ファイルの互換性が高いCSVは、データベースソフト間で入出力する際によく用いられます。WindowsでCSVを展開すると、Excelのような表データとして閲覧できますが、ExcelとCSVは異なるファイル形式です。
CSVが使いこなせるようになれば、リストや情報を一括でダウンロード・アップロードできるようになるため、一つひとつ手で入力する手間を省くことができます。
ホームページやネットショップを開業する場合、CSVを使えば情報を一括で変更できるようになるため、業務効率化が図れます。
そこで今回は、データ管理において知っておくべき知識の一つである「CSV」について説明するとともに、CSVファイルを使ってShopifyに商品を追加する方法についても解説します。
目次
CSVとは?
CSV(Comma-Separated Values)は、データをテキスト形式で表現するファイル形式の一つです。主に表形式のデータ(行と列で構成されるデータ)を保存したり、異なるソフトウェア間でデータをやり取りするために使用されます。
CSVを使用する目的
- データのインポート・エクスポート: データベースやスプレッドシート(例:Excel、Googleスプレッドシート)と他のシステム間でデータをやり取りする際に使われます。通常のデータ形式ではソフトウェア同士に互換性がないためデータを移行できませんが、CSV形式にすれば異なるソフトウェア間でもデータを移行できるようになります。
- ログや記録の保存: システムやアプリケーションの記録データを保存する形式として利用されることがあります。
- 軽量なデータ保存: 他の形式(例:Excel形式やデータベース形式)に比べて軽量で簡単に扱えるため、小規模データの保存に適しています。
CSVデータの例
CSVファイルのデータは以下のようなフォーマットで構成されています。
ID,氏名,所属
123,佐藤太郎,営業部
234,日本花子,経理部
345,鈴木次郎,人事部
CSVデータは上記のような形で作成されます。上記のデータの場合、社員IDと氏名と所属部署のリストであることが読み取れます。ExcelにこのCSVファイルをインポートすると、以下のように表示されます。
CSVは汎用性が高くさまざまなツールやソフトで開くことができます。CSVを利用できる主なツールまたはソフトは以下の通りです。
- Excel
- Googleスプレッドシート
- メモ帳
- CSV+
- CSVイディー
- Cassava Editor
- Libre Office(Windows・Macに対応)
CSVとExcle(エクセル)の違い
CSVデータは項目をカンマ(,)で区切っていますが、文字とカンマ(,)がずらっと並んでいるだけのテキストデータであるため、読み取りづらいため、CSVデータをExcelに読み込んで表示することで、見やすく使いやすいデータに変換しています。項目をカンマ(,)で区切って並べたファイル形式がCSV、CSVを見やすく使いやすいように表示できるソフトがExcelです。
また、Excelは表計算やグラフ作成、文字やセルの装飾などを行うことができますが、CSVは表計算や装飾を目的としていません。CSVはあくまで単純な文字列であると理解しておきましょう。
なお、CSVはさまざまなツールやソフトで読み込めます。CSVを他のツールやソフトに読み込むことを「インポート」と呼びます。
CSVをインポートしたデータのファイル名の最後は「.csv」、一般のExcelのデータは「.xlsx」と異なる表示であるため、データ名の後ろに続く拡張子で見分けましょう。
CSVとExcel(エクセル)、Googleスプレッドシートの使い分け
CSVは、ExcelやGoogleスプレッドシートと互換性のないツールへのデータアップロードの際に使用します。例えば、基幹システムはExcelファイルやGoogleスプレッドシートファイルと互換性がなく、そのままファイルをインポートすることはできません。そこで、一度CSVデータに変換してから、基幹システムやデータベースにインポートします。
一方でExcelやGoogleスプレッドシートはデータを見やすく、かつ使いやすいように表示するために使います。セルの色付けや表のグラフ化、関数を使った計算など、見やすく使いやすいデータにできる機能が多数搭載されています。
CSVを他のファイル形式に変換する方法
CSVをExcel(エクセル)形式に変換する方法
まずは、CSVをExcel形式に変換する方法をご紹介します。CSVをExcel形式に変換する手順は以下の通りです。
- 対象CSVファイルを右クリック
- 「プログラムから開く」をクリック
- 一覧の中にある「Excel」をクリック
- ExcelにてCSVファイルが開いたら、左上にある「ファイル」タブをクリック
- レフトナビ内にある「名前を付けて保存」を選択
- ファイル形式の一覧から「Excelブック(*.xlsx)」を選択
- 「保存」をクリックして完了
CSVファイルをテキストファイルに形式を変換する方法
- 対象のCSVファイルを右クリックして「名前を変更する」をクリック
- 「カンマやタブなどの区切り文字によってフィールドごとに区切られたデータ」を選択して「次へ」をクリック
- 2ページ目の区切り文字で「カンマ」を指定
CSVをテキスト形式に変換すると、「.csv」から「.txt」になります。
文字化けした時の対処方法
CSV変換したファイルを開いた際、文字化けしてデータが見られないことがありますが、 CSV変換したファイルが文字化けするのは、ファイルが対応していない文字コードで作成されたからです。
文字コードが正しく処理されていないと、コンピュータが文字を正しく処理できず文字化けが生じます。
万が一文字化けが生じた際は、WindowsとMacで対処法が異なります。
・WindowsでCSVの文字化けを解消する方法
- CSVファイルを右クリックして「プログラムから開く」を開き、「メモ帳」をクリックする
- メモ帳で開いた場合に文字化けしていないかを確認する
- で文字化けしていなければ、「ファイル」を選択して「名前を付けて保存」をクリックする
- ダイアログボックスの「文字コード」を「ANSI」に変更して保存する
・MacでCSVの文字化けを解消する方法
- CSVファイルを右クリックして「このアプリケーションで開く」を選択し、「テキストエディット」をクリックする
- キーボードで「command」「shift 」「S」を同時に押してファイルを複製する
- キーボードで「command」と「S」を同時に押して保存画面を開く
- 名前欄に「○○(好きな名前).csv」と入力する
- 「標準テキストのエンコーディング」は「日本語(Shift JIS)」にして保存する
CSVファイルのインポートとエクスポート
CSVでインポートする機能とは?
CSVに変換したファイルは、対応している他のツールやソフトにインポート(読み込み)できます。
前述の通り、異なるツールやソフト同士は互換性がなくデータを移行できませんが、CSVは多くのソフトやツールに対応しているため、CSVでインポートすることで互換性のないツールやソフト同士でもデータを移行できます。
CSVのインポート機能を使ってデータを移行することで、使い慣れているツールやソフトを使って業務が進められる等、さまざまなメリットがあります。
CSVでエクスポートする機能
CSV出力に対応したソフトであれば、ソフト内に保存されているリストや情報をCSV形式で書き出すことができます。CSVでエクスポート(出力)したファイルは、Excel等の対応しているツールやソフトで開けるため、入力したデータをより詳細に分析したい場合や印刷したい場合に活用できます。
CSVのエクスポート機能もインポート機能同様、活用することで業務の効率化が図れます。
CSVファイルをインポート・エクスポート際の注意点
- 読み取り可能なレコード数
- 必須項目の入力漏れ
- IDやコードが既存データと一致していないか
CSVファイルから読み込めるレコード数には上限があります。万が一上限を超えCSVファイルをインポートすると、エラーが発生し正常インポートできなくなります。
また、必須項目のデータの入力がないと、CSVファイルをインポートできません。
さらに、CSVファイルはIDやコードが既存データと一致していると既存データに上書きされるという特徴があるため、注意が必要です。
先程の「ID123の日本太郎さんとID234の日本花子さん」の場合、日本太郎さんのIDだけを234と変更してインポートしてしまうと、日本花子さんのデータは上書きされてしまいデータが消失してしまいます。新たなデータをCSVファイルとして保存したい場合は、空欄または既存データと異なるIDやコードを入力してください。
Shopifyストアで商品情報のCSVファイルを扱う方法
1.CSVファイルをGoogleスプレッドシートで作成する
Googleスプレッドシートを使って、商品情報の項目をShopifyが指定する形式に合うように編集すれば、CSVファイルをShopifyストアに読み込むことができます。
2.CSVファイルを、一度ローカルに保存する
Google スプレッドシート上でCSVファイルが完成したら、ファイル > 形式を指定してダウンロード > カンマ区切り値(.csv 現在のシート)を選択してダウンロードしましょう。
3.CSVファイルをShopifyストアに読み込む
Shopifyに戻ります。管理画面から商品管理を選択。続けて上部の「インポート」をクリックしてください。
4.CSVファイルをShopifyストアに読み込む
「ファイルを選択」から指定したCSVファイルを選んで、「Upload file」をクリックしてください。チェックを入れると、同じ商品が上書きされて取り込まれます。
続けてプレビューが表示されます。「Start Import」を押して、ファイルを読み込みましょう。
これで完了です!ストアの商品管理から追加された商品をご確認ください!
ShopifyでCSVのサンプルデータのダウンロードやCSVファイルの各項目の詳しい内容について、以下ページに掲載しています。
CSVデータを使用する時の注意点
- 数列や番地などが日付に変換される
- 月日の記述が英語の月日に変換される
- 数列の頭に0を入れると消える
- カッコつき数字がマイナスの数字に変換される
数列や番地などが日付に変換されてしまう
CSVデータに変換すると、数列や番地などは日付に変換されてしまいます。例えば、「2025-6-6」という数値であれば日付と認識してしまい、CSVデータでは「2025/6/6」と変換されます。
特に、アンケートフォームのデータや顧客データを変換する際は影響を受けやすいため、数列や番地などが日付に変換されてしまうということを覚えておきましょう。
月日の記述が英語の月日に変化されてしまう
日付に関する注意点として、月日の記述が英語の月日に変換されるという注意点もあります。
例えば「2025/6」という日付であれば、CSVデータでは「Jun-25」と変換されます。
数列の頭に0を入れると消えてしまう
電話番号など、0から始まる数値をCSV変換すると数列の頭の0が消えてしまいます。数列の頭の0が無くなることを「0落ち」と呼びます。
例えば「0123456789」という電話番号をCSVに変換すると「123456789」となります。
カッコつき数字がマイナスの数字に変換されてしまう
カッコつきの数字がマイナスの数字に変換されるということも覚えておきましょう。
例えば「(1)」という数字をCSV変換すると、「-1」と表示されます。これは、欧米の財務諸表のルールが影響しているとされています。
まとめ
ネットショップ運営では、顧客管理などさまざまなデータを管理することが多いので、CSVを上手に活用すれば業務の効率化を図れるようになります。Shopifyストアを開く際、商品一覧をファイル一つでアップロードできるCSVインポートは商品が多い場合は、使わなければ損な機能です。
ぜひ、このガイドを参考に、CSVファイルの作成やインポート、エクスポートを習得してください。
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