お客様がコマースプラットフォームをShopifyに切り替えた後、より効率的になったという話をよくいただきます。なぜそう評価していただけるのか、それを裏付ける確かなデータと外部の独立形大手コンサルティング会社の調査によって、この度、総所有コスト(以下、TCO)の定量化が行われました。
今回、TCOについて調査の対象としたのは、北米市場において主要なコマースプラットフォームを展開する Shopify 、BigCommerce、Salesforce Commerce Cloud、Adobe Commerce (Magento)、WooCommerceです。
調査の結果、 ShopifyのTCOが競合他社より平均で33%、最大36%も優れていることがわかりました。
なぜShopifyのTCOが他社と比較して優れているという結果になったのでしょうか。私たちが製品に投資する際に大切にしていることは、複雑化した不要な業務を取り除くことでお客様の業務をシンプル化し、本来注力すべき事業拡大に必要な時間を割くことができるようにすることです。それにより、お客様にとって最適化できる優れたTCOを実現し、より高い価値を提供することに繋げています。
今回行った調査結果のハイライトは、以下のとおりです:
- Shopifyのプラットフォームにかかるコストは、競合他社よりも平均して23%優れている。Adobeのプラットフォームにかかるコストとeコマーススタックにかかるコストは42%高く、BigCommerceとWooCommerceは32%高い
- Shopifyのプラットフォームの運用コストは、競合他社よりも平均して19%優れている。WooCommerceの運用・サポートコストは41%高い。AdobeとSalesforceの運用・サポートコストはそれぞれ24%、6%高く、BigCommerceは21%高い
- Shopify のプラットフォームの実装コストは平均すると、 33% 優れている。BigCommerceのプラットフォーム導入・設定コストは88%高く、WooCommerceや、Adobe、Salesforceはそれぞれ49%、42%、16%高い
こうして比較してみると、大きな違いがあることがわかります。規模や複雑性を問わず、あらゆる組織に大きな影響を与えるような数値であって、有望な新製品あるいは市場にリスクを取れるか、それとも技術的負債の穴に資金を注ぎ込むかといった判断の分かれ目になるといえます。
何層ものコスト計算で構成されるTCO
TCOの算出が難しいことはよく知られていますが、今回この調査を行った独立系大手コンサルティング会社はどのように算出したのでしょうか。
2023年12月から2024年1月にかけて、同社はエンタープライズ企業の幹部を対象に調査を行い、北米市場におけるコマースプラットフォームに関する豊富な経験を持つ専門家にインタビューを行いました。質問項目は、以下4つのコマースにかかるコストに関するデータやインサイトを収集することを目的として準備されました:
- プラットフォーム費用とeコマーススタック費用
- 運用、プラットフォームサービス、サポートコスト
- 実装コストと設定コスト
- コンバージョンの機会損失コスト
総コストを構成する非常に細かい項目までカバーできるよう調査を設計しているため、これらの広範な各カテゴリーのなかには多くのサブカテゴリーが存在しています。
ここで、各カテゴリーの意味合いに注目してみると、この調査が包括的に設計されていることがわかるのはもちろん、組織が業務効率を最大化することに重きを置く意思決定がいかに複雑であるかということも見えてきます。
例えば、業務効率の向上を目指す組織からすると、安価なプラットフォームの利用料に惹かれるかもしれません。しかし、そのために機能やアプリケーションが欠落してしまうケースが発生するなど全体像が見えなくなってしまうことはよくある話です。結局、外部のアプリケーションやプラグインを追加で導入することになり、技術スタックのコストは上昇し、プラットフォームの運用とサポートに必要な技術や人といったリソースは増え、導入周りのコストも加算されてしまいます。月々の支払い以上に考慮すべきことがたくさんあります。
専門家が語る競争の行方とは
今回の調査からたくさんの興味深いことが見えてきますが、その中でもこの領域を長くみている専門家たちによるコメントはさらに興味を引きつけてくれます。
Adobeについて:
「Adobeでリプラットフォームを行った際、製品カタログを作り直す必要があり、データ移行だけで半年近くかかった。データを移行するだけで80万ドルを費やし、そのための代理店を雇わなければならなかった」
Salesforceについて:
「Salesforceの導入を検討するとき、システム統合がまず大きな足枷になります。Salesforceを利用する企業の多くが、ゼロから始めるのではなく、大規模で定着したシステムからリプラットフォームを行う中堅・大企業であることを考えると、これは重要な検討事項である」
BigCommerceについて:
「BigCommerceはカスタム開発において柔軟性がない。Shopifyと比べるとBigCommerceのような他のプラットフォームは新機能の展開が遅い。対照的にShopifyは毎年何百種類もの新製品アップデートをリリースしている。また2023年だけで17億ドルを製品や機能の研究開発に費やしている」
WooCommerceについて:
「WooCommerceは、歴史的に中小企業や中堅企業向けのプラットフォームであるため、多くのアプリケーションとの連携やインフラにおいて、複雑さとリスクが増すことが当たり前とされるエンタープライズ企業にとって機能の拡張性という点で限界がある」
中小企業にとっては、WooCommerceで十分かもしれません。しかし、多くの企業は事業規模を拡大することを念頭に置いており、それを考慮して構築されてないプラットフォームを利用することは問題を引き起こすリスクがあります。事業規模が拡大しWooCommerceを卒業したら、Shopifyに移行するのは当然の選択です。
Shopifyはペイするが、Shopifyはコストにならない
ここまではコスト面のメリットに焦点を当ててきましたが、異なるプラットフォームによって企業がどれだけの価値を獲得できるかについても考える必要があります。例えば、コンバージョン率の違いは、企業がShopifyのプラットフォームを利用していれば獲得できる価値であるため、他のプラットフォームを利用する場合は追加コストとして適用されることになります。
Shopifyのコマースプラットフォームで実現するコンバージョン率は、競合他社を最大36%上回っています。今回のTCOに関する調査で評価された競合4社のサブセットを見ると、平均18%高いチェックアウト率です。TCOのパーセンテージで表すと、10%のマージンがあると仮定した場合、およそ1.8%のTCOオフセットとなります。
事業規模を拡大している中小企業にとっては、1%ポイントごとに大きな違いがあります。また、すでに事業規模を拡大している大企業にとっては、この数字は数百万ドルの収益機会の損失に相当するのです。
この違いを生み出す理由に、Shopifyのチェックアウト促進サービスであるShop Payが大きく寄与していることが挙げられます。Shop Payを利用することで、ログインせずにゲストとしてチェックアウトする場合と比べてコンバージョンを50%も向上させることができ、他のチェックアウトを促進する類似機能やサービスを少なくとも10%上回っていることがわかっています。先の調査によると、Shop Payを利用するだけで、ローワーファネルのコンバージョンを5%増加させることができます。
エンタープライズ企業レベルのコスト優位性と効率性を備えた、顧客志向の製品
Shopifyは、地上最高のコマースプラットフォームになることだけを目指しているわけではありません。私たちはより高い価値と、最適化したTCOを実現することをも目指しているのです。「効率」と「費用対効果」は難しく聞こえるかもしれませんが、競争が激化する市場では大きな意味を持ちます。私たちの仕事は、お客様に最高のツールを提供し、ともに適応して成長していくことです。そして、お客様が飛躍できるよう、お客様の拠り所やパートナーとして寄り添いながら、邁進していきます。
◉ 原文はこちらをご参照ください:”Shopify has the best total cost of ownership in commerce, with up to 36% better TCO than the competition” (https://www.shopify.com/enterprise/blog/ecommerce-total-cost-of-ownership)