コンバージョン率は、ウェブサイトやECサイトの訪問者がクリックや商品購入、メルマガ登録など、どのような行動をとったかを知ることができる指標です。コンバージョンの分析を行うことで、成果につながるページや要素、離脱原因などを特定することができ、定期的な分析と改善により売上向上につなげることが可能となります。
この記事では、コンバージョン分析の概要や、分析の際に見るべきデータ、分析方法について解説します。サイト訪問者の行動やその原因となる要素を把握し、ECサイトのコンバージョン率向上に役立ててください。

コンバージョン分析とは
コンバージョン分析とは、ウェブサイトやECサイトの訪問者のうち、商品購入や会員登録といった目標行動を行った数や割合を分析し、その原因を特定して最適化へつなげるプロセスのことです。単にコンバージョン率を知るだけでなく、サイト内をどのように回遊しているか、どこに着目して閲覧しているか、コンバージョンの障壁となっている場所はどこかを分析します。これにより、コンバージョン率最適化(CRO)のための施策を打ち出すことが可能になります。

コンバージョン分析で確認すべきデータ6選
1. 新規顧客とリピーターの比較
「新規顧客とリピーターの比較」は、初めて商品を購入した顧客の数と、複数回商品を購入したリピーターの数を表します。このデータを確認するには、Shopify(ショッピファイ)管理画面から「アナリティクス」>「レポート」>「顧客」>「新規顧客とリピーターの比較」の順にクリックします。さらに、「グループ化の条件」をクリックすれば、以下の単位ごとのデータが取得可能です。
- 時
- 日
- 週
- 月
- 四半期
- 年
- 時間帯
- 曜日
- 月番号
ECサイトにおけるコンバージョン率向上の鍵は、ターゲット層の購買行動やサイト上での行動を把握することです。新規顧客とリピーターとでは、行動の特徴が異なることにも留意する必要があります。
ランディングページ作成や、認知度拡大のためのSNSマーケティングといった新規顧客獲得のための施策を行うことが重要です。具体的には、メルマガ登録やポップアップでの割引提示、カゴ落ちメールなどを活用することで効果的なアプローチができます。購入に至らなかった場合でも、快適なサイト体験を提供することで顧客に良い印象を与え、再訪を促すことができるでしょう。
一方で、リピート顧客が多い場合には、顧客満足度(CS)や顧客生涯価値(LTV)が高い傾向にあります。これらの顧客からの評価は、ブランドロイヤルティ向上にも効果的で、結果として顧客維持にもつながります。リピーターは、商品の購入という目的を持ってサイトを再訪しているケースも多いため、パーソナライズされたレコメンデーションで購買意欲を高める施策が有効です。さらに口コミやユーザー生成コンテンツ(UGC)といったソーシャルプルーフの活用は、使用シーンを想像させるだけでなく、信頼性の向上や共感を呼び、商品購入の後押しにもなります。
2. 流入元の特定と行動の追跡
コンバージョン分析に欠かせないデータとして、流入元の特定と行動の追跡が挙げられます。検索エンジンや広告、SNSなどの流入元を特定するとともに、サイト上でどのページをどの順番で閲覧しているかを知ることで、ユーザー行動への理解を深め、コンバージョンや離脱につながる要素の特定が可能になります。流入元の特定と行動の追跡には、Google Analytics(グーグルアナリティクス)の以下の2つの機能が活用できます。
トラフィック獲得
流入元を特定できるトラフィック獲得ページを確認するには、「集客」>「トラフィック獲得」の順にクリックしましょう。成果の出ていない有料キャンペーンなどが特定できた場合には、まず広告を停止します。広告キャンペーンにかけていた資金とリソースを、オーガニックトラフィックの促進やSNS、メールキャンペーンからの集客に振り分けることができるようになります。さらに、トラフィックを多く獲得しているキャンペーンのうち、コンバージョン率が低いものを確認しましょう。
例えば、多くの訪問者を獲得できているにもかかわらず、コンバージョン率が伸びない場合には、広告の訴求ポイントとLPやウェブサイトの訴求ポイントがずれている可能性があります。サイト訪問で得られた体験や情報が、顧客の期待していたものと異なってしまっていることに起因するため、広告またはサイトの訴求ポイントを見直し、改善策を講じることができるでしょう。
経路データ探索
経路データ探索は、顧客がどのような経路をたどってサイトを閲覧しているかを知ることができる機能です。ツリー状に表示されるため、視覚的にも顧客の行動がわかりやすいというメリットがあります。
経路データ探索機能を使うには、まず「探索」>「経路データ探索」の順にクリックし、「設定」上部にある「手法」を「経路データ探索」に指定しましょう。「フィルタ」や「セグメント」を使って表示するデータを絞り込むこともできます。
サイト訪問時に最初に訪れたページやページ閲覧の順番、離脱したページを特定することで、顧客の行動傾向を把握できます。さらに、コンバージョンにつながりやすいページ遷移のパターンを特定することも可能で、コンバージョン経路となるページを改善することでコンバージョン率の改善が期待できます。
3. 離脱ページ
サイト訪問者が閲覧を中断して他サイトへ移動する「離脱ページ」を特定し分析することは、コンバージョン率最適化に欠かせません。前述の経路データ探索機能でも知ることができるものの、より詳しく離脱の原因を探るには、Google Analyticsの活用がおすすめです。ページ右上にある検索バーに「離脱ページ 2026年1月から8月」のようにデータ取得したい期間と併せて入力し、サジェストに表示される「離脱数で上位のページ タイトル」をクリックします。
離脱回数が多い順にページが表示されるため、ページを特定し、離脱の原因となりうる要素を分析していきます。サンクスページはコンバージョン後に表示されるページのため、離脱回数上位に表示されていても問題ありません。また、トップページが離脱ページの上位に表示されることも珍しくありません。一方で、商品ページや問い合わせページといったコンバージョンにつながりやすいページが上位に表示されている場合は、キャッチコピーやコピーライティング、商品画像、レビュー、操作性などを分析、改善しましょう。
例えば、Allbirds(オールバーズ)の商品ページは、シンプルに統一されており商品が見やすいよう画像が配置されています。「カートに追加する」「お気に入りに追加」「店舗在庫を見る」などのCTAボタンは、スクロールせずにクリックできる位置に配置してあるため、サイト訪問者が行動を起こしやすい仕組みとなっています。一方で、口コミや商品の詳細情報、関連商品などの情報はファーストビュー以下に設置することで、自然なスクロールを促しています。
カートページでの離脱が多い場合は、単に商品購入を迷っているだけでなく、入力の手間や希望する決済方法の不備、返品ポリシーの不透明さが原因として考えられます。そのため、以下のようなカゴ落ち対策を行いましょう。
例えば、Shop Pay(ショップペイ)のような高速チェックアウトを活用することで、マーケティングファネル下層でのコンバージョン率を5%、ゲストチェックアウトと比較して最大50%向上させることができます。
4. デバイス別セッション
サイト訪問者がどのデバイスを使ってアクセスしているかを知り、適切なアプローチをすることが重要です。デスクトップ、スマホ、タブレットなど、どの端末で買い物をする習慣があるのかを理解し、適切な戦略を立案しましょう。
Shopifyでは、管理画面から「ストア分析」>「レポート」>「デバイスタイプ別のセッション」とクリックすることで、訪問者がアクセスする際に使用しているデバイスを表示できます。「ストア分析」の概要ページからでも確認することが可能です。
Google Analyticsの場合は、「レポート」>「ユーザー」>「テクノロジー」>「ユーザーの環境の詳細」とクリックし、「デバイス カテゴリ」を選択することで、使用端末を特定できます。さらに、「OSとバージョン」を選択すると、「Windows 11」「iOS 26.5」「Android 16.0.0」のように、使用OSとそのバージョンまで知ることが可能です。特定のOSやデバイスでのコンバージョン率が極端に低い、または直帰率が高い場合には、そのデバイスを介したショッピング体験に問題があることが考えられます。BrowserStack(ブラウザスタック、英語)のようなテストツールを使うことで、AndroidやiPhoneなど異なった機種でのサイト体験をテストし、問題点を特定して改善を行うことができます。さらに、各デバイスからのUI/UXを手動で確認し、以下の点を確認することでより良い購買体験を実現できるでしょう。
- リンクは正しく作動するか?
- テキストは読みやすいか?
- わかりやすい商品画像を使用しているか?
- メニューは操作しやすいか?
- ページの読み込み速度は適切か?
5. 商品別の販売合計
商品別の販売合計は、顧客の関心を集める商品の特定に役立ちます。単に売れている商品と売れ行きが伸び悩んでいる商品を特定するだけでなく、コンバージョンにつながる商品のプロモーションに予算とリソースを充てることで、投資利益率(ROI)を高めることができます。
例えば、新商品発売に伴うキャンペーンを行った場合、キャンペーンを実施した商品と自然流入での成果を比較することができます。キャンペーンを行わなくとも売れ行きが良い商品があれば、さらなるコンバージョン率向上とマーケティングの効率化を図るために、パーソナライズドマーケティングを実施することができるでしょう。
6. コンバージョン率の推移
Shopifyの「コンバージョン率の推移」は、一定期間内に商品を購入した訪問者の割合を表します。どれだけの見込み客を顧客へと転換させることができたかを把握するのに役立つ指標です。
例えば、集客に成功し多くのトラフィックを獲得したにもかかわらず、売上が予想より低いと仮定します。このとき、コンバージョン率の推移を確認し、月単位でコンバージョン率を比較した結果、前月の平均コンバージョン率が低下していたことが判明したとします。これに対し、トップページの商品コレクションを再編成し、コンバージョン率を上げるためのプロモーションを立ち上げることで、コンバージョン率の回復を狙えます。施策の実行後はレポートを定期的に確認しながら効果を検証し、改善を繰り返していくことが重要です。
まとめ
コンバージョン分析は、売上向上や施策の最適化に欠かせません。サイト訪問者のうち、目標行動を行った人の数や割合の把握にとどまらず、その背景にある要因まで特定することで、より効果的な施策を講じることが可能となります。
コンバージョン分析の際には、「新規顧客とリピーターの比較」、「流入元の特定と行動の追跡」、「デバイス別セッション」といった顧客の行動を把握するための指標が役立ちます。さらに、「離脱ページ」の分析により、サイト上の改善すべきページを特定できます。「商品別の販売合計」や「コンバージョン率の推移」を追跡することで、プロモーション活動やマーケティング施策の最適化を図ることに繋がります。
コンバージョン分析は単体で行うのではなく、ECのファネル分析や競合分析と併用することで、さらなる効果が期待できます。さらに、ヒートマップやユーザーアンケートといったユーザー心理を理解するための分析と併用すれば、より具体的かつ効果的な施策の立案に役立つでしょう。
コンバージョン分析に関するよくある質問
コンバージョン分析とは?
ウェブサイトやECサイトの訪問者のうち、商品購入や会員登録といった目標行動を行った人数や割合を分析し、その原因を特定して最適化へとつなげるプロセスを指します。
コンバージョン分析で確認すべきデータは?
- 新規顧客とリピーターの比較
- 流入元の特定と行動の追跡
- 離脱ページ
- デバイス別セッション
- 商品別の販売合計
- コンバージョン率の推移
コンバージョン分析を行う際の注意点は?
- EC全体のコンバージョン率だけで判断しない:新規とリピーター、使用デバイス、流入元(広告やオーガニック検索など)によってCVRが大きく異なる点に留意する
- サンプルデータが少ない場合の誤差に配慮する:データが少ない場合は、閲覧数やカート投入数などのマイクロコンバージョンを分析対象とする
- 定量データだけでなく定性データにも着目する:コンバージョン率や離脱率といった定量データに加え、ユーザー心理や行動と言った定性データにも着目して分析する




