TikTok(ティックトック)でのグッズ販売は難しいと考える方も多いでしょう。しかし、実際はソーシャルコマースの一つとして初心者でもはじめやすく、フォロワー数が少なくても商品を自然に宣伝できるSNSです。
この記事では、TikTokがグッズ販売に向いている理由や売れるグッズアイデア、グッズを作る方法などを紹介します。
TikTokで収益化を目指したい方やECサイトへの流入を増やしたいと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
TikTokでグッズ販売する理由
TikTokは独自のアルゴリズムにより、フォロワー数に関係なく一定数のユーザーのおすすめに動画が表示されます。そのため、Instagram(インスタグラム)などのSNSとは異なり、認知度を上げる段階を省略できるため、フォロワーが少ない状態でもグッズを販売しやすいのが特徴です。
また、TikTokのユーザーの年齢層は10〜20代が過半数を占めているため、若年層向けのグッズ販売に向いています。若い世代をターゲットにしたグッズを宣伝したいのであれば、TikTokは非常に適しています。
日本版のTikTokでは、動画を視聴してそのまま購入できるTikTok Shopが利用できません。しかし、TikTokとECサイトは連携ができます。特に、ShopifyとTikTokは相性が良く、Shopifyは複数の販売チャネルを一括で管理できるため、TikTok以外のSNSでも販売する際に手間が増えず便利です。
TikTok for Business(TikTokのビジネスアカウント)を活用すれば、グッズ販売の広告がほかの一般投稿の動画と一緒に表示されるため、ユーザーは広告と意識せずに自然と商品に興味関心を持ちやすく、購買につながる可能性が高まります。
また、顧客が購入した商品をTikTokに投稿してくれれば、UGCとして潜在顧客の購買意欲を刺激する効果を期待できます。あなた自身の信頼性やブランドの認知向上にもつながるため、顧客を巻き込むマーケティング戦略として非常に有効です。
TikTokで売れるグッズアイテムのアイデア一覧
TikTokのユーザー向けに販売できるオリジナル商品は多岐にわたります。Tシャツやマグカップなどの定番アイテムから、アカウントのブランディングやフォロワーの興味に合ったニッチな商品まで幅広く展開できます。
1. アパレル商品

アパレルはSNSで販売するグッズ商品の定番です。ロゴやキャッチフレーズ、デザインをさまざまなアパレルアイテムに簡単にプリントできます。初心者向けとしては、Tシャツ、パーカー、帽子、靴下、トートバッグなどが人気です。初期投資を抑えたい場合は、プリントオンデマンドを利用すると、受注後に自動で商品が作成され、発送まですべて任せられるので、在庫管理が不要で、グッズ販売が初めての方でも挑戦しやすいでしょう。ほかにも、ハンドメイドが趣味の場合は、自宅や作業場でアパレル商品を製作することも可能です。

オリジナルロゴやデザインが個性的な「kaoyorinakami(カオヨリナカミ)」は、パーカーやズボン、アウターなどのアパレル商品から、小物やラグ、アクセサリーまで幅広く展開しています。商品やブランド設立の流れなどを紹介するリズミカルなショート動画が人気で、有名YouTuber(ユーチューバー)や企業とのコラボを通じて着実にファンを増やしています。
2. 生活雑貨

マグカップやクッション、タオル、ブランケット、スマホケースなどの生活雑貨もグッズ販売で人気の商品です。オリジナルのロゴやデザインをプリントしたり、メッセージを入れたりすることで、ユーザーの心をつかむ独自の商品を作ることができます。特に、マグカップやクッション、ブランケットなどは実用性が高く、プレゼントとしての需要も見込めるため、幅広い層に人気があります。ハンドメイドで挑戦しやすいキャンドルやステッカーもグッズ販売におすすめです。

ハンドメイドキャンドルショップの「LUKKA mily(ルッカミウィ)」は、発売直後に売り切れるほどの人気ブランドです。TikTokでは、キャンドルを灯した様子や梱包風景などを紹介し、ユーザーの興味を引きつけています。限定商品を展開することで特別感を演出し、購買意欲を高めているのも成功の秘訣でしょう。
3. アクセサリー
ネックレスやブレスレット、リングなどのハンドメイドアクセサリーもグッズ販売におすすめです。特にターゲット層の年齢やイメージがTikTokユーザーと一致すれば、TikTokマーケティングがやりやすくなります。また、アクセサリー販売は、特定のニッチな層を狙いやすいのも特徴です。

世界各国のコインをリングに加工できる体験ショップ「COIN LUCK(コインラック)」は、ニッチな層を的確に捉え、2025年4月現在で6店舗の展開に成功しています。2023年からTikTokでの投稿をスタートし、リング作りを体験する顧客や明るいスタッフの様子を投稿することで、店舗の雰囲気を伝え、体験予約しやすいイメージを演出しているのがポイントです。
4. アートプリント

アートプリントは、アーティストやイラストレーター、デザイナーにとってぴったりのグッズ販売商品です。TikTokを活用すれば、作品の制作過程や完成品の紹介、部屋に飾るアイデアなどを短い動画で発信できるため、ユーザーの興味を引きやすくなります。アートプリントもオンデマンドプリントを活用できるため、アート制作に集中したい方は効率良く運営できます。
5. スキンケア商品
スキンケア商品は、製作・使用過程やビフォーアフターを動画で紹介しやすいため、TikTokでの宣伝に適しています。スキンケアやメイクのビフォーアフターはユーザーの興味を引きやすいため、TikTokでのグッズ販売が初めての方でも挑戦しやすいでしょう。オリジナルのスキンケアブランドを立ち上げるのが難しい方には、既存商品のラベルだけオリジナルに変更するホワイトラベルという方法もあります。

韓国コスメの「milktouch(ミルクタッチ)」は、製作過程や使用方法の紹介だけでなく、社員の1日を公開することで、顧客と社員を大切にするブランドイメージを確立しています。また、インフルエンサーとのコラボを積極的に行い、商品の露出を増やすことで、ブランド認知度の向上に成功しています。
6. ニッチ商品

TikTokでは、ニッチなグッズの販売も可能です。たとえば、手品師であればオリジナルトランプなどのマジック用品を販売できます。ペット関連のブランドであれば、自分の愛犬や愛猫のアカウントを作り、リードや首輪、洋服などのペットアクセサリーを紹介しながら販売につなげることも可能です。
TikTokは、多種多様なグッズ販売に適しているので、ほかのSNSでは需要がなかったグッズでも、新たなターゲットにリーチできる可能性があります。予想外のヒットにつながる可能性もあるので、一度挑戦してみる価値は十分にあるでしょう。
TikTok用の商品を作る方法
1. プリントオンデマンド(POD)会社を利用する
プリントオンデマンドを利用すれば、オリジナルのロゴやデザインをアパレル商品やスマホ・イヤホンケース、マグカップなどの生活雑貨にプリントし、簡単にオリジナルグッズとして販売できます。受注、梱包、発送まで一括管理してくれるので、コストと人件費を効率良く抑えられるのが魅力です。
プリントオンデマンド会社を選ぶときは、希望する商品を取り扱っているか、受注から発送までの流れはどうなっているかなどを確認しましょう。たとえば、Printful(プリントフル)は1点から対応可能で、各カテゴリーごとに多種多様なカラーやサイズなどを取り揃えています。国内外の発送にも対応しており、国内発送の場合は受注日から3〜10営業日以内で配送可能です。EコマースプラットフォームのShopifyと連携すれば、ECサイトから注文が入ると自動でPrintfulに情報が送られ、製作が開始されるため、スムーズなECサイト運営が可能です。

手順:
顧客が注文を行うと、Printfulが商品を印刷し、直接顧客に発送してくれます。
2. 自分で手作りの商品を作る
プリントオンデマンドや外注を利用せず、自身で製作する方法なら、商品の仕上がりを直接確認できるため、品質をしっかり管理できます。また、ラッピングや商品へのネーム入れなどの流通加工を工夫することで、記憶に残る開封体験を提供することも可能です。ただし、手作業でのグッズ製作は、初期コストが高くなり、時間も多くかかる傾向にあります。
3. 既存のブランドとコラボレーションする
有名ブランドや著名人などとのコラボグッズを制作・販売する方法もあります。限定デザインの商品を共同で作成したり、既存の商品に自社ブランドのロゴを加えたりすることが可能です。有名ブランドの知名度やファン層を活用できるので、効率的に販売を拡大でき、新しい顧客を獲得しやすくなります。ただし、有名ブランドや著名人が無名ブランドとコラボしてくれることは少ないため、自身のフォロワー数や知名度を高めたり、魅力的なブランドコンセプトやオリジナリティを確立したりすることが求められます。
TikTokでの商品販売のステップ3つ
ステップ1:TikTokとECサイトを連携する
すでにECサイトを開設している場合は、TikTokと連携し、投稿を見て興味を持ったユーザーがスムーズにECサイトへ移動できるように設定します。TikTokのプロフィールや投稿にECサイトのリンクを設置することで、購入までの導線を簡素化できます。まだECサイトを開設していない場合は、できるだけ早く準備を進めましょう。Shopifyなどのプラットフォームを活用すれば、初心者でも短期間でオンラインショップを立ち上げられます。
ステップ2:商品を追加する
商品をECサイトに追加します。わかりやすい商品説明や画像、動画を充実させることで、ユーザーが購入判断をしやすくなり、カゴ落ちも防ぎやすくなります。また、価格設定や送料、返品ポリシーなどを明確に記載しましょう。これにより、顧客が安心して購入できる環境を整えられます。
ステップ3:商品を宣伝する
販売するグッズをTikTok動画で魅力的に宣伝します。製作過程や利用方法、使用感、ビフォーアフターなど、思わずユーザーが最後まで見たくなるような動画を作成しましょう。また、期間限定や数量限定などの希少性をアピールすると、購買意欲を刺激しやすくなります。ECサイト開設前からTikTokを運用している場合は、ECサイトのオープン日を宣伝するのも良いでしょう。また、TikTokでバズる時間に投稿することで、多くのユーザーに投稿を見てもらえるようになります。さらに、TikTok以外のSNSも活用し、グッズを幅広い層に宣伝することで、より多くのユーザーにリーチできるでしょう。
まとめ
TikTokは、フォロワー数に関係なく動画を投稿するだけで一定数のユーザーのおすすめに表示される仕組みなので、初心者でもグッズ販売をはじめやすいSNSです。ただし、ユーザーが最後まで見たくなるような動画を作成できるかが成功のポイントになります。もしターゲットの年齢層がTikTokの主要ユーザーである若年層と一致する場合は、最適なSNSマーケティングです。
TikTokのグッズ販売に向いている商品は、アパレル商品、生活雑貨、アクセサリー、アートプリント、スキンケア商品、ニッチ商品などがあります。在庫リスクや初期費用を抑えたい場合は、プリントオンデマンドを活用すれば、グッズ販売が初めての方でも挑戦しやすいでしょう。
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TikTok商品に関するよくある質問
TikTokでグッズ販売できる?
TikTokで商品を販売できます。TikTokのプロフィールにECサイトのリンクを張ることで、ユーザーがスムーズにグッズ購入をできるようになります。
TikTokでグッズ販売するのに必要なフォロワー数は?
TikTokでグッズ販売するのに必要なフォロワー数というものはありません。ただし、フォロワー数が多いほど投稿のリーチが広がり、売り上げにつながります。そのため、ファンを増やす努力をすることも重要です。
TikTokでのグッズ販売は合法?
TikTokでのグッズ販売は合法です。ただし、TikTokの利用規約および販売する商品の市場に適用される法律・規制を遵守する必要があります。
TikTokでのグッズ販売は収益化可能?
TikTokでのグッズ販売は収益化可能です。しかし、成功するにはブランドの構築、適切なマーケティング戦略の確立、利益を生み出せる価格設定を行うことが重要です。
文:Momo Hidaka