SNSマーケティングやネットでお金を稼ぐために、YouTubeのショート動画やTikTok向けの動画を制作する人が増加しています。動画制作を始めるにしても、市場には数多くの動画編集ソフトが存在しており、どのソフトを使うべきか悩んでしまう人が多いでしょう。
この記事では、動画編集ソフトの人気ランキングを紹介します。動画編集ソフトの価格や機能を比較できますので、自分に合ったソフトを選ぶのに役立ててください。
動画編集ソフト人気ランキング
1. Power Director
- 対応OS:Windows 10以降
- 価格:8,980~16,980円
PowerDirectorは、サイバーリンクが提供する人気の動画編集ソフトで、デジタル家電やパソコンの年間販売数を集計するBCN AWARDで9年連続1位、2024年には最優秀賞も受賞しています。
カット編集やテキストテロップ、BGM音楽の挿入、特殊効果、書き出しなどの基本機能が充実しており、他のソフトに比べて動作性が軽いのが特徴です。運動会や結婚式用のスライドショー、ビジネス用のPR動画、動画マーケティングなど、多様な用途に対応しています。付属のScreen Recorderを使用することでパソコン画面の録画も簡単に行えるため、ゲーム実況動画の作成やオンデマンド型のオンライン講座の作成にも適しています。
最新のAI技術を搭載しており、長時間の動画でもワンクリックで自動字幕を生成できたり、入力された文字からオリジナルの画像やステッカーを自動作成したりすることもできます。さらに、音声のノイズを自動検出し、修正に適したツールを教えてくれる機能もあるので、聞き取りやすい音声に復元しやすいのも特徴です。
メリット:
初心者でも使いやすい
豊富なフリー素材が利用できる
サブスクリプション版だと常に最新モデルが使える
デメリット:
サブスクリプション版は定期的に支払いが必要になる
画面の切り替えがやや遅い
2. Filmora
- 対応OS:Windows 7~8、10~11、macOS v10.15~14
- 価格:3,480~14,900円(法人・商用向け)
Filmoraは、Wondershare社が開発した動画編集ソフトで、初心者から中級者まで幅広く対応しています。米ビジネスソフトウェアレビューサイトのG2 Crowdで2023年の動画編集製品部門リーダーに選ばれ、優れたデジタルコンテンツなどを表彰するShorty AwardsのPHOTO&VIDEO部門も受賞した実績があります。
基本的なカット編集はもちろん、BGM挿入やテキストテロップ、豊富なCGテンプレート、ナレーション録音、画面録画、自動編集、DVD焼きなど、多彩な機能を簡単に利用できるのが特徴です。
買い切りの永続ライセンスの定価は11,979円で、同レベルのソフトと比べても手頃な価格です。時期によっては割引キャンペーンが実施されていることもあります。
メリット:
多彩な機能
デザインやエフェクトのテンプレートが豊富
同レベルのソフトと比較すると低価格
デメリット:
買い切り版で最新モデルを使用するには再購入が必要
音のバランスを調整するオーディオミキサーが動画再生中に使用できない
3. Final Cut Pro
対応OS:macOS 13.5以降
価格:45,000円
Final Cut Proは、Macユーザー向けの高度な動画編集ソフトで、プロレベルの編集も可能です。
「マグネティックタイムライン」という機能を活用すると、クリップ(映像や音声などの素材)の移動やトリミングがスムーズに行えます。ほかにも、ビデオクリップとオーディオクリップをひとつにまとめる複合クリップや、クリップを選ぶ際に複数の候補を試せるオーディション機能も備わっています。
さらに、2D・3Dタイトルの制作や、特定の色の部分に別の映像を合成するクロマキーを用いたグリーンスクリーンキーヤー機能など、豊富なエフェクトが搭載されています。内蔵の音声ツールで、音の広がりを表現できるマルチチャンネルオーディオの編集も容易で、より臨場感のある音声に仕上げることが可能です。
メリット:
直感的な操作が可能で初心者も使いやすい
360度動画に対応している
複数のカメラで撮影した映像を並べてカット編集するマルチカム編集ができる
デメリット:
ほかのソフトと比較するとやや高い
サブスクリプションは提供されていない
4. Adobe Premiere Pro
- 対応OS:Windows 10(64 ビット)日本語版 V22H2 以降、macOS Monterey(バージョン 12)以降
- 価格:3,280~34,680円
Adobe Premiere Proは、高機能な動画編集ソフトで、個人は月額3,280円、法人は5,080円で利用可能です。
ナレーション再生時にBGM音量や動画全体の色合いなどをAIが自動で調整する機能が搭載されています。サポートも充実しており、公式オンライン講座「クリエイティブカレッジ」を無料で利用できます。動画編集ソフトの使用経験がない人や初心者でも、学びながらソフトを使用できるのが強みです。
メリット:
高性能な機能を数多く搭載している
初心者向けの講座を利用できる
デメリット:
買い切り版が販売されていない
機能が豊富で操作に慣れるまで時間がかかる
5. Adobe Premiere Elements
- 対応OS:Microsoft Windows 10以降、macOS 12以降
- 価格:19,580~27,280円
Adobe Premiere Elementsは、2021年にリリースされた初心者から中級者向けの動画編集ソフトです。プロ用並みの機能やビデオ編集を簡単にする機能などが充実しています。
AI技術を活用し、フレームの自動変更や被写体の選択、シャドウ調整、ノイズ軽減などが可能です。トリミング機能では、ビデオに応じたベストシーンを自動で選んで編集できます。映像を処理する装置が高性能なため、高品質なエフェクトを事前にレンダリング(統合)することなく再生することも可能です。初心者でも使いやすいように、露光量やカラー、シャープなどを素早く編集できる「クイックモード」と呼ばれる機能も搭載されています。
メリット:
初心者でも使いやすい
スライドショーの自動作成機能が優れている
デメリット:
高性能なため動作が重くなる場合がある
サブスクリプション版が提供されていない
Blu-ray焼きができない
6. iMovie
- 対応OS:macOS 13.5以降
- 価格:無料
iMovieはApple社が提供している無料の動画編集ソフトで、直感的な操作が可能な初心者にもおすすめのツールです。
動画や写真の取り込みはもちろん、カット編集やテキストテロップの追加など、基礎的な機能は十分に備わっています。ほかにも、BGMの挿入や音声編集、画質調整、手振れ補正など、無料でありながら豊富な機能が使用できるのが特徴です。ストーリーボード機能では、あらかじめ用意されたテンプレートを利用して簡単に魅力的な動画を制作できます。
メリット:
無料で使える
シンプルな操作性で使いやすい
4Kビデオの編集ができる
デメリット:
WindowsやAndroidでは利用できない
テキストテロップのデザイン機能やフォントの種類が限られている
7. Lightworks
- 対応OS:Windows 8以降、macOS 10.14以降、Ubuntu / Lubuntu / Xubuntu 20 .04以降、Mint17以降、Fedora 30以降
- 価格:無料~$23.99
Lightworks(英語)は、詳細なビデオチュートリアルが豊富に用意されており、初心者でも簡単に操作できる動画編集ソフトです。
Lightworksの主な特徴には、正確なビデオ編集を可能にするトリム機能、コンテンツをインポートしながらの編集、複数カメラのクリップを同期するマルチカム編集機能があります。幅広いビデオ形式に対応しており、YouTubeはもちろん、FacebookやInstagramへのエクスポートも可能です。ただし、無料版は4Kに対応していないため、高解像度のビデオ制作には有料版へのアップグレードが必要です。
OSの一種であるオープンソースのLinuxにも対応しているほか、有料のプロフェッショナル版は「パルプフィクション」や「28日後」などの映画編集にも使用されており、プロレベルの編集が可能です。
メリット:
マルチカム編集ができる
無料で使える
デメリット:
無料版は4Kに対応していない
有料版は使うのが難しい
8. DaVinci Resolve
- 対応OS:Windows 10、macOS 12 Monterey、Rocky Linux 8.6 / CentOS 7.3以降
- 価格:無料~49,980円
DaVinci Resolveは、8K編集や色補正、VFX(視覚効果)、オーディオ編集などを統合した高度な動画編集ソフトです。テレビ番組やコマーシャルだけでなく、ハリウッド映画でも使用されており、多くのプロ編集者に愛用されています。
特に色温度やコントラスト、彩度の調整が可能なカラーグレーディング機能が充実しているため、うまく活用すれば映像の雰囲気を自在にコントロールできます。視覚効果を作り出すことにも長けており、2D・3Dテキストデザインやオブジェクトの削除、映像の合成も可能です。本格的な音声編集機能も搭載されており、サウンドトラックの収録や波形編集、ミキシングを簡単に行えます。
メリット:
無料版でも高度な作業ができる
映画制作に使用されるほど性能が優れている
サウンドトラックや波形編集ができる
デメリット:
操作が難しい
無料版は重いファイルの処理に時間がかかる場合がある
9. AviUtl
- 対応OS:Windows 10以降
- 価格:無料
AviUtlは、1997年に開発されたWindows向けの無料動画編集ソフトです。多機能でありながら、動作が軽く、プラグインを活用することで機能を拡張できるのが特徴です。他ソフトとの互換性が高く、多くの情報がインターネット上に公開されているため、わからないことがあっても調べながら編集を行えます。
しかし、AviUtlの導入には、複数のファイルのダウンロードや展開が必要で、パソコンの操作に慣れていない場合は、困難に感じるかもしれません。
メリット:
無料ながら多機能を使用できる
動作が軽い
デメリット:
操作が初心者向けではない
MacやLinuxに対応していない
10. Clipchamp
- 対応OS:Windows 10以降
- 価格:無料~13,724円
Clipchampは、Microsoftが提供する無料の動画編集ソフトで、オンライン版とWindows用のアプリ版があります。Windows 11には標準インストールされており、手軽に使用できます。
Clipchampは基本的なカット編集やBGMの挿入、テキストテロップ、エフェクト、トランジション(場面切り替え)、書き出し機能に加え、画面録画や縦動画対応、クロマキーも可能です。無料版では、透かしのロゴなしでフルHD1080pの書き出しが可能で、有料版にアップグレードすると4K動画出力やプレミアム素材、エフェクトが利用できます。ドラッグ・ドロップで直感的に使えるテンプレートや、音楽トラックが豊富なので、初心者でも使いやすい動画編集ソフトです。
メリット:
無料で基本的な機能を使える
強制的にロゴを挿入される「透かし」がない
豊富なテンプレート
デメリット:
無料版では4Kに対応できない
オーディオミキサーがない
動画編集ソフトの選び方
自分のパソコンと対応OSが合っているか
動画編集ソフトを選ぶ際には、必ず対応するOSを確認しましょう。WindowsやMacに対応したソフトが一般的ですが、特定のOSでしか利用できない動画編集ソフトもあります。購入後に使用できないという事態を避けるためにも、事前にパソコンのOSと動画編集ソフトの対応OSを確認しましょう。
自分のパソコンのスペックがソフトに対応できるか
動画編集ソフトを快適に使うためには、パソコンのスペックを確認することも欠かせません。CPUとして広く使われているIntel Core iや Ryzenシリーズなら、Core i5 / Ryzen5以降のパソコンを選びましょう。
メモリも重要で、8GB以上のパソコンを準備すると快適に使えるでしょう。ただし、高機能なソフトほど高いスペックが求められるため、8GBでも動作が重くなる場合もあります。
iMovieやClipchampなどの元々入っているソフトでも、パソコンのスペックが低いと動作が遅くなり、作業が思うように進まないかもしれません。編集する動画素材の容量や動画編集の目的を考慮して、ソフトを快適に使えるスペックのパソコンを準備しましょう。
必要な機能が備わっているか
- 4K対応
- AI機能
- 字幕機能
- エフェクト
- 画面録画
- 録音機能
- BGM
- クロマキー
- 360度動画対応
上記は、動画編集ソフトに搭載されている主な機能です。動画編集ソフトを選ぶ際には、自分の動画に必要な機能が備わっているかを確認しましょう。
たとえば、対話形式の動画を編集する場合は、字幕やテロップの機能が備わっているものを選ぶと、作業がスムーズに進むはずです。一方、GoProなどで撮影した動画を編集する場合は、速度を調節する機能があれば、躍動感のある動画に仕上げられるでしょう。手軽に動画を作りたい人や初心者には、色や明るさの自動調整や無音部分の自動カットなど、AIを活用した便利な機能を持つソフトがおすすめです。
無料か有料か
動画編集ソフトの価格やコスパも、選ぶ際に検討すべきポイントです。無料版は手軽に始められ、初心者向けのシンプルな機能を提供していますが、機能が制限されていたり、ロゴが強制的に挿入されたりすることがあります。一方、有料ソフトは高機能で使いやすく、豊富なマニュアルやサポートが付いており、プロ並みの映像制作も可能です。しかし、多機能すぎて活用しきれない場合も考えられます。
動画編集を始めたばかりなら、無料版のソフトや無料の体験版を試してみるのがおすすめです。操作に慣れ、動画制作に本格的に取り組むようになってから有料版に切り替えるとよいでしょう。使用目的に合わせて、機能と価格のバランスを考えることが大切です。
対応フォーマットには何があるか
対応しているフォーマットを確認することも、動画編集ソフトを選ぶ際には欠かせません。対応可能なフォーマットが多いほど、動画編集ソフトで読み込んだり書き出したりできる形式が増え、さまざまなサイトへ投稿できるようになります。
さらに、撮影したデータがソフト上で編集できない可能性もあるため、使用予定の撮影機材のフォーマットが動画編集ソフトで扱えるかどうかも事前に確認しておきましょう。
サポートは受けられるか
初めて動画編集を行う、またはあまり経験がない場合は、カスタマーサポートが充実している動画編集ソフトを選びましょう。ソフトの使い方や機能について疑問が生じたときに、すぐに適切なサポートを受けられる環境があると、作業がスムーズに進みます。使用を考えているソフトが、どのようなサポートを提供しているのかを前もって確認するとよいでしょう。
セキュリティは万全か
子どもを撮影した動画や結婚式用の動画など、個人情報が含まれる動画素材を取り扱うことも考えられるため、セキュリティ対策が万全な動画編集ソフトを選ぶようにしましょう。セキュリティ対策が不十分な場合、ウイルスに感染して情報が外部に漏洩するリスクがあります。オンライン機能を持つソフトの場合は、データの送受信が発生するため、セキュリティの高さが特に求められます。
動画編集ソフトを選ぶ際は、定期的にアップデートされているか、最新のセキュリティ対策が講じられているかを確認しましょう。
基本的な動画編集の方法
大まかなステップは以下の通りです。
-
動画編集ソフトを選ぶ:
何を作りどこに公開するのかによっておすすめの動画編集ソフトは変わります。 -
素材を集める(写真、イラスト、動画、音楽):
写真やイラストは自分で撮影したものはもちろん、無料(フリー)素材サイトなども利用するとよいでしょう。photoAC、PIXTA、iStockは数も多く、求める素材が見つかりやすいです。
音楽データを利用する際は、取り扱いに十分注意しましょう。家庭で楽しむだけでなくYouTubeに公開したいのであれば、権利問題をクリアにしなくてはなりません。気軽に使いたい場合はYouTubeのオーディオライブラリーを活用するのがおすすめです。 -
動画編集ソフトに素材を取り込む:
集めた素材を動画編集ソフトにインポートしましょう。2と3を逆にする人も多いですが、素材を集めてから取り込んだ方が断然、効率的です。 -
音楽・画像・エフェクト・テキストのトラックにそれぞれ並べていく:
作りたい最終形をイメージしながら、各トラックに素材を順番に並べていきましょう。 -
動画を編集する:
画像・動画の切り替えを行ったりBGMを設定したり、エフェクトをかけてこだわりの作品を作りましょう。 -
動画を出力する:
AVIやMP4など、公開サイト・利用方法に応じた形式で出力しましょう。
流れを把握するために、一度、フリー素材だけでテスト作品を作ってみるのもよいでしょう。
まとめ
動画編集ソフトは、使用目的やスキルに応じて選ぶことが重要です。初心者には、無料版でも十分な機能を備えたiMovieやClipchamp、DaVinci Resolveなどが使い勝手もよく人気です。本格的に動画編集に取り組みたい場合は、Adobe Premiere ProやFinal Cut Proなど高機能な有料ソフトがおすすめです。各ソフトの特徴や対応OS、機能をよく確認し、自分の目的に合った動画編集ソフトを選びましょう。
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よくある質問
無料で使える人気の動画編集ソフトは?
- iMovie
- Lightworks
- DaVinci Resolve
- AviUtl
- Microsoftフォト
有料でおすすめの動画編集ソフトは?
- Power Director
- Filmora
- Final Cut Pro
- Adobe Premiere Pro
- Adobe Premiere Elements
動画編集ソフトで一番使われているのは?
動画編集ソフトを使っている人300人を対象に行われた合同会社ケーエスの調査によると、日本国内で一番使われている動画編集ソフトは、Adobe Premiere Proであることがわかりました。
YouTuberがよく使う動画編集ソフトは?
Adobe Premiere ProとFinal Cut Proが、YouTuberがよく使う動画編集ソフトです。YouTubeの収益化を考えているなら、どちらかのソフトの利用を検討しましょう。
文:Yukihiro Kawata