健康意識の高まりを背景に「着るだけで腰や肩をサポートする」という独自の発想で支持を広げてきた、りらいぶの「リライブシャツ」。2021年に代表の佐々木貴史氏がYouTube番組「令和の虎」へ出演したことをきっかけにブレイクし、テレビ通販などの露出を追い風に事業は急成長。現在はシリーズ累計販売数400万着、年間売上155億円(2025年7月時点)と急成長しています。
この成長を支える土台が、公式オンラインストアです。同社は事業拡大に合わせて、このEC基盤をShopifyに刷新。段階的なプランのアップグレードを通じて、拡大する事業規模に対応できる基盤を構築してきました。今回は、EC運営を担う同社 WEBマーケティング部 主任の藤崎泰資氏に、事業規模を飛躍的に拡大させてきた仕組みと、ShopifyのPlusプランの活用の実際を聞きました。
【ShopifyのPlusプラン導入による成果】
- EC売上が3年で約25倍(2022年約2億円 → 2025年約50億円)
- EC受注が1日最大2万枚(テレビ放映後の注文急増時)
- 少人数体制でも安定運営を実現
株式会社りらいぶ WEBマーケティング部 主任 藤崎 泰資 氏
事業拡大の裏側で、ECに求められた「耐えられる仕組み」
りらいぶは2017年の創業以来、「どうすれば人の健康に寄与できるか」という問いを起点に商品開発を続けてきました。主力のリライブシャツは、生地全体に加工を施す一般的な機能性ウェアとは異なり、特殊加工を施した複数の鉱石をインクに練り込み、身体の要所に沿ってプリントする独自の加工を採用しています。
肩や膝など、年齢とともに増える悩みに寄り添う設計が支持を集め、40代以上のミドル世代・シニア層を中心に支持を広げてきました。
幅広い世代が着用できるリライブシャツ
この商品の特性は、テレビ番組やテレビ通販との親和性の高さにもあります。番組内で紹介されるたびに視聴者の関心が一気に高まり、購買が短時間に集中します。しかしこれは同時に、ECサイト側に大きな負荷をかけることでもあります。表示がわずかに遅れるだけでも離脱につながるため、安定稼働は常に意識せざるを得ない課題でした。
「テレビ放映後は、本当に一気に注文が集中します。サイトの表示スピードが遅れたり、決済が止まったりすれば、それだけで機会損失になります。だからこそ私たちにとっては、どれだけ需要が集中しても“止まらない”ことが、EC基盤の絶対条件でした」と藤崎氏は振り返ります。
加えて当時は、テレビ通販向けの注文サイトや販売代理店向けのBtoBサイトなど、用途ごとにオンラインストアが分かれていました。チャネルごとに顧客情報や売上データが分散し、日々の確認や集計に手間がかかる。事業規模の拡大とともに、こうした運用の分断は現場の負荷を高め、データを横断的に活用しづらい状況を生んでいました。
成長フェーズに応じてストア環境をアップグレード
EC基盤の見直しにあたり、りらいぶが重視したのは、負荷に耐えられる強さに加え、日々の運用を無理なく回し続けられること、さらに将来的な事業拡張に対応できる柔軟性でした。
検討の初期段階から有力な選択肢として挙がっていたのが、Shopifyです。決め手の一つとなったのは、既存の配送システムや業務ツールとの接続性でした。従来、利用していた環境では、受注管理システムとECプラットフォーム側との互換性が十分ではなく、注文データを配送側へ連携する際に制約がありました。一方で、Shopifyであれば、受注データや在庫情報をバックエンド側のシステムへスムーズに連携でき、配送処理までを一気通貫でつなげられることで、業務フローへスムーズに組み込める見通しが立ちました。
標準機能の充実度も、Shopify を評価した大きなポイントです。LPの制作機能や多様なチェックアウト手段など、必要な機能をあらかじめ備えた状態で立ち上げられるため、開発に依存せずに一定水準のECサイトをスムーズに実現できます。さらに、事業の成長に合わせてアプリや機能を拡張できる設計は、初期段階の過剰な開発投資を行う必要がなく合理的でした。
こうして同社は2022年にShopifyのAdvancedプランを採用。その後、EC売上の拡大にあわせて2024年3月にShopifyのPlusプランへとアップグレードしました。Plusプランへの移行は、機能面に加えて、コスト構造の見直しも背景にありました。
「Shopify上での売上が伸びるなかで、Plusプランが現実的な選択肢になってきました。一定規模を超えると、決済手数料を含めたトータルコストの面で合理性が出てきますし、チェックアウト拡張やAPI連携など、運用の自由度が高まる点も決めてになりました」(藤崎氏)

RELIVE 公式オンラインストア
成長を支えるShopifyの活用と運用設計
Shopifyの導入およびPlusプランへのアップグレードを通じて、同社のEC運営は、事業拡大や施策強化に柔軟に対応できる体制へと進化してきました。アクセス数や販売機会の増加を前提とした環境の中でも、少人数で効率的に運用を継続しながら、新たな取り組みにリソースを振り向けられる基盤が整っています。
- ページ(CMS)機能
Shopifyのページ機能を活用し、LP(ランディングページ)や商品ページの構成を管理画面上で柔軟に編集しています。テレビや広告のQRコードからオンラインストアに直接誘引し、チェックアウトまでの導線をできるだけシンプルに設計。その結果のデータを見ながら、CVR改善につながる最適化を継続的に行っています。
- BtoB向けストアの構築・運用
販売代理店向けのBtoB取引も、Shopifyでつくった専用ECサイトで管理しています。販売代理店は数百社にのぼり、以前はカタログを1冊ずつ送付するなど、個別対応が必要な場面も多かったといいます。BtoB取引をShopifyに集約したことで、受注や情報管理をオンラインで完結できるようになり、日々の運用負荷は大きく軽減されました。
- Shopify Sidekick(AIアシスタント)
ShopifyのAI機能「Sidekick」も、日常的な運用の中で活用されています。会話形式で、特定期間の売上や販売個数を確認したり、CRM周りの簡単な設定作業をAIに聞いて行ったりすることができます。「Shopifyにあまり詳しくないメンバーから質問されたときも、『画面右上のSidekickに聞いてみて』と伝えるだけで済んでいます。わからないことをそのまま聞けば答えが返ってくるという、手軽さはかなり助かっています」(藤崎氏)
- Shoplift(A/Bテストアプリ)
Shopifyには多様なアプリが用意されており、その一つであるA/Bテストアプリ「Shoplift」を活用し、販売導線上の重要なポイントで検証を行っています。リアルタイムでLP内のコンテンツの出し分けを行いながらCVR改善につなげており、テレビ放映などでアクセスが集中する場面でも、検証と改善のサイクルを止めずに回せる点が特徴です。戦略上重要なポイントを迅速に見極められる点が、大きな助けとなっています。
こうした機能やアプリの活用しながら少人数体制で事業拡大を進める上で、特に助けとなったのがShopifyが提供する高度技術専門サービス「Shopify Professional Services」でした。これは、オンラインストアの技術的な課題整理から改善方針の設計、具体的な施策提案までをShopify専門チームが伴走するものです。
また、ShopifyのPlusプランへの移行にあたっては、複数存在していたストアやアカウントの統合と管理の一本化も、この専門チームにカスタマーサクセスチームを交えた伴走体制のもとで進められました。設計や移行の進め方について随時相談しながら取り組めたことで、運用への影響を最小限に抑えた形で統合できました。
特に同社では、特にサイトスピード改善の取り組みにおいて、この支援の効果を実感したといいます。Shopifyの専門チームが関与することで、現在のページ表示速度は、ユーザーが待ちをほぼ感じない2.2秒台まで改善しています。「以前は外部ベンダーに比較的安価で改善を依頼していました。ただ、数値上は改善していても、体感としてはあまり速くなった感じがしませんでした。スピードが少し上がるだけでもリターンは大きく変わってくるので、やはりきちんとしたところに依頼しようと考え、Shopify Professional Servicesを利用しました。結果として、売上が上がったという実感はあります」(藤崎氏)
Shopify導入がもたらした事業インパクト
Shopifyの導入は、りらいぶのEC事業において、運用の安定化にとどまらず、事業成長を現実的に支える基盤として機能しています。
最も大きな成果として挙げられるのが、売上の伸長です。Shopifyを本格的に活用し始めた2022年のEC売上は約1.8億円でしたが、2025年には約50億円規模にまで拡大しています。テレビ放映を起点とした需要を安定して受け止められる基盤が整ったことが、この成長を下支えしています。
施策面では、A/Bテストを継続的に回せる環境が整ったことも成果につながっています。ページ構成や商品訴求の細かな違いを検証しながら改善を重ねることで、コンバージョン率(CVR)の改善が進みました。
「当社の場合、CVRがほんの少し変わるだけでも、売上が数千万円単位で変わってきます。Shopify上でA/Bテストができる環境が最初から整っていたのは、非常に意味がありました」(藤崎氏)
運用効率の面でも変化は顕著です。現在、りらいぶのEC運営は藤崎氏と関連部署の少人数で担っています。Shopifyによって日々の管理や施策対応にかかる時間は大幅に短縮されました。その結果、数十億円規模にまで拡大したオンライン事業を、少人数体制で無理なく運営できています。

ブランドの世界観がより伝わるオンラインストアへ
今後の展望として藤崎氏が見据えているのは、これまで積み重ねてきた成長を土台に、オンラインストアを次のフェーズへと進めていくことです。
新商品の投入や商品ラインアップを拡充しながら、それらの魅力をしっかり伝えられるように段階的にアップデートしていく考えを示しています。
「売上は伸びてきていますが、オンラインストアの表現は、まだ必要最低限のところにとどまっていると感じています。これまでは機能や運用を優先してきましたが、これからは写真やデザインも含めて、ブランドの世界観がより伝わる形にしていきたいです。ただ、デザインを重視しすぎるとCVRが下がることもあるので、『買いたくなる体験』とのバランスは大事にしたいと思っています」(藤崎氏)
一方で、システムや運用面では、さらなるAI活用の可能性にも目を向けています。今後は、AIエージェントを取り入れた接客体験の構築も検討していく方針です。
Shopifyの導入は、りらいぶが事業成長に合わせてECの役割を広げていく中で、必然的に選ばれたものでした。テレビ放映などによるアクセス集中にも耐えうる安定性、事業拡大に応じて柔軟に機能を拡張できる拡張性、そして少人数でも継続的に運用できるシンプルさ。こうしたShopifyの強みを存分に活用しながら、機能や効率の最適化にとどまらず、ブランド表現の強化やAIを活用した新たな体験づくりなど、次のフェーズに踏み出していきます。
