Shopifyアプリパートナーであることの最大のメリットの1つは、Shopifyアプリストアを活用して、ストア運営の改善を目指すマーチャントに出会えることです。
マーチャントにとって、Shopify上でオートメーション(自動化)を行う機会が多くありますが、1つの大きな問題があります:それは、ほとんどのアプリがShopifyストアの運営の1つの側面のみを改善または合理化していることです。マーケティング、カスタマーサービス、アカウンティング、配送などに特化したアプリはありますが、これらの分野すべてをカバーできるアプリはありません。またアプリが特定のカテゴリに特化しているからといって、複数の分野でそこそこの仕事しかできないアプリを新しく構築するのは現実的ではありません。
またマーチャントの大部分はストアの異なるワークフローをつなげるためにAPIを活用し、時間を割くことができるような開発者ではありません。そのため、マーチャントは、機能横断的なワークフローを作成するために、Shopifyアプリ間のすでにある統合機能に頼らざるを得ません。Shopifyのマーチャントの複雑なニーズに対応するにあたり、単純なデータ同期でも少しは対応できるかもしれません、しかしオートメーションを通して真に「勝つ」ためには、マーチャントは、特別な技術を用いず複数アプリ間を連携させ、カスタマイズされたワークフローを開発するための方法を必要としています。
そこで便利なのがノーコード・オートメーションです。これは、マーチャントがコードを一行も書かずにワークフローを構築することを可能にします。これは、マーチャントにとって高い価値があり、急速に話題になっているツールです。ゼロからワークフローをコーディングするのではなく、ドラッグ&ドロップのビルダーを使用して、ストアの自動化されたワークフローを作成してみてはいかがでしょうか。この水準のカスタマイズ性は、マーチャントの新しい期待基準を生み出しています。
Shopifyアプリ開発者として、ノーコード・オートメーションのためにアプリをどのように開発するか検討することは、これまで以上に重要になってきています。マーチャントはアプリ内データやアクションをより効率的に活用しながら、ストアとあなたのShopifyアプリビジネスの成長を促進することができます。この記事では、あなたのShopifyアプリのノーコード・オートメーションを始める方法を説明します。
始めるにあたって
アプリをノーコード・オートメーションプラットフォームと統合するには、オープンAPIを作成する必要があります。オープンAPIとしっかりしたドキュメンテーションがあれば、他アプリの開発者は、あなたのチームの助けを必要とせず、インテグレーションすることができます。当然ですがこれは、他の社内プロジェクトのためにあなたの貴重なエンジニアリングリソースを節約できることを意味します。
ただし、オープンAPIとは、サードパーティがあなたのアプリのデータを使用したり、アプリにデータを入れることを意味します。そのため、ビジネス面でデータ規制が必要になる場合に備えて、適切なポリシーも用意しておく必要があります。
Webhooks
Webhook を使用すると、システム内でイベントが発生したときに、他のアプリに通知することができます。例えば、Shopifyには、注文が更新されたとき、支払いが完了したとき、返金されたときに発生する注文イベント用のWebhookがあります。パブリックAPIの一部としてWebhookを活用することで、マーチャントがアプリのデータをより活用できるようにする機能を他のShopifyアプリ開発者に構築してもらうことができます。例えば、注文に関するイベントが発生した際に、Webhookを利用してチケット、ステータス更新、またはSMS通知を作成するために多くの異なるアプリを連携させることができます。
ノーコード・オートメーションプラットフォームでは、Webhookは複数アプリにまたがり、一連のイベント全体のトリガーとして機能します。あまりコーディングに慣れていないマーチャントも、アプリ内のイベントを起点に他アプリの対応するイベントに適切なデータを移動させ、イベントをトリガーにした一連のロジックを作成することができます。
APIエンドポイント
Webhookに加え、他の開発者がアプリにデータを入れたり、呼び出しするためのAPIエンドポイントを作成することが重要です。POSTメソッド用のエンドポイントを開くことで、他システムからのデータを取り込むことができます。これは、アプリから生成されていないデータを同期させるのに役立ちます。たとえば、あなたのアプリがリワードプログラムの管理に特化している場合、顧客タグデータ、注文追跡情報、またはカスタマーサポートチケット情報持ち込むことで、より完全な顧客プロファイルを得ることができます。
同様に、GETメソッド向けのエンドポイントはオープンAPIの重要な部分であり、他の開発者がペルソナの充実やその他のユースケースのためにあなたのアプリのデータを活用できるようになります。このエンドポイントを利用することで、ユーザーはアプリのデータや機能をどのように使用するかについて、よりクリエイティブになることができます。
Shopifyアプリ用のオープンAPIを設計する際には、他の開発者がドキュメントを読んで、異なるエンドポイントやWebhookの使用方法を理解できることを念頭に置くことが重要です。(ドキュメントを理解しやすいものにすると、他のShopifyアプリ開発者が、あなたのエンジニアリングチームからのサポートなく開発が出来ます)さらに、アプリのAPIから返されるデータは、変数やコンセプトがShopifyエコシステムで規定された標準に対応できるように、あらかじめ構造化しておく必要があります。
「ドキュメントを理解しやすいものにすると、他のShopifyアプリ開発者が、あなたのエンジニアリングチームからのサポートなく開発が出来ます」
自動化されたワークフローのユースケースと事例
ここで自動化に役立つアイデアをご紹介します。以下は、ノーコードオートメーションに適したワークフローの例です。
マーケティング
あらゆるストアにおいて、より多くの顧客を獲得するためにはマーケティングが必須であり、Shopifyマーチャントが最も多くの費用を費やしている分野の1つです。グロースマーケティングを自動化することで、マーチャントは顧客ごとに最適化されたキャンペーンを作成することができ、コンバージョン率を向上させ、キャンペーンの投資収益率(ROI)を向上させることができます。
それではノーコード・オートメーションはどこで役立つのでしょうか?実はマーケターは、より多くのデータを取得して、よりターゲットを絞ったマーケティングを作成しながら、マーケティング活動を可能な限り効率化したいと考えています。顧客のタグ付け、キャンペーンメールの送信、広告キャンペーンの設定、レポートの作成、その他の作業は、非常に時間のかかる作業です。ノーコード・オートメーションにより、マーチャントは日常的なタスクの多くを自動化し、より大局的なマーケティングプロジェクトにリソースを集中することができます。
カスタマーリワードとロイヤリティ
リワードとロイヤルティプログラムは、マーチャントとって最高のリテンションの機会を提供します。ノーコード・オートメーションにより、マーチャントは他アプリからのデータに基づいた顧客行動に応じて自動でリワードを与えることができます。例えば、レビューを残してくれた顧客に報酬を与えたいとします。レビューを自動的に追跡してポイントを付与するためには、マーチャント側はレビューとリワードアプリ間の連携をさせる必要があります。この連携がない場合、マーチャントはレビューに対し、自動でポイントや商品サンプルを提供することができません。
配送およびフルフィルメント
多くのShopifyのマーチャントは、配送とフルフィルメントを単なるコストではなく、成長チャネルとして活用することのメリットを認識し始めています。マーチャントにノーコードソリューションを提供することで、フルフィルメントプロセスの多くを自動化し、配送時間を短縮し、注文のエラー率を減らすことができます。
カスタマーサービス
カスタマーサービスの多くの部分がは面倒かつマニュアルであり、顧客からの問い合わせの多は似たような内容になっています。3PL(サードパーティー・ロジスティクス)が返品を受け取った後の返金の自動生成から、チケットが解決した後のレビューのリクエストまで、マーチャントはアプリを連携させることで、ストアにインストールされている異なるアプリ間で顧客データを同期させることができます。つまり、マーチャントはよくある質問への回答に費やす時間を減らし、商品開発やマーケティングキャンペーンなど他のビジネス分野に時間を割くことができます。
アカウンティングとアナリティクス
アカウンティングとアナリティクスをノーコードで自動化することで、マーチャントはアプリから関連するデータを簡単に引き出し、他のアプリのデータと組み合わせて使用し、ビジネスに役立つ包括的なレポートを作成することができます。アプリが一般的な分析ツールとまだ同期されていない場合は、マーチャントが好きなようにデータを表示できる柔軟性を提供するので、これは特に便利です。さらに、マーチャントはアプリイベントをチームの内部通知システムやチケッティングシステムにリンクさせることができます。例えば、3PL側であらかじめ設定した在庫しきい値に達したときに、特定の製品を再入荷するようにフルフィルメントチームに通知することができます。
タグ付け
手動でのタグ付けは、信じられないほど時間がかかります。どのタグを適用するか、いつ適用するか、そしてどの個別プロファイルにタグを適用するか把握する必要があり、それ自体がフルタイムの仕事になることもあります。ノーコードツールを使えば、アプリ内で発生したイベントの種類に基づいて、注文、顧客、商品などに自動的にタグ付けができます。たとえば、マーチャントは、サブスクリプションアプリでサブスクリプションが連続して更新された回数に応じて顧客をタグ付けしたり、アプリが配送データやサービスを提供している場合は、どの地域にいるかに基づいて注文をタグ付けしたりすることができます。これにより必然的に時間が節約され、マーチャントはデータを使った業務の拡大に集中することができます。
ノーコードを最大限に活用する
ここまで、ノーコード・オートメーションがマーチャントを支援できる多くの分野について説明してきましたが、Shopifyアプリ開発者として、自動化をビジネスに有利に活用するにはどうしたらよいでしょうか?ここでは、Shopifyアプリがノーコード・オートメーションを活用して、ユーザーの成長や運用効率を向上させる方法をいくつか紹介します。
簡単に他のShopifyアプリと提携する
他のShopifyアプリとのパートナーシップや連携は、Shopifyマーチャントに対してノーコード機能を提供するための最も手軽な方法の一つです。例えば、SMSマーケティングはShopifyマーチャント内で上昇トレンドにあります。もしあなたがメールアプリを開発しており、SMS機能を構築する予定がない場合、SMSプロバイダーと統合して、メールとSMSが連携したワークフローをユーザーに提供することができます。
こうしたアプローチにより、貴重なエンジニアリングリソースを節約して、既存製品のコア機能の開発に集中することができます。
時間を節約し、より多くのことを
エンジニアは、現在行っている作業を自動化し、開発者を増やさずに能力を拡張することができます。例えば、自分のアプリと他アプリの間にビルドしたいインテグレーションのたびに新しいコードを書くのではなく、必要なインテグレーション機能をすでに持っている自動化プラットフォームを活用し、自分のアプリをプラットフォームに接続するためのコードだけを書くことができます。この方法では、一つのインテグレーションのためだけにコードを書けば、何十もの他アプリにアクセスすることができます。
作業をまとめる
カスタマーサクセスチームやインプリメンテーションチームは、大手顧客のためにカスタムコードを開発する必要に迫られることがあります。プライベート アプリを作成したり、カスタム要求にエンジニアリング工数を割く代わりに、自動化されたワークフローを使用して、顧客自身がアプリの機能の上にロジックを追加できるようにすることができます。
例えば、顧客が複数のShopifyストアを持っていて、アプリ上の1つのアカウントに同期させたい場合、1つのアプリアカウントにデータをフィードする2つの自動ワークフローを設定することができます。これらの自動化されたワークフローを作成することで、インプリメンテーションチームはコードを書き換える必要が生じません。代わりに、同じようなニーズを持つ他のクライアントとワークフローを共有することができます。これにより、時間を節約し、機能実装とTTV(Time to Value)のスピードを上げることができます。
プロセスをよりスムーズに
ノーコード・オートメーションの準備ができているShopifyアプリには、無限の可能性があります。ノーコード・オートメーションにより、エコシステム内の他アプリとより戦略的なパートナーシップを構築したり、アプリの機能を顧客のために拡張する自動化されたワークフローを作成したり、エンジニアリングリソースを節約して、ビジネス影響するアプリのコア機能を成長させたりすることができ、そのすべてがマーチャントの経営を改善することにつながるのです。
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