ECサイトでは、商品情報やセール、再入荷のお知らせなどを、必要なタイミングでユーザーに届けることが重要です。しかし、サイト上に情報を掲載するだけでは、ユーザーが再訪するまで気づいてもらえず、購入の機会を逃してしまうこともあります。そこで活用されているのが「プッシュ通知」です。
プッシュ通知は便利な機能ですが、通知の頻度や内容によっては、ユーザーに煩わしさを感じさせる可能性もあるため、適切な運用が欠かせません。
本記事では、プッシュ通知の仕組みや種類、ECサイトで活用するメリット、具体的な活用方法を解説します。Shopifyストアでプッシュ通知を導入する方法や、運用時に意識したいポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

プッシュ通知とは
プッシュ通知とは、スマートフォンやパソコンなどの端末に、アプリやウェブサイトからメッセージを直接表示する機能です。プッシュ通知を送信するには、ユーザーから通知の受信許可を得る必要があります。
タイトル、メッセージ、URL、CTAなどを含めて情報を表示できるため、サイトへの再訪や購入を促す手段として有効です。また、ユーザーの関心に合った情報を継続的に届けることで、顧客維持やLTV向上にもつなげられます。

ECサイトでプッシュ通知を活用するメリット
ECサイトでプッシュ通知を活用する主なメリットは、次のとおりです。
- ユーザーの目に留まりやすい:プッシュ通知は、スマートフォンやパソコンの画面上に直接表示されるため、情報を確認してもらいやすいです。
- 適切なタイミングで情報を届けやすい:配信時間を調整することで、ユーザーが端末を利用しやすいタイミングに合わせて通知できます。
- ユーザーごとに通知内容を最適化できる:閲覧履歴や購入履歴などに応じて案内をパーソナライズすれば、購入の促進や顧客維持の可能性を高められます。

プッシュ通知の仕組み
プッシュ通知は、事業者が配信システムから送ったメッセージを、プッシュ配信サーバーを経由してユーザーの端末に届ける仕組みです。アプリやウェブサイトと配信サービスをAPI連携することで、通知の一斉配信や日時の予約、特定の条件に応じた自動配信などができます。
ただし、通知の配信方法や表示形式は、端末やOS、ブラウザによって異なります。iOSとAndroid、パソコンのGoogle Chrome(グーグルクローム)とSafari(サファリ)などでは、表示される位置やデザインに違いがあるため、利用環境に応じた調整が必要です。

プッシュ通知の種類
Webプッシュ通知
ウェブブラウザを通じてパソコンやスマートフォンに配信される通知です。ユーザーがウェブサイト上で通知の受信を許可すると、サイトを開いていないときでも、対応するブラウザやOSを通じてメッセージを表示できます。
専用アプリをインストールしてもらう必要がないため、ウェブサイトを中心に運営するEC事業者でも導入しやすい点が特徴です。
モバイルアプリのプッシュ通知
スマートフォンにインストールされたアプリを通じて配信される通知です。基本的には、ユーザーがアプリをインストールし、通知の受信を許可することで利用できるようになります。
通知は画面上のポップアップやロック画面、通知センターなどに表示され、タップするとアプリ内の特定ページを開くことが可能です。

ECサイトにおけるプッシュ通知の活用方法
ECサイトにおけるプッシュ通知の代表的な活用方法は、以下のとおりです。
- セールやキャンペーンの告知
- 新商品や再入荷商品の案内
- カゴ落ち商品のリマインド
- クーポンや限定オファーの配信
- 閲覧履歴や購入履歴に応じたおすすめ商品の提案
- 注文・支払いの確認や配送状況の通知
- 定期購入の次回発送日や更新時期の案内
- 購入後のフォローや再購入の促進
たとえば、カートに商品を入れたまま離脱したユーザーにリマインド通知を送れば、購入を再検討してもらうきっかけを作れます。おすすめ商品を提案する際も、過去の閲覧履歴や購入履歴をもとに、関心の高い商品や関連商品を案内できます。また、発送完了や配送予定日などの通知を送ることで、ユーザーは注文した商品の状況を把握し、安心して到着を待つことができます。

プッシュ通知を活用する際のポイント
通知内容をパーソナライズする
プッシュ通知を活用する際は、顧客セグメンテーションや、ユーザーの興味や行動、属性などに応じてパーソナライズするのが有効です。
セグメント配信する際に利用可能な情報の一例を挙げます。
- 過去に閲覧した商品
- 購入履歴
- カートに入れた商品
- お気に入りに登録した商品
- 居住地域や利用状況
ユーザーに適した内容を配信することで、通知を確認してもらいやすくなり、ECサイトへの再訪や購入につながる可能性も高まります。
配信するタイミングと頻度を調整する
プッシュ通知は、内容だけでなく配信するタイミングや頻度も重要です。魅力的な情報でも、ユーザーが忙しい時間帯や深夜などに届くと、確認されにくかったり、不快に感じられたりする可能性があります。
たとえば、次のようなポイントを意識するとよいでしょう。
- ユーザーがスマートフォンを利用しやすい時間帯に配信する
- セール開始前や終了直前など、行動につながりやすいタイミングを選ぶ
- 同じユーザーに対して短期間に何度も通知を送らない
通知の回数が多すぎると感じたユーザーは、通知をオフにしたり、アプリの利用を避けたりするかもしれません。まずは週3回以下を一つの目安とし、クリック率や購入率、通知の受信拒否の状況などを確認しながら、ユーザーにとって負担にならない頻度に調整しましょう。
メッセージは簡潔にする
プッシュ通知のメッセージは、できるだけ簡潔にまとめることが重要です。文章が長すぎると、端末やブラウザによっては途中で省略され、重要な情報が伝わらない可能性があります。
モバイルアプリ向けの場合、タイトル20文字、本文40文字程度を目安としましょう。実際に表示される文字数は利用環境によって異なるため、重要な情報を冒頭に置き、配信前に表示を確認します。
特に、次のような点を意識するとよいでしょう。
- 伝えたい内容をひとつに絞る
- 冒頭で要点を伝える
- 難しい表現や長い説明を避ける
- 「セール開催中」「本日まで」など行動につながる言葉を入れる
- 遷移先の内容と通知文を一致させる
たとえば、セールを案内する場合は、割引率や終了日時など、ユーザーにとって重要な情報を優先して伝えます。短くても内容が明確なメッセージにすることで、ユーザーが瞬時に内容を理解でき、通知のクリックやECサイトへの訪問にもつながりやすくなります。
画像や絵文字、動画を活用する
プッシュ通知にテキストに画像や絵文字を組み合わせることで、伝えたい情報を視覚的に補足できます。ユーザーが内容を把握しやすくなるだけでなく、テキスト以外の要素を取り入れることで、ブランドの雰囲気に合った表現ができるのもよいところです。
モバイルアプリ向けのプッシュ通知では、アニメーションや動画を添付できる場合もあります。たとえば、Repro(リプロ)のリッチプッシュ通知は、対応するiOS向けにGIFアニメーションやMP4動画の添付ができます。
一方で、装飾を増やしすぎると、要点が伝わりにくくなる場合もあります。内容が伝わることを心がけ、視覚的な要素はメッセージを補足する目的で活用することが大切です。
メッセージ内容をテストし、改善する
プッシュ通知は、ユーザーの反応を確認しながら継続的に改善することが重要です。同じ内容でも、タイトルや表現、配信時間、CTAなどによって成果が変わる可能性があります。
たとえば、次のような項目を比較するとよいでしょう。
- タイトルや本文の表現
- 絵文字の有無
- クーポンや割引率の見せ方
- CTAの文言
- 配信する曜日や時間帯
A/Bテストを行い、クリック率やECサイトへの訪問数、購入率などを比較すれば、どのメッセージがどんなユーザーに響きやすいかを把握できます。テスト結果をもとに少しずつ改善を重ねることで、通知の効果を高められます。感覚だけで判断せず、実際のデータをもとに運用を最適化していくことが大切です。

Shopifyストアでプッシュ通知を導入する方法
Shopifyストアでプッシュ通知を導入する方法を、日本語で利用可能な以下のサービスを例に紹介します。
PUSHCODE(Webプッシュ通知)
PUSHCODE(プッシュコード)は、日時指定配信やカゴ落ち防止の自動通知に対応したアプリです。サイトの設定とユーザーによる通知の購読が完了した後の配信手順は、以下のとおりです。
- 新規プッシュ作成ページで対象のドメインと管理用の通知名を設定します。配信する場合はステータスを「稼働中」、下書きとして残す場合は「停止中」にします。
- 対象のデバイスやブラウザを選び、ユーザー指定なし(登録者全員)、セグメント指定、ユーザーID指定から配信対象を設定します。
- 日時指定、即時配信、定期配信から、目的に合った方法を選びます。
- タイトル、本文、遷移先URL、必要に応じて画像を設定します。画面右側の表示シミュレーションで内容を確認し、「登録する」をクリックします。
詳しくは、公式マニュアルの「Webプッシュ通知の配信」をご確認ください。
Appify(モバイルアプリのプッシュ通知)
Appify(アピファイ)は、自社モバイルアプリ構築サービスです。アプリ利用者への一斉通知や、Shopifyの顧客セグメントを使った配信ができます。導入、設定の基本的な流れは以下のとおりです。
- Shopify App StoreからAppifyをインストールする
- 公式ガイドに沿って初期設定やデザイン設定などを行い、アプリの公開準備を進める
- モバイルアプリ管理画面の「マーケティング」から「プッシュ通知」を開く
- タイトル、メッセージ、必要に応じて画像を設定する
- 「オーディエンス」で全顧客または顧客セグメントを選び、通知をタップした際の遷移先と配信日時を設定する
導入時の準備については公式サイトの「リリースまでの流れ」を、通知の配信については「プッシュ通知の設定方法」をご確認ください。
まとめ
プッシュ通知は、ユーザーがECサイトやアプリを開いていないときでも、スマートフォンやパソコンに情報を届けられる便利な機能です。情報を適切なタイミングで届けることで、サイトへの再訪や購入促進につなげられます。
一方で、通知の頻度が多すぎたり、関心と合わなかったりすると、ユーザーは通知をオフにしてしまう可能性もあります。そのため、配信タイミングや内容をパーソナライズし、継続的にテストして改善することが重要です。
Shopifyストアでも、対応アプリを活用することでプッシュ通知を導入できます。自社の目的やユーザーに合った運用方法を検討し、効果的な情報発信に活用してみましょう。




