ECサイトにおいて商品ページは、商品の魅力を伝える重要な場所です。オンライン販売で売上をアップさせるには、売れる商品説明や魅力的な商品写真にこだわるだけでなく、潜在的な疑問を解消しておくなど、気を配っておくべきポイントやコツが数多く存在します。そこでこの記事では、商品ページのコンバージョン(CVR)、つまり顧客が購入に至る割合を改善する方法を紹介します。CVRを上げる方法を探している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1. ひと目でわかるコピー文を考える
最も重要な情報や要点を簡潔に伝えるために、大切な情報は商品ページの冒頭に記載するようにします。顧客の多くは、必要な情報をすぐに得ることができないと感じた場合、そのページから離れてしまいます。そのため、商品の魅力が明確に伝わるコピー文を最初に提示することで、顧客の興味を引きつけ、購入意欲を維持する効果が期待できます。
家具や生活雑貨を販売しているRASIK(ラシク)は、商品の見出しに重要なポイントを記載し、下にスクロールすると画像付きで商品の簡単な解説が表示されるようにしています。例えば、ベッドフレームを探している顧客に対して、商品名より先に「コンセント付き」と記載することで、さらなる利便性を魅力として提示し、商品への興味をより強く惹きつけることを可能としています。
2. 顧客の潜在的な疑問を解決する
顧客が購入したいと思う理由と、購入をためらう理由の両方を予想し、そこから生まれるであろう疑問を解決することで、顧客の不安を取り除くことができます。商品ページには、各商品のよくある質問や、疑問点に対する答えをわかりやすく記載する必要があるでしょう。
例えば、商品の耐久性や使用方法に関する情報を充実させることで、潜在的な疑問が解消され顧客が安心して購入できるようになるためコンバージョンの改善につながります。
モバイル充電商品を開発・販売しているAnker(アンカー)のポータブル電源の販売ページは、どの程度の出力と容量を備えているかが一般消費者にもわかりやすいように、スマホやタブレットの充電可能回数、電子レンジやドライヤーなどの利用可能時間といった具体例で示しています。また耐久性についても、「毎日、10年使える」といった明確な数字を記載することで顧客の不安を取り除き、安心感を与えています。
3. 購入ボタンを目立つように配置する
購入やカート追加などのボタンを目立つ位置に配置することは、コンバージョン率を向上させる重要な要素の一つです。これらのボタンの位置がわかりにくいと、顧客が購入を諦めてしまい、機会損失に繋がります。
ランドセルを販売している土屋鞄のランドセルでは、目立つ色を「カートに入れる」ボタンに採用しています。さらに、カート追加ボタンはページの上部と下部の両方に配置されており、顧客が商品情報を確認するために下にスクロールした場合でも、ページ上部に戻ることなく購入できます。この配置により、顧客はスムーズに購入手続きを進めることが可能で、ストア側は販売の機会を逃さず、コンバージョン率の向上が期待できます。
4. チャットサポートを設置する
リアルタイムで質問できるチャットサポートがあると、購入を迷っている顧客の疑問に直接答えて不安要素を取り除くことができ、購買決定を促進して売上の増加につながります。特に、ECサイトの訪問者が多い時間帯や、高額になりやすいセット商品などの商品ページにチャットサポートを設置すると、コンバージョン率の向上に効果的となります。チャットサポートは実際に使用されなくても、ECサイト内に設置されているだけで顧客は質問できる環境が整っていると感じ、安心して買い物ができます。
ポータブル電源やソーラーパネルなどを販売しているEcoFlow(エコフロー)では、数十万円から100万円を超えるような、高額で一般消費者にとって身近ではない商品を多く取り扱っています。そこで、チャットサポートにつながるボタンを常に表示しておき、顧客の疑問や不安をすぐに解決できるようにすることで、販売へと繋げています。
Shopify Inboxでライブチャットを活用する
Shopify(ショッピファイ)ユーザーは、Shopify Inbox(ショッピファイインボックス)アプリをインストールすることで、ECサイトにライブチャットを無料で追加できます。Shopify Inboxはパソコンと iOS、Androidに対応しており、外出先でも顧客の質問に答えたり、商品をおすすめしたりできるため、販売チャンスを逃さずに売上に繋げられます。
5. 商品写真とともに動画やGIFを活用する
オンラインショッピングは、商品の色味や質感などを直接確認できないため、わかりにくい写真や不十分な情報の商品ページでは購入に繋がりません。そのため、高品質な商品写真や動画、GIFを活用して実物に近い商品イメージができる情報を提供することも大切です。これにより、顧客も安心して商品を購入できるようになります。また動画を活用する場合、長くする必要はなく、顧客が店舗で商品を購入するときに確認するようなポイントを視覚化できれば十分です。
また、商品写真や動画、GIFはECサイト以外にも、SNSや広告、メールマーケティングなど、さまざまな場面で商品紹介やプロモーションに使用できるため、十分に投資する価値があります。
ハイキンググッズメーカーの山と道の商品ページでは、実際に山道で着用しているシーンなどの動画やGIFを掲載しています。使い方やサイズ感を顧客がよりイメージしやすくなるため、安心感や魅力の訴求につながっています。
6. 利用者のレビューを掲載する
商品を購入する場合、レビューを参考にするというインターネットユーザーは70%を超えているといった調査結果もあるため、すべての商品ページに利用者のレビューページを設置したほうがいいでしょう。顧客はECサイト内の商品紹介の情報より、実際に利用した人のレビューを信頼する傾向にあります。
特に、メイクやスキンケアなどの美容関連商品や、ゴルフの技術向上に役立つものなど、実際に効果が出るかどうかが不安視されがちな商品の場合、利用者の声やSNSでの口コミといったUGCがマーケティングにおいて重要な役割を果たします。
女の子向けのガーリーなランドセルを販売しているgrirose(グリローズ)では、商品ページのレビューで「デザイン」「重さ」「サイズ」「丈夫さ」の4つの項目をそれぞれ星5段階で評価できる仕組みとなっています。購入を検討している顧客は、実際に使用した他の顧客の評価を確認することで、商品の詳細な特徴や品質をより具体的に把握することができ、安心して購入する判断材料にできます。
7. 認証ラベルを目立つように表示する
オーガニック商品やエコ商品などの認証ラベルは、商品の社会的な信頼性を示すことに役立ちます。素材へのこだわりや環境負荷の低減などの情報を詳しく商品説明に書き込むのは簡単ですが、認証ラベルを活用すれば貴重なスペースを節約しながら、もっとページ上で目立たせることができます。
公式の認証ラベルではなくても、「日本製」や「高品質」などの特徴を示すラベルをオリジナルで作成して、商品ページに活用するのも一つの方法です。オリジナルのプロテインを販売しているKOREDAKE(コレダケ)では、認証ラベルも含めてブランドイメージを統一するために、オリジナルのラベルを利用しています。
8. 適切な場面でアップセルとクロスセルを活用する
アップセルとクロスセルを活用できれば、平均注文額(AOV)を伸ばすことが可能です。アップセルは購入予定の商品よりも高価でアップグレードされた商品を提案することであり、クロスセルとは購入予定の商品に関連する商品を一緒に購入するよう促すことです。しかし、これらを過度に行うと顧客は不信感を抱き、サイトから離れてしまう可能性があります。適切なタイミングで、関連した商品を提示することが重要です。
アパレルブランドのSOEJU(ソージュ)は、商品ページの下にスタイリング例を表示し、購入予定の商品とのセット購入を促進しています。
9. 再入荷通知を設定できるようにする
在庫切れの商品には、再入荷通知の設定ができるようにしましょう。これにより、販売機会の損失を防ぐことができ、顧客は定期的に商品の在庫状況を確認する手間が省けるため、お互いにとってメリットになります。
ジュングループが運営するJ’aDoRe JUN(ジャドールジュン)は、売り切れの商品が再入荷した際にLINEで通知が来るように設定できます。最近ではメールよりもLINEのほうが連絡手段として身近になってきており、顧客がリアルタイムに情報を受け取りやすい手法といえるでしょう。
まとめ
商品ページのコンバージョン改善には、顧客の視点に立った工夫が重要です。わかりやすいコピー文や魅力的な画像・動画を通して商品の魅力を伝えるとともに、潜在的な疑問を解決し、顧客が安心して購入できる環境を整えましょう。また、適切なタイミングでアップセルやクロスセルを行い、関連商品を効果的に提案することは平均注文額の向上に繋がります。在庫切れの商品には再入荷通知を設定し、販売機会を逃さない工夫が必要です。こうした取り組みを通じて、顧客満足度を高め、コンバージョン率の改善に繋げることができます。
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よくある質問
商品ページはなぜ大事?
商品ページは、商品を購入するかしないかを決定する場所です。魅力が伝わりづらかったり、疑問や不安を抱かせてしまう商品ページでは、購入したいと思われずコンバージョン率の低下に繋がります。
ECサイトのコンバージョンを改善するには?
ECサイトのコンバージョンを改善するには、商品ページの上部に明確で魅力的なコピー文を配置し、商品の魅力を伝える写真や動画を活用することが効果的です。また、購入ボタンの配置場所や、潜在的な疑問を解消する商品説明とチャットサポートも重要です。さらに、適切なタイミングでのアップセルやクロスセル、再入荷通知の設定などもコンバージョン改善に役立ちます。
どのように顧客の質問に答えれば良い?
顧客の質問には、商品ページに「よくある質問(FAQ)」を追加したり、ライブチャット機能を導入するなどの方法で対応できます。
文:Momo Hidaka