自宅でお金を稼いでいる方や在宅勤務の生産性を高めるには、適切なホームオフィスレイアウトが欠かせません。狭い空間や外の光が入らないような場所など、人間工学に適さない環境はビジネスにも悪影響を与えます。この記事では、ホームオフィスの重要性や改善方法、自宅で仕事をするのに役立つアプリやコツなどを紹介します。生産性を高めるための自宅オフィスのアイデアを取り入れて、自分に最適な作業環境を整えましょう。
ホームオフィスのレイアウトが重要な理由
ホームオフィスを快適にすることは、生産性向上やストレス軽減に繋がるため、自分とビジネスへの投資になります。
自分に合ったレイアウトや整理整頓された作業環境は、仕事に集中しやすくなり、視覚的なストレスを軽減できることで、作業効率が高まります。また、体に合った椅子やデスクを利用することで、長時間の作業も快適になり、健康の維持にもつながります。自宅兼オフィスの場合は、仕事とプライベートを分けられる空間作りも意識しましょう。
自分に合ったレイアウトを見つけるためにも、これから紹介するホームオフィスのアイデアとポイントをぜひ参考にしてください。
予算に合わせてホームオフィスをDIYするための6つのポイント
1. 場所と予算
ホームオフィスにする場所
ホームオフィスにする場所は、作業がしやすく、ビジネスに必要な物が収納できる部屋を選びましょう。
プロのデザイナーは、最低でも150cm×210cm(約1.5〜2畳)のサイズの空間が、ワークスペースには必要だと考えます。もし、最低限のスペースを確保できない場合は、椅子の引き出しに不便がなく、ビジネスタスクを快適にこなせる部屋を探すようにしましょう。
また、窓が付いている部屋なら、日光を浴びながら作業できるのでおすすめです。日光は睡眠の質や活動レベルなどに影響を与えることがわかっているので、意識してホームオフィスのレイアウトに取り入れるといいでしょう。自宅で絵やハンドメイド作品などを作る仕事なら、作業に支障のない広さのワークスペースが必要になります。
空き部屋がない場合は、物置部屋や広めのクローゼット、趣味用の部屋など利用頻度が低い部屋をホームオフィスにするといいでしょう。折りたたみ式の家具も狭いスペースを有効活用できるのでおすすめです。戸建ての場合は、空調のついたガレージや部屋の増築を検討してみるのも一つの方法です。
ミーティングスペースが必要な場合は、玄関に近い部屋をホームオフィスにすると来客者が生活スペースであるリビングを通り抜ける必要がなくなるので、ミーティングの度に部屋を片付けなくて済みます。キッチンは、仕事とプライベートのオンオフが難しくなるので避けましょう。
ホームオフィスの予算
ホームオフィスをDIYで改造する場合は、ある程度費用がかかります。そのため、最初に以下の項目を参考に予算を決めましょう。
- 塗料、ペイント用品、その他の建設材料
- 専門業者に頼まなくてはならない部分の費用(例:コンセントの追加や器具の移動をする電気工事)
- 家具、収納、装飾アクセサリー
- ネットワークやITデバイスなどの機器と、椅子やデスクなどの什器
DIYはある程度予算を削減でき、リサイクルショップで新品または新古品などの家具家電や椅子、デスクなどを購入するとさらにレイアウト費用を抑えられます。
また、高額と思われがちな業者への依頼は意外とDIYよりも安くなるケースもあるので、「くらしのマーケット」のようなアプリを利用して近隣のプロを見つけるか、知り合いの業者に見積もりを依頼するといいでしょう。
2. レイアウトのムードボードを作成
ムードボードとは、画像や文字、ロゴなどを並べて、アイデアを視覚的なイメージとして表現するデザイン手法です。ホームオフィスレイアウトのアイデアを整理し、具体的なデザインに落とし込むのに役立ちます。
Instagram(インスタグラム)やMiro(ミロ)などのサイト上から気に入ったレイアウトの画像やカラーパレット、ペイントの色見本や製品の写真を集めてくれば、Pinterest(ピンタレスト)やCanva(キャンバ)、Adobe Stock(アドビストック)で簡単にムードボードが作成できます。ほかにも、雑誌の切り抜きや生地・塗料のサンプルなどをボードにピン留めし、物理的なムードボードを作成するのも一つの方法です。
3. レイアウト作成
インテリアデザイナーに依頼すればニーズに沿ったレイアウトをプロの目線で実現してくれますが、現代技術を活用すれば、あるいはシンプルに紙やペンでも、コストを抑えたDIYのホームオフィスレイアウトは意外と簡単につくることができます。以下のようなオンラインツールやアプリを使うと、間取りなどを手軽にシミュレーションが可能となるでしょう。
- Room Planner 3D(ウェブ、iOS、Android対応)
- Re:CENO(ウェブ)
- a.falt「マイルーム3D」(ウェブ)
- 再現間取りメーカー(iOS、Android対応)
- 間取りTouch+(iOS対応)
ホームオフィスのレイアウトを考える際には、タスクごとにスペースを分けておくこともポイントです。例えば、作業や会議、注文の梱包や製造などのエリアをあらかじめ決めておくことで、集中力と効率を高められます。また、方角や物を配置する場所などを決めるのに悩んだら、健康や成功、幸福に影響を与えるといわれている風水を参考にしてみるのも良いかもしれません。
ほかにも、コンセントの数や位置、ネット環境などもレイアウト設計に大きく関係してきます。壁のスイッチや照明の位置によって、ラックなどを置ける場所がおのずと決まってくるかもしれません。電源が必要な機器は、コンセントの近くに設置する必要があります。
4. 配色や家具を決める
部屋の配色や家具のデザインで、部屋の雰囲気は変わります。
自分の好きな配色でレイアウトするのもいいですが、それぞれの色が持つ特徴を活用してみる方法もあります。
例えば、青と緑は生産性や集中力を高める色、オレンジや赤系は活力を与える色といわれています。黄色は創造性を刺激してくれるので、デザイン系の仕事をしている方におすすめです。ただし、黄色は目が疲れやすくなる特徴があるため、常に目に入る場所よりも気分転換に視線を向ける先に配置することをおすすめします。
また、働きにくい環境は体調不良に繋がるので、作業しやすい部屋にすることも大切です。例えば、座る作業が多い方は、在宅勤務の生産性を高められる人間工学に基づいたオフィスチェアを検討しましょう。例えば、最適な座り姿勢(背中はまっすぐ、足を平面に、ひじは90度)に調整できるオフィスチェアがおすすめです。
ほかにも、スタンディングデスクや高さ調節の可能な机もデスクワークの方に向いているでしょう。
壁などに塗る塗料や建築素材を購入する際は、健康に配慮してVOC(揮発性有機化合物)フリーな物を選ぶようにしてください。さらに、観葉植物を部屋に置くのもおすすめです。観葉植物はストレス緩和や空気清浄の能力を少なからず持っているので、ホームオフィスの雰囲気作りのためにも観葉植物を1つ置くといいでしょう。
5. 収納スペースと整理整頓
狭い部屋やシェアスペース、制作作業を行う部屋の場合は、収納スペースが十分にないと整理整頓できず、作業に集中できなくなります。ECを運営している場合、ドロップシッピングを活用したビジネスでないかぎり、商品や配送資材などの置き場が必要です。
部屋自体に収納が少ない場合は、以下の方法で整理整頓しましょう。
- 背の高い棚などを有効活用して縦に整理する
- 収納としても使える家具や装飾品を購入する
- 小売店のディスプレイのように、商品や作品を部屋のデザインとして利用する
- 道具や資材を壁面収納する
- クローゼットやほかの部屋を収納専用の場所として使用する
- トランクルームを借りる
情報の整理整頓のために、仕事効率化アプリを活用している方も多いですが、アナログな大きめのカレンダーにセールや目標、商品ローンチなどを記入したり、請求書や書類をわかりやすく出し入れできる収納スペースを作ったりすることも、予定通りに仕事を進めるために効果的なアイデアです。
6. インスピレーションが刺激されるレイアウトに
最後に、インスピレーションが得られるようなアイテムもホームオフィスにレイアウトしましょう。
お気に入りのデザイナーのアートプリントや格言、目標を壁に飾ったり、やる気が出る家族の写真などを目につく場所に置いておけば、視覚的にモチベーションをあげられます。
まとめ
ホームオフィスを快適に整えることは、生産性を向上させるために欠かせない取り組みです。適切なレイアウトで整理整頓された作業環境は、視覚的なストレスを軽減し、集中力を高めてくれます。自分の体に合った椅子やデスクなど、人間工学に基づく家具を使用することで、長時間の作業も快適になり、将来的な健康維持にも繋がります。予算に合わせて、インスピレーションを刺激する魅力的なワークスペースを自宅の個室に作り上げましょう。
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よくある質問
ホームオフィスのレイアウトはなぜ重要?
ホームオフィスを快適にすることは、生産性向上やストレス軽減に繋がるためです。
自宅兼オフィスで注意する点は?
自宅兼オフィスで注意する点は、仕事とプライベートを分ける空間作りです。仕事部屋を作ることでオン・オフを区別しやすくなります。
小さいオフィスのレイアウトはどうしたらいい?
小さいオフィスのレイアウトは、スペースを最大限に活用し、快適で機能的な環境を作ることを意識しましょう。例えば、収納スペースの多いデスクを選んだり、壁面収納を活用したりするといいでしょう。
文:Momo Hidaka