ECサイトでソーシャルメディアマーケティングを成功させるには、まず各SNSの利用状況を正確に把握することが重要です。SNSの普及とユーザー数の増加が進む中、ターゲットユーザーが多く集まるプラットフォームに的を絞った施策から始めるのが効果的です。
本記事では、アクティブユーザー数と利用率のデータをもとに、最新の世界および日本におけるSNS人気ランキングを紹介します。各SNSの特徴と利用傾向を理解し、自社に最適なSNSマーケティング戦略を立てる参考にしてください。
人気SNSランキング(世界編)

1. Facebook
世界の人気SNSランキング1位はFacebookです。2024年12月時点で33億5,000万人のデイリーアクティブユーザーがいます。世界でSNSを含むソーシャルメディアを利用しているユーザーは52億4,000万人いるため、約5人に3人がFacebookのアクティブユーザーということになります。
月間アクティブユーザー数で1位のFacebookは、1日あたりの平均利用時間は20分ほどで、全世代の平均で見るとInstagramやTikTokよりも長いという米国の調査結果もあります。
2. YouTube
世界の人気SNSランキング2位はYouTubeです。アクティブユーザー数は25億3,000万人で、Facebookのアクティブユーザー数の約82%に相当します。また、YouTubeはGoogleの次に人気のある検索エンジンでもあります。
世界中で毎分500時間以上の新しい動画がYouTubeにアップロードされており、これを1日に換算すると、約72万時間の動画が毎日追加されています。YouTubeによると毎日数十億時間の動画が視聴されており、消費者の26%がYouTubeを通じて新しいブランドや商品を発見しています。そのため、SNSマーケティングでYouTubeチャンネルを始める価値は高いでしょう。
3. Instagram・WhatsApp
世界の人気SNSランキング3位はWhatsApp(ワッツアップ)とInstagramが同一順位で、アクティブユーザー数は20億人です。
WhatsAppとは、無料のメッセージアプリで、LINEのグローバル版とイメージすればわかりやすいでしょう。どちらもFacebook同様にMeta社が提供しています。
5. TikTok
世界の人気SNSランキング5位はTikTok(ティックトック)で、アクティブユーザー数は15億9,000万人います。
また、月平均利用時間は世界の人気SNSランキングの中でも1位の34時間です。特に若年層を中心に圧倒的な人気を誇り、エンタメやトレンド発信の中心的存在となっているため、TikTokをECビジネスに活用する価値は高いでしょう。
6. WeChat
世界の人気SNSランキング6位のWeChat(ウィーチャット)は、13億8,000万人のグローバルユーザーを抱える、中国版LINEのようなメッセージアプリです。
メッセージ機能だけでなく、決済やタクシー配車、ショッピングなど幅広い機能を備えた「スーパーアプリ」として、中国国内では生活に欠かせない存在です。その影響力はSNSの枠を超え、ビジネスや行政サービスにも広く活用されています。
7. Telegram
世界の人気SNSランキング7位はTelegram(テレグラム)で、アクティブユーザー数は9億5,000万人です。
Telegramはロシア発の無料メッセージアプリです。強力な暗号化技術とプライバシー保護機能に定評があり、検閲を避けたいユーザーや情報感度の高い層から高い支持を集めています。
チャンネル機能を使って情報発信やコミュニティ運営を行うケースも増えています。
8. Facebook Messenger
世界の人気SNSランキング8位は、全世界で9億4,700万人のユーザーを持つFacebook Messengerです。
Facebook Messengerは、Facebookユーザー用のメッセージアプリですが、Facebookユーザーでなくても利用できます。音声通話やビデオ通話、スタンプや送金機能なども搭載されており、ビジネスアカウントによる顧客対応ツールとしても活用されています。
近年は企業のカスタマーサポートチャネルとしての需要も高まっています。
9. Snapcaht
世界の人気SNSランキング9位はSnapchat(スナップチャット)で、アクティブユーザー数は8億5,000万人です。
写真や短い動画を友達同士でシェアできるSNSで、送った写真や動画が数秒で自動的に削除されるリアルタイムなコミュニケーションツールとして若い世代を中心に人気です。
10. 抖音
世界の人気SNSランキング9位は中国版TikTokの抖音(ドウイン)で、アクティブユーザー数は7億6,600万人です。
TikTokと同じByteDance社が運営しており、主に中国国内向けに提供されています。EC機能やライブコマースによる収益化機能も充実しており、若者を中心に圧倒的な影響力を持っています。
世界人気SNSランキングのうち、Facebook・WhatsApp・Instagram・Facebook MessengerはMeta社のサービスで、圧倒的な存在感と影響力があることがわかります。
Meta社で掲載されている広告はMeta広告ライブラリで検索ができ、SNSマーケティングを始める際に競合の広告を調べるなどして自社Web広告の作成に役立てることができます。
日本のSNSランキング
1. LINE
日本SNSランキング1位はLINEで利用率94%、2024年12月末時点での月間利用者数は9,700万人です。LINEは個人のメッセージアプリだけでなく、LINE公式アカウントを利用した企業のSNSマーケティングにも活用されています。
また、ニュース配信や電子決済、予約・問い合わせ対応など、生活インフラとしての役割も担っています。国内では老若男女問わず幅広い世代に浸透しており、他のSNSと比べても日常利用率が特に高いのが特徴です。
2. YouTube
日本SNSランキング2位はYouTubeで利用率は87.1%、18歳以上の月間利用者数は2024年5月時点で7,370万人を超えています。
特に10代から30代の利用率が90%を超えており、若い世代をターゲットにするなら欠かせないSNSの一つです。また、60代でも65%以上の利用率があるため、YouTubeなら幅広い年代に向けた動画マーケティングが可能になります。
3. Instagram
日本SNSランキング3位はInstagramで利用率は56.1%です。10代〜30代までの利用率は60〜70%台ですが、40代以降から利用率が下がるため平均の利用率が半数という結果になりました。
60代になると利用率は約22%まで落ちるので、インスタで稼ぐにはターゲットの年齢層に合わせた投稿にする必要があるでしょう。
4. X
日本SNSランキング4位は利用率49%のXです。Xは20代に圧倒的な人気があり、利用率は約81.6%あります。
そのため、20代をターゲットにしたSNSマーケティングにはXも効果的でしょう。リアルタイム性や拡散力に優れており、トレンドを活用したキャンペーンやプロモーションとの相性も抜群です。また、匿名性が高く本音が出やすいため、ユーザーの生の声を収集する手段としても活用されています。
5. TikTok
日本SNSランキング5位はTikTokで利用率は32.5%です。日本でTikTokのサービスが始まったのは2017年からで、30代以降の利用率は10〜30%台と低い傾向にあります。一方で、10代の利用率が70%と圧倒的に高いため、10代向けの投稿はバズりやすいといえます。
TilTok広告をSNSマーケティングに活用する際も、10代〜20代に合わせたものにすることで効果が高まるでしょう。
6. Facebook
日本SNSランキング6位は世界SNSランキングで1位のFacebookです。日本での利用率は30.7%です。しかし、Facebookは30代〜40代のユーザーに人気が高く、40%前後の利用率があります。
ビジネスや趣味のコミュニティ、イベント告知などの場としても根強い支持があり、他のSNSとは異なる用途で使われる傾向があります。実名登録が前提のため、信頼性を重視するユーザーや企業アカウントにも活用されています。
7. ニコニコ動画
日本SNSランキング7位はニコニコ動画です。利用率は13.7%とあまり高くなく、10代と20代がほとんどの割合を占めています。
ほかにも、リリースから2週間ほどで月間ユーザー数が143万人に到達したmixi2や、Meta社が提供するテキストベースのThreads(スレッズ)、世界で10億人以上が利用するビジネスSNSのLinkedIn(リンクトイン)、加工などをしないリアルな写真を投稿するシステムがZ世代に人気のBeReal(ビーリアル)など、新しいSNSも利用者数を伸ばしています。
日本で人気のSNSは、世界で人気のSNSランキングと順位に違いがあり、世代によっても好まれるSNSは異なります。越境ECでSNSマーケティングをする場合や、ターゲット層が特定の年齢層の場合などは注意しましょう。
まとめ
世界の人気SNSランキングは、1位がFacebook、2位がYouTube、3位がInstagramとWhatsAppです。日本の人気SNSランキングは、1位がLINE、2位がYouTube、3位がInstagramです。
世界と日本のSNSランキングには多くの違いがあり、ターゲットとする国や年代によって効果的に活用すべきSNSは異なります。中でも、グローバル展開を視野に入れたSNSマーケティングにおいては、Meta社のサービス(Facebook・Instagram)の活用が欠かせません。実際に、Instagramユーザーの62.2%、Facebookユーザーの54.6%が商品情報やブランドコンテンツを調べるためにSNSを利用しています。
日本国内においてもInstagramがきっかけで商品を購入したことがあるユーザーは46.2%と、購買行動への影響が大きいことがわかります。
また、世界・日本の双方でランキング2位のYouTubeも、SNSマーケティングに適したプラットフォームといえます。動画や画像が必ずしもバズるとは限りませんが、バズった際には一時的に高いマーケティング効果が期待できます。
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よくある質問
2025年にバズりやすいSNSは?
YouTube、Instagram、TikTokはアクティブユーザー数が多いため、2025年も引き続きバズる可能性は高いでしょう。日本国内で見ると、LINEやXもバズりやすいSNSです。
日本国内でZ世代に流行るSNSは?
今後Z世代に流行りそうなSNSには、Instagram、TikTok、Xのほか、BeRealなどがあります。
文:Takumi Kitajima