商品やサービスに関心をもった人の多くは、その場ですぐに購入を決めるわけではありません。他社と見比べたり予算を考えたりしている間に、ECサイトや店舗を離れたまま戻ってこない人も少なくありません。
しかし、メールアドレスや電話番号などの情報を受け取っていれば、後からクーポンや新商品の案内を届けて、再訪や購入を促すことができます。そのため、連絡先を提供してもらう取り組みは、効率的に顧客獲得や売上アップにつなげられる施策として重視されています。
この記事では、リード獲得の意味、ECサイトでのリード獲得施策とその種類、実際にリード獲得する方法、成果を高めるコツを紹介します。ECサイトの見込み客を増やしたい方は、ぜひ参考にしてください。

リード獲得とは
リード獲得とは、自社の商品やサービスに関心を示した個人や企業から連絡先情報を取得する取り組みです。
まだ購入には至っていないものの、今後顧客になる可能性を持つ相手をリードと呼びます。対面での名刺交換やサイト上でのフォーム入力などで、氏名やメールアドレスなどの情報を教えてもらった時点で、その相手をリードとして獲得したことになります。
営業やマーケティングの担当者は取得した情報を使い、セールスファネルに応じたメッセージを届けます。たとえば他社と比較している段階の人には違いがわかる情報を提供し、購入を決めきれずにいる人には割引を提示したりや利用者の声を伝えたりすることで、コンバージョンを促します。

リード獲得フォームの種類
自社ホームページやECサイトなどでは、フォームを使ってサイト訪問者から連絡先情報を集めることができます。設置するフォームは、サイト内に設置するフォームとポップアップフォームの2種類に大きく分かれます。
サイトに設置するフォーム
サイトに設置するフォームは、ページ内に直接組み込む形式です。メールマガジンの登録欄のように入力項目が1つだけのものもあれば、複数の項目に記入してもらうものもあります。よく使われる設置場所は次のとおりです。
- フッター:ページや文書の下部に配置される補足情報やナビゲーションなどの要素と共に設置することで、どのページでもリード獲得の機会をつくれます。メールアドレスの入力を求めるだけのシンプルなフォームが広く使われています。
- お問い合わせ、会社概要ページ:問い合わせ方法や運営会社の情報を確認したい人が訪れるページです。商品やサービスに関心をもち、購入や相談を具体的に検討している可能性があります。
- 商品ページ:再入荷や値下げの案内を登録する入力項目の少ないフォームを置いておくと、その場で購入しなかった訪問者にも連絡先を入力してもらえる可能性があります。
- ランディングページ:無料トライアルやダウンロード資料といった特典のついたフォームを設置すると、連絡先情報を入力してもらいやすくなります。
ポップアップフォーム
ポップアップはサイト上のさまざまな場所にフォームを表示できる形式です。無視されにくいのが特徴で、割引などの特典と引き換えに、連絡先情報を受け取る形が一般的です。代表的な種類は次のとおりです。
- ウェルカムポップアップ:訪問者が最初に開いたページで表示する形式で、まだ登録していない訪問者が対象です。
- チャットポップアップ:チャットを介し、リアルタイムで訪問者にアプローチする形式です。チャットボットを使えば、商品や事業に関する情報を案内しながら見込み客の情報を集められます。
- 行動連動型のポップアップ:ページの滞在時間やスクロール率などの条件を満たした場合に表示できるため、関心の強い人に絞ってフォーム入力を依頼できます。
- 離脱防止のポップアップ:ページを離れようとする挙動を検知して表示する形式です。割引やクーポンなどのオファーを提示し、サイトに留まるよう促すことができます。
- サイドバーのポップアップ:画面の端に表示されるポップアップです。スクロールに合わせて移動しますが、画面の一部しか覆わないため、全画面表示より邪魔になりにくい形式です。
- モバイル向けのポップアップ:文字が大きく、タップ操作に対応した表示方法です。入力項目を絞るなど、スマートフォンの小さな画面に適した構成にすることが大切です。

リード獲得の方法
1. 特典を決める
Webサイトでリードを獲得するには、訪問者が連絡先を登録したくなる特典を用意します。メールアドレスなどの連絡先と引き換えに提供する特典を「リードマグネット」と呼び、注文時に使える割引や無料プレゼント、新商品の先行案内などが代表例です。訪問者にとって価値のある特典であるほど、より多くのリードを獲得しやすくなります。
2. フォームと訴求文を作る
フォームを設計し、表示する場面ごとに文言を変えます。アクセス数の多いページでは、ページを開いてすぐ目に入る場所や記事末など、訪問者が見つけやすい場所にフォームを設置しましょう。
あわせて、何をすればよいのかが一目でわかるCTA(行動喚起)を入れると、入力してもらえる確率が上がります。たとえばウェルカムポップアップなら、「メールアドレスをご入力いただくと、初回のご注文が10%オフになります」といった文面です。
3. テストして改善する
リード獲得フォームを設置したら成果を定期的に記録し、コンバージョン率が高い場所や形式を把握して、その結果をもとに戦略を見直します。文言や特典、設置場所、フォームの種類、入力項目の数を比べる場合は、A/Bテストを実施しましょう。条件をひとつずつ変えながら試すことで、もっとも効果の高い設計を見つけられます。
4. データを連携する
集めた情報は、リードのスコアリング(見込み客の属性や行動を点数化し、購買意欲を評価する手法)や選別に使えるように、CRM(顧客関係管理)ツールやメール配信システムと同期させておきましょう。データ連携しておくと、データの保存と処理をまとめて行えます。多くのリード獲得ツールは自動連携に対応しており、訪問者が連絡先を送信した時点でメール配信リストに追加される場合もあります。
5. リード獲得後のフォローを設計する
リードを獲得したら、コミュニケーションを継続して顧客関係を築き、相手の購入意欲を高めていきます。たとえばEC事業者なら、商品を知ってもらうためのウェルカムメールを数回に分けて配信するなど、新しく獲得したリード専用の案内を用意するのも有効です。B2B ECでは、営業担当者が電話でフォローするケースもあります。

リード獲得を成功させるコツ
連絡先の入力箇所をサイト内に複数用意する
訪問者の目的に合わせて、連絡先を入力できる箇所をサイト内に複数設けましょう。ポップアップフォームを多くのページで繰り返し表示するよりも、ページの内容や利用場面に合わせて入力箇所を使い分けることで、サイトのUXを保ちながら連絡先の入力を促せます。
たとえば、割引を提示するウェルカムポップアップ、ニュースレターの登録欄、記述式のフォームを置いたお問い合わせページ、売り切れ商品ページの入荷通知の申し込みをそれぞれ用意します。入口ごとに異なる特典や利点を提示することで、訪問者は自分に合ったものを選べるため連絡先情報を提供してくれやすくなります。
ゲーミフィケーションを取り入れる
サイトに遊びの要素を取り入れるゲーミフィケーションは、リード獲得数を増やす方法として有効です。ECサイトによっては、ルーレットやスクラッチカードのようにゲーム形式で割引を提示し、メールアドレスの登録を促すポップアップが使われています。ほかにも選択式のアンケートや診断クイズに答えてもらい、メールアドレスの入力と引き換えに、その人に合った商品を表示する方法などがあります。
入力を複数ステップに分ける
ひとつのフォームに個人情報の入力欄が大量にあると、訪問者は入力を負担に感じ、途中でやめてしまう場合があります。電話番号とメールアドレスのように複数の情報を集めたい場合は、項目を分割し、段階ごとに新しい特典を提示する複数ステップのフォームを検討しましょう。
最後まで入力を進めた訪問者は顧客になる可能性が高いため、複数ステップのフォームは質の高いリードを集めやすい方法といえます。
訪問者に合わせて訴求を変える
訪問者を検討段階や求める情報の違いでグループ分けするオーディエンスセグメンテーションを行い、セグメントごとにフォームで提示する特典や訴求文を変えましょう。ターゲットオーディエンスに合わせた特典を提示することで、効率的にリード獲得につなげられます。たとえば、初めてサイトを訪れた人には商品の特徴を伝える資料を、同じ商品を何度も見ている人には送料無料や割引といった購入の後押しになる特典を用意します。
まとめ
リード獲得とは自社の商品やサービスに関心を示した個人や企業から連絡先情報を取得することで、購入につながるよう後からアプローチするために重要な取り組みです。
まずは特典を決めてフォームと訴求文を作り、A/Bテストなどで改善しながら、集めた連絡先をCRMやメール配信ツールへ連携しましょう。連携後は、リードの関心や検討段階に応じて特典や情報の提供を行うなどフォローを続けることで、購入につながる可能性を高められます。フォームの提示箇所を複数用意する、入力を複数ステップに分けるといった工夫も重ねると、リード獲得しやすくなります。
Shopify(ショッピファイ)では、Shopify Forms(ショッピファイフォーム)でフォームやポップアップを設置でき、集めた連絡先は管理画面の「顧客管理ページ」で管理できます。さらにShopify Messaging(ショッピファイメッセージング)を使えば、獲得したリードへの配信までまとめて行えます。無料体験も実施していますので、ぜひリード獲得の仕組みづくりにご活用ください。
リード獲得に関するよくある質問
マーケティングや営業におけるリード獲得とは?
マーケティングや営業におけるリード獲得とは、自社の商品やサービスに関心を示した個人や企業から連絡先情報を取得し、継続的に接点を持てる状態をつくることです。フォームや広告、展示会やセミナー、訪問先での名刺交換などを通じてリードを獲得します。
BtoBで有効なリード獲得の施策や手法は?
- 資料やホワイトペーパーのダウンロード
- オウンドメディアやSEO
- Web、SNS、新聞、屋外、交通などの広告
- プレスリリースの配信
- 展示会やウェビナー、セミナー
- テレアポ
Web広告からリード獲得できる?
Web広告からリード獲得はできます。獲得方法は広告媒体によって異なり、たとえば検索広告やSNS広告では、ランディングページや商品ページへ誘導し、割引クーポンや入荷通知などを提示して、フォームから連絡先を入力してもらいます。Google広告やMeta広告、TikTok広告では、広告から直接入力できるリードフォームを利用できます。
リード獲得に使えるツールは?
リード獲得に使えるツールには、連絡先を管理するCRMや顧客データベース、フォームやポップアップを設置するツール、メール配信ツールなどがあります。ツールが連携機能や自動化に対応していれば、入力後のデータ登録や、マーケティングに同意した購読者へのメール配信を自動化できる場合があります。
リード獲得率とは?
リード獲得率とは、サイト訪問者やフォーム閲覧者など、あらかじめ定めた母数のうち、どれくらいの割合が問い合わせや資料請求、メルマガ登録などで連絡先情報を提供したかを示す指標です。獲得した数を母数で割り、百分率で表します。母数には、サイトのセッション数やフォーム閲覧数などが使われます。




