ハンドメイドキャンドルは、素材やデザインにこだわることも、身近な材料で気軽に作ることもできる点が魅力です。クリエイティビティを追求できる楽しさから、副業やお金になる趣味としてキャンドル作りを始める人もいます。
在宅で稼ぐ方法を探している人も、100均の材料でできる簡単で可愛いキャンドルの作り方を知りたい人も、この記事を参考にしてキャンドル作りの魅力に触れてみてください。
キャンドル作りで必要な材料や道具
キャンドル作りを始めるために、まずは以下の必要な材料と道具を揃えましょう。
材料:
- ワックスまたはロウ
- キャンドルの芯
- 芯を固定する棒(割りばしなど)
- アロマオイル
- 染料
道具:
- 鍋
- 湯せんでワックスやロウを溶かすための耐熱容器
- へら
- 温度計
- キャンドルの型になる容器
- ワックスをふき取るキッチンペーパー
ワックスやキャンドルの芯、アロマオイルなどは100均でも手に入ります。
基本的なキャンドルの作り方
1. 必要な道具を準備する
まずは、キャンドルの型になる容器を選びましょう。キャンドル専用のガラス容器やホルダーのほか、ブリキ缶なども活用できます。一度固まったキャンドルは別の容器に移し替えられないため、仕上がりをイメージしながら好みのものを選ぶことが大切です。
容器は清潔で乾燥した状態にして、平らな場所に並べて準備します。キャンドルの芯やアロマオイル、芯を固定するための割り箸などを手の届く位置に揃えておくと、スムーズに作業できます。
2. ワックスを量る
キャンドルの型容器を使って、必要なワックスの量を測ります。ワックスは溶かすと体積が減るため、適切な量を準備することが大切です。一般的な目安として、一つのキャンドルを作るには、型に使用する容器二杯分のフレーク状のワックスを用意すると適量になります。
3. ワックスを溶かす
計量したワックスを湯せん用の耐熱容器に入れ、お湯を張った鍋のなかでゆっくりと加熱して完全に溶かします。ワックスが均一に溶けるよう、耐熱性のヘラなどを使いながら丁寧にかき混ぜましょう。
ワックスの種類によって溶ける温度が異なります。目安として、パラフィンワックスは約48~69℃、ソイワックスは約50~57℃、蜜蝋は約63℃で溶けます。温度管理が重要なため、調理用の温度計を使用して適温を保ちましょう。
キャンドルに色をつける場合は、このタイミングで染料を加えます。キャンドル専用の染料を使うほか、クレヨンを細かく削って混ぜることも可能です。クレヨンを入れすぎると芯が燃えづらくなる場合があるため、適量を加えるようにしましょう。
4. 香りを加える
アロマキャンドルを作りたい場合、ワックスを溶かした後にアロマオイルを加えます。キャンドル用アロマオイルを使用する場合は説明書を注意深く読み、指示に従ってください。エッセンシャルオイルの場合、240mlのキャンドルごとに30~40滴を目安に加えますが、ワックスとオイルの相性によっては燃えづらくなってしまうこともあります。最初は少量のオイルを入れたキャンドルを作り、香りと燃えやすさを確認するとよいでしょう。オイルを入れる際は、香りのムラが出ないようによくかき混ぜます。
5. 型に芯を置く
コットンや紙のこより、細く切った木など、キャンドルの芯を型容器の中心に配置します。芯の位置がずれると燃え方にムラが生じるため、できるだけ正確に中央に固定しましょう。芯の底を溶かしたワックスや接着剤で固定すると、安定しやすくなります。また、芯の太さは炎の大きさを決める要素となります。細い方がキャンドルのワックスがゆっくり溶けるため長もちしますが、大きなキャンドルでは火が消えやすくなってしまうため注意が必要です。
ワックスが固まるまで芯を真っ直ぐに保つことも重要です。芯が動かないようにするために、割り箸やクリップなどで芯を挟んで固定するとよいでしょう。芯がずれてしまった場合は、ワックスが完全に固まる前に調整してください。
6. 型にワックスを注ぐ
ワックスが均一に溶けたら、芯を立てた型にワックスを流し込みます。勢いよく注ぐと気泡ができやすくなるため、縁より少し下の位置までを目安に、慎重に作業を進めましょう。
ワックスが冷える過程で表面が均一にならず、へこみができることがあります。その場合は、表面をヘアドライヤーなどで軽く温めると仕上がりが滑らかになります。
7. こぼれたワックスをふき取る
ワックスがこぼれた場合は、まだ温かいうちに紙タオルなどで拭き取ります。冷えて固まってしまうと取り除くのが困難になるため、できるだけ早めに対処することが大切です。すでに固まってしまったワックスは、熱湯を使うと落としやすくなります。
8. 固まるまで待つ
ワックスが完全に固まるまで、しっかりと時間を置きましょう。ワックスが完全に固まるまでの時間は、使用するワックスの種類によって異なります。
- ソイワックス:約3~4日
- パラフィンワックス:約2日
- 蜜蝋:約10日
9. 完成
ワックスが乾いたら、芯を固定していた道具を取り外し、適切な長さに芯をカットします。表面に気泡やくぼみができている場合は少量のワックスを温めて薄く塗り重ねると、滑らかに仕上がります。
キャンドル作りに慣れてきたら、ハンドメイド販売に挑戦するのもよいでしょう。ネットショップを始めるほか、完成したキャンドルの物撮りをしてPinterest(ピンタレスト)やInstagram(インスタグラム)などに投稿すると、作品に興味を持ったショップオーナーから声がかかり、委託販売につながる可能性があります。
キャンドル作りで気を付けるポイント
温度管理に気をつける
可燃性のワックスを使用する場合、温めすぎるとワックスが引火する可能性があります。IHコンロでワックスが溶ける温度に設定をしたり、温度計で温度を確認しながら湯せんでゆっくりと溶かしたりするなどの対策が必要です。
ワックスと水が混ざらないようにする
ワックスを温める際、水が入らないように気を付けましょう。熱した油に水が入った際と同じような反応が起こり、ワックスが飛び散る可能性があります。皮膚に付着すると火傷する危険性があるため、注意が必要です。
ワックスに混ぜる素材は慎重に選ぶ
火傷のリスクを抑えるために、ワックスに混ぜる素材は慎重に選びましょう。アロマキャンドルを作る場合、アルコールへの引火や有害物質の発生を防ぐため、キャンドル専用オイルかエッセンシャルオイルを使用します。
また、ボタニカルキャンドルなどキャンドル内に素材を入れる場合、素材が大きすぎたり芯に近すぎたりすると、キャンドルが溶けたときに引火してしまう可能性があります。
キャンドル作りのアイデア

キャンドル作りのアイデアをいくつか紹介します。
レイヤーキャンドル:
異なる色のワックスを層にして重ねることで、楽しいデザインのキャンドルを作成できます。層ごとに異なる香りを加えると、火を灯すたびに異なる香りを楽しめます。
押し花キャンドル:
乾燥させた花をワックスに埋めるのもよいでしょう。透明感のあるワックスで花を包み込むと、美しいデザインが際立ちます。
マーブルキャンドル:
複数の色のワックスを混ぜて流し込み、マーブル模様を作ります。
季節をテーマにしたキャンドル:
雪の結晶やかぼちゃなどの型を使ってキャンドルを作ると、それぞれの季節が持つ雰囲気を演出できます。シナモンやペパーミント、パンプキンスパイスなどの香りを加えるのもおすすめです。
柑橘の皮を使ったキャンドル:
オレンジやレモン、グレープフルーツの皮をくり抜いてワックスを流し込むと、ナチュラルで香り豊かなキャンドルが完成します。
木芯のパチパチ音がするキャンドル:
木製の芯を使うことで、燃えるときにパチパチとした心地よい音を楽しめるキャンドルを作れます。バニラやサンダルウッド、アンバーなどの温かみのある香りを加えるのもおすすめです。
水に浮かべるフローティングキャンドル:
小さく軽いキャンドルを作ると、水に浮かべて楽しめるデコレーションになります。結婚式やパーティーなどの演出にも最適です。
まとめ
キャンドルは作り方が簡単で材料も100均で手に入るものが多く、初心者でも手軽に創作を楽しめます。基本的な流れとしては、ワックスを計量して溶かし、香りや色を加えた後、芯を固定した型に流し込んで固めます。キャンドルの芯の作り方や固定方法を工夫すると、火を灯しても倒れないキャンドルを作れます。アロマオイルや押し花などを活用して、個性的な作品にするのもよいでしょう。
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よくある質問
ジェルキャンドルの作り方は?
透明でゼリーのような見た目のジェルキャンドルをつくるには、専用のジェルワックスという素材を使います。鍋を直接火にかける場合、引火しないよう140~160度の厳密な温度管理が重要となります。また、芯や封入物のなかに染み込みやすい性質もあるため、装飾としてはカラーサンドや貝殻など引火することのない素材を使用します。
フラワーキャンドル(ボタニカルキャンドル)の作り方は?
花や植物を利用したキャンドルは、フラワーキャンドルやボタニカルキャンドルと呼ばれます。乾燥させた花や植物を素材にするため、キャンドルに火を灯した際に引火しないよう、芯から離して配置する必要があります。型容器は大き目にしておき、ワックスを段階的に流し込みながら、側面に花材が見えるよう外側に割り箸などで差し込んでいきます。
蜜蠟キャンドルの作り方は?
蜜蝋キャンドルは、天然素材を使用し、独特の甘い香りが特徴です。火を灯した際にゆっくりと溶けていくため、太めの芯を入れる必要があります。
文:Yukihiro Kawata