会計時に使いたい支払い方法が見つからなければ、顧客は購入を断念し、サイトを離れてしまう可能性があります。売上を取りこぼさないためには、顧客が普段使っている手段で支払えるようにしておくことが重要です。
この記事では、決済ソリューションの概要や種類、EC事業に適した決済サービスを選ぶ9つのポイント、契約前に確認すべき注意点を紹介します。自社に適した決済ソリューションを選ぶ参考にしてください。

決済ソリューションとは
決済ソリューションとは、ECサイトや実店舗で顧客から代金を受け取るための仕組みです。購入者が支払いを始めてから、決済が承認され、売上金が事業者の口座へ入金されるまでの一連の処理を担います。ネットショップのオンライン決済も、実店舗のPOSレジでの支払いも、この枠組みに含まれます。
EC事業者が扱う決済手段のうち、代表的なのはクレジットカードです。加えて、Apple(アップル)やGoogle(グーグル)、Amazon(アマゾン)などが提供するモバイルウォレットが使われます。日本ではPayPay(ペイペイ)などの二次元コード決済、コンビニ払い、キャリア決済、後払いも使われています。
これらをまとめて導入するなら、決済代行会社と加盟店契約を結ぶ方法があります。各社と個別に契約しなくても、1社との契約で複数の手段を扱えます。

EC向け決済サービスの選び方
1. 対応している決済手段
まずは、顧客が使いたい決済手段を候補の決済サービスが扱えるかどうかを確認しましょう。
支払い方法の好みは年代によって異なります。NIRA総合研究開発機構の「キャッシュレス決済実態調査2023」によると、18~29歳ではQRまたはバーコード決済での支払いを希望する人が35%ともっとも多い一方、60代では46%、70代では48%がクレジットカードでの支払いを希望しています。自社の商品を買う顧客がどの年代に多いかを踏まえ、その層が利用を希望する手段に対応しているサービスを選びましょう。
EC向けの決済サービスで使われている主な手段は次のとおりです。
- クレジットカード
- デビットカード
- モバイルウォレット
- 二次元コード決済
- コンビニ払い
- 銀行振込
- 口座振替
- 後払い
2. 料金体系
対応している決済手段で候補が絞り込めたら、次は費用を比べます。決済代行サービスの料金は、主に次の費用を組み合わせて決まります。
これらの金額はサービスごとに異なり、売上に対する料率で決まるものもあれば、月額や件数で決まるものもあります。料金表の数字を並べるだけでは総額を比べられないため、自社の取引件数と平均単価を当てはめて実際の負担額を計算しましょう。
3. セキュリティコンプライアンス
カード情報を扱う以上、セキュリティ基準を満たしているかどうかの確認は不可欠です。国際的な基準には、カード情報の取り扱いを定めたPCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)があります。
日本では、割賦販売法に基づき、クレジットカード番号等取扱業者にカード情報を適切に管理することが求められています。クレジットカード・セキュリティガイドラインでは、カード情報を保持する場合は、PCI DSSへの準拠、保持しない場合は、非保持化などの対策が示されています。非保持化を選んだ場合でも、システムやWebサイトの脆弱性対策などは必要です。
自社がどちらに当たるかを確かめ、通信の暗号化や不正検知の機能、決済ゲートウェイの安全性もあわせて見ておきましょう。
4. 既存システムとの互換性
利用中のカートシステムに対応しているか、freee(フリー)やマネーフォワード クラウドといった会計ソフトと売上データを連携できるかなど、既存システムとの互換性を確認します。実店舗も運営している場合は、POSレジと連携できるかもあわせて見ておきましょう。
連携できれば、入金データの転記作業や入力ミスを減らせます。仕様表だけでは対応の可否がわからないときは、デモや無料体験に申し込み、実際に使って判断しましょう。
5. サポート体制
トラブルが起きたときに、どこまで対応してもらえるかを契約前に確認しておきましょう。
確認すべきなのは、対応時間と問い合わせ方法です。24時間365日受け付けるサービスもあれば、平日の日中だけのサービスもあります。問い合わせ窓口も、電話やチャットを複数そろえているサービスもあれば、メールだけのサービスもあります。Shopifyペイメントを使う場合は、Shopifyのサポートがそのまま窓口になり、すべてのプランで24時間365日のチャットサポートを利用できます。
6. 拡張性
現在の取引量に合っていても、事業が拡大すると対応しきれなくなる決済サービスもあります。注文が急増しても処理が滞らないか、規模が大きくなったときに必要になる機能が用意されているかを見ておきましょう。取引量が増えたときに支払総額がどう変わるか、売上規模に応じて手数料率が下がる仕組みがあるかを確認します。
7. 使いやすさ
決済手続きが煩雑だと、購入直前に訪問者が離脱してしまう可能性があります。検討中の決済サービスのチェックアウトページを、パソコン、タブレット、スマートフォンのそれぞれで試してみましょう。その際、入力欄の数や住所入力の補助機能、エラー表示のわかりやすさを端末ごとに見比べます。
決済までの流れがスムーズであれば、購入時の離脱を防ぐだけでなく、顧客満足度の向上にもつながります。
8. 入金までの期間
入金が早いほど資金繰りに余裕が生まれるため、検討中のサービスごとに売上金が届くまでの期間を比べておきましょう。
決済代行会社によって入金サイクルは異なります。月末締め翌月末払いなど、締め日から入金まで約1か月かかるケースもあります。月末締め翌月末払いの場合、売上発生日から数えると、月初の売上は約60日、月末の売上でも約30日待つ計算です。
一部のサービスでは、早期入金のオプションを利用することで、締め日から5営業日程度まで短縮できる場合があります。ただし、別途手数料がかかることもあります。申し込む前に条件を確かめておきましょう。
9. 利用者のレビュー
自社と近い規模や業種のオンラインストアが書いたレビューを探しましょう。特にカード決済やタッチ決済といったよく利用する手段についての体験談に目を通します。こうして実際に使った人の声から、資料だけでは見えない問題や、高く評価されている機能を知ることができます。

決済ソリューションを選ぶ際の注意点
海外決済に対応できるか
越境ECなどの海外販売を考えているなら、複数の通貨で決済を受け付けられるかを確かめましょう。まずは、ターゲット市場で普及している決済手段に対応しているかを確認します。あわせて、為替レートと国際取引にかかる追加手数料も調べておきましょう。
レポート機能があるか
決済サービスの管理画面で、売上の推移や購入者の行動、取引のパターンを確認できる分析機能があれば、施策の効果を判断しやすくなります。自社に必要なレポートが実際に出せるかどうかは、導入前にレポート機能を試して確かめましょう。
チェックアウトページをカスタマイズできるか
チェックアウトページのデザインをブランドの世界観に合わせることで、購入者に信頼感を与えやすくなります。ロゴを載せられるか、配色をブランドカラーに合わせられるかを見ておきましょう。自社サイトにチェックアウトページをそのまま埋め込める機能があれば、購入者はページを移動せずに支払いを完了できます。
複数拠点への対応が可能か
実店舗を複数持っている場合や今後の出店を考えている場合は、拠点ごとに取引を分けて管理できるかを確認します。店舗別に売上のレポートを出せるか、拠点ごとに税の設定を変えられるか、請求をひとつにまとめられるかを見ておきましょう。
まとめ
決済ソリューションを選ぶときは、対応している決済手段だけでなく、料金体系やセキュリティコンプライアンス、既存システムとの互換性、使いやすさ、入金までの期間まで見て比べましょう。また、海外決済やレポート機能、複数拠点への対応なども契約前に確認することが重要です。
Shopifyペイメントを使えば、注文と入金の状況をひとつの管理画面で把握できます。複数の通貨と決済手段に対応したチェックアウトページを用意できるうえ、決済代行会社と別途契約を結ぶ必要もありません。Shopifyプランで利用でき、設定を完了すれば、決済の受け付けを開始できます。無料体験も用意されているので、実際の画面で試してみてください。
決済ソリューションに関するよくある質問
決済サービスを選ぶときに重視すべき点は?
顧客の好み、コスト、セキュリティの3点です。顧客がよく使っている決済手段を利用できるか、手数料や固定費が自社に合っているか、カード情報をきちんと守れるかを確認しましょう。
決済ソリューションは後から変更できる?
変更できます。ただし、手続きが簡単とは限りません。まずは現在の契約に最低利用期間や解約時の条件がないかを確認します。そのうえで、乗り換える前に、移行先が自社に必要な機能をすべて備えているかを確かめておきましょう。
Shopifyに決済ソリューションはある?
Shopifyには、ShopifyペイメントというECプラットフォームに組み込まれた決済ソリューションがあります。決済代行会社と別途契約を結ばなくても、設定を完了すれば決済の受け付けを開始できます。




