けるためのコンテンツが含まれます。一般的な消費者メルマガの例としては、製品発表、プロモーション、業界トレンドに関する短い記事などがあります。
- 有料メルマガ。通常は、有料メルマガにはマーケティングコンテンツは含まれません。ほとんどは新聞や雑誌のように機能し、購読者にニュースや解説を提供します。
メルマガの作成方法
マーケティング活動を強化し、購入頻度の低い顧客を継続的に利用していただけるお得意様に変えたい場合、メルマガ作成は最も簡単な戦略のひとつです。必要なのは、文章作成スキル、メールフォーマットの理解、そしてメルマガ作成ツールです。
メルマガを作成するツールは?
メルマガ作成者の多くは、マーケティングプラットフォームを使用してメルマガを作成・送信しています。Shopifyユーザーであれば、Shopify メールを使うのが合理的です。Shopify メールはShopifyアプリストアから簡単にインストールでき、ECストアにシームレスに統合できます。
Shopifyと連携する他のメルマガプラットフォームには、Mailchimp、Sendinblue、MailerLite、Campaign Monitor、ConvertKit(いずれも英語)があり、特別なフォーマット、事前スケジュール、デスクトップとモバイルデバイスの両方で正しく表示されるレイアウトといった機能を提供しています。
メルマガの作成にアプリやプラットフォームを使用する場合も、自分で作成する場合も、該当するプライバシー法を遵守する必要があります。以下は、知っておくべきルールや規制の例です。
- CAN-SPAM。米国のスパムメール防止法。米国における無断の一括送信メールを禁止しています。
- GDPR。EUの一般データ保護規則。EU内に在住する個人の個人データを保護することを目的としています。
- CASL。カナダのスパム対策法。カナダ人を保護しつつ、企業がグローバル市場で競争を続けることを可能にします。
- CCPA。カリフォルニア州消費者プライバシー法。個人のメールアドレスやその他の情報の保存と共有に厳しい制限を設けています。CCPAは、カリフォルニア州のデータを収集する可能性のある企業に適用されるため、カリフォルニア州で運営していない企業も含め、多くの企業がCCPAを遵守する必要があります。
免責事項:このガイドに共有されている資料は情報提供のみを目的としており、法的助言を構成するものではありません。メール送信に関する合法性について具体的な質問がある場合は、この分野の専門家に相談してください。
メルマガを書く方法
効果的なメルマガを書くには、配信頻度、語調や文体、件名、コンテンツなどに関する基本的な方針を決めることが重要です。
メルマガ作成のためのガイドラインの例は次のとおりです。
- 定期的なスケジュールを守る:定期的に配信することで、忠実なオーディエンスを獲得して引きつけることができます。メルマガ配信の頻度を決めましょう。企業の多くは、四半期ごと、月ごと、週ごとといったリリース頻度を選択しています。毎日配信のメルマガも可能ですが、この頻度を維持するには多くの作業が必要です。頻繁に報告するニュースがない場合は、新製品を発売する際にメルマガを作成と良いでしょう。スタート時に頻繁に配信すると、読者はその頻度を期待するようになるので、維持できる頻度を選びましょう。
- 魅力的な件名にする:メールの件名は、受け取った人の開封率を決定します。購読者の注意を引きましょう。ビジネスメールの場合、平均開封率は21.5%です。短くてインパクトのある件名にして、メールキャンペーンの結果を向上させましょう。タイミングを強調した言葉(例:「最後のチャンス」)は開封率を高めるのに役立ちますが、スパムフィルターに引っかかりやすい言葉には注意が必要です。
- 購読者の時間を尊重する:ほとんどの人のメールボックスには未開封のメールがたまっています。受取人があなたのメッセージをクリックして読み始めたとしても、注意を引き続けられる時間は限られています。要点を押さえた短い文章を書きましょう。重要なポイントがある場合は、早めに述べ、メルマガの中で何度も繰り返しましょう。
- 内容をセクションに分ける:メルマガの導入部では、そのメールの概要を明確に説明します。本文はセクション分けして見出しを付け、読みやすくしましょう。各セクションは2段落以内に収めるのが理想的です。
- 有益なコンテンツを提供する:読者はマーケティング用語の羅列を望んでいません。ターゲットオーディエンスにとって価値のある、高品質で関連性のあるコンテンツを提供しましょう。たとえば、製品やサービスに関連するヒントやコツを提供するのは良いアイデアです。また、購読者によるユーザー生成コンテンツ(製品レビューやハウツービデオへのリンクなど)を含めることもできます。
- 行動を促す呼びかけを行う:メルマガを通じて読者を引き込みましょう。割引オファーや無料トライアルといった分かりやすく魅力的な行動を呼びかけて、次のステップへ進むよう促すことができます。ウェブサイト、ECストアのトップページ、製品ページ、別のメルマガの購読へのリンクを含めるのも良いでしょう。
- 目標を持つ:メルマガの各号は、ブランドの大きな目標に向かって作成する必要があります。特定のランディングページへのリンクを掲載するのもひとつの方法です。長期的な視点でブランドの信頼を築くことが目標であれば、読者がブランドに対して肯定的な印象を持つようになるコンテンツを持続的に提供すると良いでしょう。
メルマガに関するよくある質問
効果的なメルマガの要素とは?
魅力的なメルマガには、以下の特徴があります。
思わずクリックしたくなる興味深い件名
購読者の時間を無駄にしない有益な情報
購読者にエンゲージメントや購入を促す呼びかけ
ウェブサイトやECストアへのリンク
メッセージの最後に掲載された会社情報
メールのフッターには、必ず退会オプションを含めてください(ほとんどのメール発行プラットフォームは、自動的に含まれる設定になっています)。
メルマガのフォーマットは?
メルマガには、魅力的な件名と、プレヘッダー(メールボックスで件名の隣に表示される文章)が必要です。簡単な導入部(1~2文)で読者に呼びかけ、その後の本文は短いセクション(1~2段落)に分けます。コールトゥアクション(リンクをクリックする、 新しいメーリングリストに参加する、商品を購入するなど)を含めます。メルマガの最後には、会社情報、ウェブサイトやSNSへのリンク、退会オプションを含むフッターを付けます。
すべてのメルマガに退会ボタンが必要ですか?
はい。米国のCAN-SPAM法は、配信から退会するための明確な選択肢をすべてのメルマガに含めることを求めています。Shopify メールのようなメルマガツールを使用すれば、すべてのメールには退会ボタンの付いたフッターが自動的に配置されます。