初期投資をほぼかけることなく手軽に始められるブログですが、在宅ワークとして大きな収益を生む可能性を秘めています。
ブログの始め方はわかったけれど、収益化するにはどうしたらいいの?という疑問に答えるために、この記事ではブログの収益化の仕組みと、ブログで稼ぐ方法をまとめました。
ブログを収益化する6つの方法
ブログを収益化するには、次の6つの方法があります。
1. アフィリエイト
アフィリエイトとは、ブログ内で商品やサービスをおすすめし、そのリンクから購入があった場合、報酬を得るという仕組みです。すでに販売されている商品やサービスを紹介するため、自分のECサイトを持つ必要がなく、初心者でも手軽に始めることができます。
アフィリエイトを始めるには、Shopifyアフィリエイトなどの、アフィリエイト・サービス・プロバイダ(ASP)に申し込むというやり方があります。サービスによっては、申し込みのあと審査が必要になる場合もあります。慣れたら複数のASPプログラムに申し込んでみるのもよいでしょう。
最近では、ASPを仲介せず、広告主と直接契約を結ぶアフィリエイトもあります。
2. 広告配信
広告配信サービスに登録し、ブログに広告を貼ると、広告収入を得ることができます。
ブログに広告のコードを埋め込むと、読者に合わせた広告が自動的に配信される仕組みです。広告は、ディスプレイ広告、インフィード広告、記事内広告など複数の表示形態が用意されており、自分のブログに適したものを選ぶことが可能です。
また、新しいコンテンツを公開していない時でも、表示される広告は自動的に変わるため、持続的な受動収入を得る手段としておすすめです。
広告配信サービスに登録するには審査があり、最低ページ閲覧数など要件を満たす必要があります。有名な広告配信サービスには、Google Adsense(グーグル アドセンス)などがあります。
3. 読者をファン化する
ブログを収益化するためには、ブログを購読してくれるファンを育てることも重要です。
ニーズに合ったメッセージをタイムリーに送ることができるメールは、読者との関係性の維持や強化に適したコミュニケーションツールです。Substack(サブスタック)などのサービスを利用してニュースレター(メルマガ)をつくり、ブログ更新のお知らせやメールだけでしか公開されない予告、特典などを配信します。特別な独占コンテンツには、有料のサブスクリプションプランを作成することで収益化できます。
ファンコミュニティが醸成されたら、YouTube、ポッドキャスト、Twitchなど、別コンテンツでの収益化も見込めます。
4. スポンサー記事の執筆
企業によっては、商品やサービスへのレビュー記事に対して、報酬を支払うことがあります。自分の好きな商品やサービスがあれば、販売元の企業に連絡をとり、記事を書かせてもらえないか交渉してみましょう。
ただし、企業案件についてはステマ(ステルスマーケティング)にならないよう、最大限の注意をはらうことが必要です。ステマにならないようにするには、企業の名前と、報酬を受け取ったことを明記しておきましょう。「#モニター」「#タイアップ」などハッシュタグを利用するのもわかりやすいです。
また、やらせや嘘になってしまわないように、忖度のない正直な意見を書くようにしましょう。
5. パッケージ販売、グッズ販売
ブログで書きためた内容や、ブログから派生したコンテンツをパッケージ化、グッズ化し販売することでも収益化が見込めます。たとえば、次のようなアイディアが考えられます。
書籍
ブログの内容をまとめた書籍を発売すれば、印税を得ることができます。また、書籍はわかりやすい実績となり、ブログ読者の信頼を高める材料にもなります。
出版社からのオファーがなくても、企画書を書いて出版社に持ち込んだり、POD出版を利用したりすれば、自分で出版することもできます。
ワークブック
語学やビジネスなど、教育的な内容のブログの場合、補助的なワークブックを作成して販売することができます。
オンラインコース
専門性の高いブログを執筆していて、教えたいという情熱があれば、自分でオンラインコースを立ち上げるのもよいでしょう。
デジタルコンテンツ
ブログの内容によって、さまざまなデジタルコンテンツを販売することもできます。デジタルコンテンツのような無形商品であれば、在庫管理や発送などの業務も必要なく、送料もかかりません。たとえば、音楽に関するブログであれば楽曲ファイルや楽譜、デザインに関するブログであればサンプルファイルやテンプレートなどを販売するのもよいでしょう。
6. ブログの売却
開設したブログ自体を売ることでも収益が得られます。初期設定を済ませる手間を省くために、サイトを購入したい人、ブログをさらに成長させたいと考える人はいます。条件がよければ、ブログの売却を視野にいれてもよいでしょう。
ブログ収益化の始め方の流れ
ブログの収益化の始め方には、次の7ステップがあります。
1. ブログの内容を決める
ブログで書く内容を決める上で大切なのは、次の3つです。
- 自分が興味をもっている内容であること
- 競争相手が少ない内容であること
- 収益化の可能性が明確にあるジャンルであること
自分が興味をもっている内容であること
ブログを長く続けられるように、楽しく執筆できるジャンルを選びましょう。ブログで最も重要なのは、継続することです。ブログで儲けるには記事数が必要になり、収益化には時間がかかります。どんなにいい記事が書けても、途中でやめてしまったら、安定した収益化にはつながりません。興味をもっている内容であれば、自然と内容に深みが生まれ、興味のないことを書いているときよりも、記事の質が高くなります。
自分の体験した身近なことにフォーカスするのもいいでしょう。たとえば、自分が仕事で得た経験を書いた日記や、自分が抱えていた悩み、自分の挑戦などについての記録は、同じ環境にいる人にとって、それだけで非常に価値のあるものになります。
継続年数が長いブログほど、相対的に収入が高いというデータもあります。
競争相手の少ない内容であること
星の数ほど存在するブログの中で突出し収益性を高めるために、ニッチなジャンルを選んだり内容を差別化したりしましょう。
差別化するには次のような方法があります。
- 特定のロケーションに絞る(例:東京下町)
- 大きいカテゴリーの中で、特定のセグメントに限定する(例:旅行カテゴリーの中の女性ひとり旅)
- スタイルやトーンを差別化する(例:ユニークな語り口、視点)
- 質を高めて差別化する(例:詳細な考察を含める)
競合の調査も非常に重要です。選んだジャンル内に人気のブログが見つかれば、すでに強力な競合がいるということです。また、想定したキーワードでGoogle検索をして検索結果の上位に大手のブランドなどが表示されている場合、トラフィックを引き寄せることは難しくなります。
収益化の可能性が明確にあるジャンルであること
ブログで取り上げるジャンル、企業、製品などに、収益化の機会があるかを確認しましょう。たとえば、アフィリエイトでの収益化を目指す場合、アフィリエイトプログラムが存在しないジャンルで執筆した場合、どんなに記事がよくても収益化はできません。
2. ブログのサービスを選ぶ
ブログサービスには無料のものと有料のものがあります。無料のブログサービスで文章の発信に特化したものにはnote(ノート)があり、有料記事を作成することができます。
アフィリエイトや広告での収益化を目指すのであれば、有料のWordPress(ワードプレス)がおすすめです。WordPressは、対応しているASPも多く、SEO対策にも強いといわれています。またダウンロード製品や有形のグッズを販売したい場合、Shopifyと連携してブログ自体をショップ機能もあるホームページにすることも可能です。
3. ブログを開設する
サービスを決めたらブログを開設します。ここではWordPressの例をかんたんに紹介します。
- サーバーを契約する
- ブログ名とドメイン名を決める:ブログの名前を決定します。決定したブログ名に基づいて、独自ドメインも取得しておくと、信頼性を獲得しやすくブログの差別化にもつながります。
- WordPressをインストールする
- ブログのテーマ(テンプレート)を選ぶ:ブログのデザインはSEOやブログのエンゲージメント指標にも影響します。自分のブログの内容や目的、スタイルに適したテーマを選択しましょう。
- プロフィールを作成する:プロフィールページで自分の人柄や人物像を伝えることで、ファンを増やしやすくなります。ニックネームや経歴、実績、目標に加えて、自分が運営しているネットショップのURLや、販売しているコンテンツがあれば記載しておきましょう。
4. 記事を書く
ブログを開設したら、PCやスマホで記事を執筆します。
ASPや広告配信サービスに登録するには、ある程度の記事数が必要です。審査に通るように、最低でも10記事は続けて書きましょう。SEO対策ができるように、文字数の目安は1,000文字以上を意識するとよいでしょう。
5. アフィリエイトプログラムに登録する
アフィリエイトで収入を得る場合は、アフィリエイトプログラムに登録します。
主要なASPプログラムには次のようなものがあります。
また、ドローンで有名なDJIや、キャンプ製品で有名なパタゴニアなどは、メーカーが直接契約のアフィリエイトプログラムを行っています。好きな企業が直接契約のアフィリエイトを行っていれば、アプローチしてみてもいいかもしれません。
6. 広告配信サービスに申請する
記事がたまったら、広告配信サービスに申請してみましょう。
広告配信サービスでは、Google AdSenseが有名ですが、審査基準は公開されていません。必要な記事数は8〜10記事とも、20記事ともいわれています。
審査は1日で終わることもあれば、数ヶ月かかることもあります。審査中もブログ更新を続けるようにしましょう。
7. 読者に継続的に読んでもらうための工夫をする
SNSとブログを連携したり、読者の行動に合わせてブログを改善したりして読者に継続的に読んでもらえるようにしましょう。
SNSとブログを連携させる
ターゲット読者が一番利用しているSNSを利用してマーケティングを行います。
ブログ記事のまとめをXに箇条書きで投稿する、Instagramでブログ記事のリクエストを募るなど、ターゲット読者が利用するSNSで自分のブログをアピールすることで認知度のアップやファンの獲得に繋がるでしょう。
ブログコンテンツを再利用する
毎日たくさんの投稿ができるわけではないため、コンテンツを効率よく再利用しましょう。再利用のコツには以下のようなものがあります。
- 共通項でくくった過去分のまとめ記事を投稿する。(例:2024年の人気記事まとめ)
- 既存の投稿をクイズや図解など別の形式のコンテンツに変える。
- 過去の投稿からある程度の時間が経ったら、再投稿(リライト)をおこなう。
- 関連コンテンツのリンクを記事内に入れ、内部リンクを設置する。
アクセス解析機能でブログを改善していく
アクセス解析をすることで、ブログ訪問者の行動を分析することができます。
GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールを使って得られる、PV数(ページが閲覧された回数)や検索キーワード、ページの滞在時間などさまざまな情報を分析して、新しい記事を書きます。分析と改善を繰り返していくことでブログへのアクセスを増やすことができます。
このアクセス解析ツール以外にも、キーワードリサーチのために「ラッコキーワード」などのツールを使って、SEO対策するのもよいでしょう。
まとめ
ブログ収益化の方法は多岐に渡り、複数の仕組みを組み合わせれば、将来的には安定的な収入も見込めます。また、ブログは、ブログだけにおさまらず別のビジネスに発展する可能性を秘めているのも魅力です。
自分の「好き」や「興味」を記事にして、ブログの収益化を始めてみませんか。
ブログ収益化についてのよくある質問
ブログ収益化までの期間の目安は?
ブログ収益化までの期間の目安は、約半年です。Google AdSenseの審査に通るブログの運営期間が、最低6ヵ月と言われています。もちろん、ブロガーや、ブログの運営に費やす時間、使用するサービスによっても、収益化までにかかる期間は異なります。まれなケースでは、1〜2ヵ月でお金を稼げるようになった人も存在します。
ブログの収益化は難しい?
ブログの収益化は、かんたんではありません。アフィリエイトや広告配信サービスなどでは審査が必要なこともあります。しかし、ニッチなジャンルで特定の顧客層を狙ったり、複数の仕組みを組み合わせたりといった工夫をして、継続的に更新していけば、収益化をさせることはできます。
ブログを収益化するのに必要な記事数の目安は?
ブログを収益化するのに必要な記事数の目安は、どの方法で収益化を目指すかによって異なりますが、GoogleAdSenseで広告収益を目指す場合、目安として最低20記事は必要です。ある程度以上の品質、独自性が高い記事をできるだけ増やす事が求められます。
ブログではもう稼げない?
ブログを上手く運用することで、稼ぐことはできます。理由としてはブログを含むアフィリエイトマーケティングの市場規模が拡大を続けていることです。たとえば、日本のアフィリエイトマーケティングの市場規模は、2022年度は推計約3850億円でしたが、2026年には約5640億円に達する見込みです。まだまだ挑戦しがいのある分野だといえるでしょう。
文:Taeko Adachi