ドメインとは、オンライン上の住所のことです。ドメインを使用して、ウェブサイトやネットショップがどこにあるのかを判別して、アクセスできるようになります。しかし、ドメインの役割はそれだけではありません。ドメイン名は実はブランドやアイデンティティを表現する手段にもなっています。ビジネスのために記憶に残るドメイン名を選ぶ際、いくつか考慮すべきことがあるのです。
ドメイン名を聞いたとき、お客さまは何を感じる?
販売する商品全体をカバーできている?
SEOのキーワードやブランドディングをドメインに反映できそう?
ドメインの登録は簡単ですが、完璧なドメイン名を見つけるのは、意外と難しいのです。ということで、本日はそんな皆さまに独自ドメインの選び方をご紹介します。
最適な独自ドメインの選び方
ブランドに最適なドメインを決めるには、ベストプラクティスがいくつかあります。
- ドメイン名は短く、ブランド化でき、覚えやすいように工夫する
- ハイフンと数字は避ける
- 「.com」ドメインを選択する
- ほかのトップレベルドメインや「.shop」などもチェックする
- 可能であればSEOキーワードを含める
- アイデアを得るためにドメインネームジェネレーターを使う
- 希望するドメイン名のリサーチをする
ドメイン名は短く、ブランド化でき、覚えやすいように工夫する
すでに自社のブランド名があるなら、それをドメイン名として登録することを検討します。オンラインで見つけやすくなり、ビジネスとウェブサイトを関連させやすくします。どんな名前であるにしろ、覚えやすくタイピングしやすいものが望ましいです。
- ドメイン名は15文字以内に
- スラングは使わない(youの代わりにUを使うなど)
- 複雑なスペルや意味合いをもつ単語を使わない
たとえば、ロサンゼルス美術館のオンラインストアは、thelacountymuseumofartstore.orgというドメインを使うこともできるはずです。
しかしそうではなく、thelacmastore.orgという短くてスイートで覚えやすく、発音もしやすいドメインを代わりに使用していますね。
Bikoのようなブランドは、クリエイティブでわかりやすい要素をドメイン名に付加しています。ilovebiko.comというドメイン名により、ショッピングをするお客さまはページを訪れた際に、その名前にふさわしい気分を経験します。
わかりますよね。一番大切なのは、ドメインを単純化・ブランド化して、オンラインで発見しやすくすることです。
ハイフンと数字は避ける
人はよくタイプミスをします。これはコントロールできません。しかし、ハイフンや数字を避けることで、その確率を減らすことはできます。たとえば「for」の代わりに「4」を使うことは、あなたのサイトを探している人を困らせることになります。
数字とハイフンを避けると、ドメイン名がモバイルフレンドリーになる点も重要です。スマホでURLを打つとき、数字とアルファベットが混合しているとキーボードを切り替えることになり、タイプミスや混乱の元になるのです。
以下は避けてください。
- 数字と単語の組み合わせ:c00l-d0main.com
- ハイフン:cool-domain.com
- 略語:coolest-domain4u.com
- 同じ文字の連続:coolesttopdomain.com
例外として、ブランド名に数字が含まれている場合が挙げられます。たとえば、アパレル小売の3sixteenは、3sixteen.comというドメインを使っています。この表記は全体のブランディング、SNSのハンドルネーム、マーチャンダイズにおいて一貫しています。そのためこのケースの場合、ドメイン名がブランドとして差別化されているので、数字がユーザーや購買者を困らせる例には当たりません。
「.com」ドメインを選択する(取得できなくてもご心配なく)
ドメイン拡張子については、どれを使うとトラフィックが伸びるかという点で議論があります。「.com」ドメインはもっとも実績があり、評価も高いです。78%の会社が使用しています。多くのスマホには「.com」のキーがあり、ドメイン名を入力するのが楽になります。
ほかのトップレベルドメインや「.shop」などもチェックする
希望のドメイン名が「.com」では取得できないケースも考えられます。その場合は、まず気持ちを落ち着かせましょう。「.com」以外にも検討できるトップレベルドメインはいろいろあります。
- .city 特定エリアで実店舗をもつビジネスには良いオプションです。.boston .tokyoなどがあります。
- .country 国際マーケットへの展望がある小売業に適しています。
- .co 「.com」の代替として、言語や文化を問わず、グローバルに使えます。
- .org 非営利の団体などの場合、差別化できます。
- .shop 明快で簡潔なので、eコマースのサイトに適した代替ドメインといえます。
- .store スモールビジネスのオーナーとオンラインの小売企業に合ったオプションです。
- .trade 卸売企業やB2B企業にとって良い選択肢です。
自国コードのトップレベルドメインを使う手もあります。たとえばムンバイのShopifyマーチャントであるSutaは、「.com」の代わりに「.in」を使用しています。短く覚えやすいため、とくに気になりません。日本だと「.jp」になります。
可能であればSEOキーワードを含める
ドメイン名の検索時にキーワードを使用してみましょう(それが妥当と思われる場合のみ)。ドメインのキーワードは、検索エンジンにあなたのウェブサイトについての情報を伝えます。質の高いコンテンツと良好なユーザーエクスペリエンスを自社サイトで提供しているなら、Googleの検索結果でランクを上げられるかもしれません。
ブランド名とキーワードの組み合わせを工夫し、差別化する必要があります。商品を表現するメジャーなキーワードから始め、会社名を付け足します。
たとえばアパレル販売をおこなっている場合、ドメイン名と「アパレル」という単語は相性がいいと思われます。方程式にするなら、「ブランド名」+「メジャーなキーワード」=「ドメイン名」となります。
- Sunday + apparel = sundayapparel.com
- Diane’s + candles = dianescandles.com/candlesbydiane.com
- Cosmik + masks = cosmikmasks.com
キーワードは1つか2つに絞ります。多すぎるとスパムのように見え、敬遠されます。
カリフォルニアのコーヒーブランド、Verve Coffee Roastersは素晴らしい事例です。サイトビジターにとって関連性が高く覚えやすいドメインとして、ブランドとメジャーなキーワードを組み合わせたvervecoffee.comを選択しています。
アイデアを得るためにドメインネームジェネレーターを使う
ドメイン名の選択で行き詰まってしまうこともありますよね? Shopifyの無料で使えるドメインネームジェネレーターを使ってアイデアを得ましょう。ツールを読み込み、英語のキーワードを入れると、ビジネスに使えるポピュラーな独自ドメイン案が返ってきます。
例えばショップで帽子(hats)を販売したい場合、今なら以下のようなオプションがあります。
ぴったりのドメイン名とはまだ思えない? ジェネレーターは代わりのオプションも表示しますよ。
希望するドメイン名のリサーチをする
ドメイン名のアイデアが得られたら、それがすでに登録されていないかどうか確認します。Shopifyのドメイン検索ツールを使用すると、カスタムドメインの取得可能状況をチェックできます。ほかの一般的な方法としては、WHOISで確認することもできます。
ドメイン名を決定する前に、ほかの企業が同じものを使っていないか確かめることも大切です。チェック方法としては以下の3つがあります。
- 商標検索:USPTO.govで商標登録のデータベースを検索し、似た名称を他社が登録していないか調べられます。
- SNSのチェック:名称が取得できそうかどうか、インスタグラム、フェイスブック、TikTok、その他のSNSチャネルを検索します。アカウントを作成する場合にも役立つので一石二鳥です。
- Google検索:最後にもちろん、希望の名称をGoogleでも検索して、だれかがあなたのブランドに関係していないかチェックしましょう。
ドメイン名がすでに取得されていた場合
最高のドメイン名がすでに登録済みということもあります。そんなときは、以下の対応を考えてみます。
オーナーから買い取ってみる
将来的に他社に販売する目的でドメインを取得している人たちもいます。だれかが、あなたの希望するドメインをすでに取得していた場合、オーナーにコンタクトして交渉してみましょう。WHOISのデータベースで彼らのコンタクト情報を知ることができます。
バリエーションを検討する
オリジナルとは異なるバージョンのドメイン名もブレストで検討してみます。単語の組み合わせを変えたりして、ブランド名の別バージョンなどが創作できます。たとえば、katysimons.comというドメインがどこかのITコンサルタントによって使用されているなら、あなたのイラストレーションビジネスのためにkatysimonsprints.comやksimonsillustrates.comといった名前を試すこともできるでしょう。
また、ビジネス拠点をベースにしたトップレベルドメインを登録する手もあります。都市ベース(.nyc .cdmx)や国ベース(.jp .de)が考えられますが、国際マーケットにおいて特定地域のターゲットカスタマーの検索ランキングを引き上げる効果が期待できます。
オンラインで小売事業をしているなら、「shop」+「ブランド名」.comというバリエーションはもっとも簡単に導き出せます。たとえば、モダン家具を販売しているShopifyマーチャントのHorneは、shophorme.comを使用しています。
ビジネスネームジェネレーターを活用すると、今まで考えてもみなかった新しい名前を発見することも可能です。準備が整ったら、ドメインネームジェネレーターで新しいドメイン名を検索して、利用可能かどうかをすぐにチェックできます。
ほかのトップレベルドメインを使ってみる
希望するドメイン名が「.com」拡張子で入手できない場合、ほかのトップレベルドメインを探してみましょう。現状の「.com」ドメインが商標登録されてしまっているか、または同様のニッチでないかぎり、「.co」「.shop」「.biz」などの信頼できるトップレベルドメインを使用できるかもしれません。
トレンドを確認するには、NameStatをチェックします。人気で急成長しているトップレベルドメインの中から、自分に合ったドメイン拡張子を選択しましょう。
評判の悪いドメインを分析するSpamhausをチェックすると、避けるべきトップレベルドメインを確認できますので、信頼できるドメインを選んでください。
素晴らしいアイデアが得られたら、あとはドメインを決定する最後のステップを残すのみです。
ドメイン名の登録方法
2020年9月時点で3億7,000万のドメイン登録があり、成長率は前年比3%なので、早めに自分のドメインをおさえておくのが得策です。
ネットショップを始めるなら、外部のドメイン登録サイトを探すより、Shopifyストアを登録するときに一緒にドメインも購入してしまいましょう。ドメインネームジェネレーターを使うと、数回のクリックでお気に入りのドメインを見つけて登録できます。これによりストア立ち上げの時間が節約できるので、販売に至るスピードも早くなります。
ご自分のドメイン名を登録する準備がまだできていなくても、問題ありません。自動生成の無料ドメイン名(○○.myshopify.com)を利用できます。まずはShopifyストアをデザインし、その後準備ができたら最高のドメイン名を購入しましょう。
もっと詳しく:Shopifyストアを立ち上げるためのチェックリスト
もっと詳しく:自分のドメインを取得しよう:おすすめドメイン登録サービス8選
競争上のアドバンテージとしてドメイン名を利用する
独自ドメインは、ただのウェブ上の住所ではありません。オンライン上であなたのブランドを表現する方法なのです。ブログにしても、商品販売にしても、その点は同じです。
最適なドメイン名を設計するために、頭を使いすぎなくても大丈夫です。その代わり、シンプルで覚えやすく、響きのいいものにしましょう。そうすればプロフェッショナル感が生まれ、お客さまからすぐに信頼を得ることができます。その結果、ブランドの認知度とセールスがより向上していくことになるのです。
原文:Michael Keenan イラストレーション:Rachel Tunstall 翻訳:深津望