京都駅から西に少し歩くと、素敵なコーヒースタンドに出会います。お店の中に入ると、地元の人から海外からの観光客まで多くの人でいっぱい。常に多くのお客様で溢れ、素敵な雰囲気とともに絶品のコーヒーを味わうことができます。
京都で大人気の「Kurasu Kyoto」は元々はECサイトからはじまったお店。今回はShopifyとPinterestを活用し世界中で人気を集めているKurasu Kyotoの代表である大槻さんにお話を伺いました。
日本のコーヒー文化を世界へ発信
── Kurasuについて教えてください
元々は、僕が一人でシドニーに住んでたときに、日本の雑貨を扱うEコマースのショップをShopifyさんで立ち上げて、オーストラリアの人たちに向けて販売したのがきっかけです。
そのショップの中にコーヒー器具があったんですけど、半年くらいすると日本のコーヒー器具が収益のほぼほぼを生み出すようになりました。僕自身、元々コーヒーは好きだったんですけど、そこで日本のコーヒー器具がすごく注目されていると改めて知って、「じゃあコーヒー器具に特化するような形にしよう」ということで日本のコーヒー器具を販売するストアに進化しました。
そこからコーヒー豆も取り扱おうということで、コーヒー豆はサブスクリプションという形で日本の様々なコーヒーロースターさんと連携させてもらって、日本国内と海外へ販売しています。その後、京都に実際にカフェを作って僕たち自身でも焙煎をし始めて、今現在は、コーヒー豆の定期販売をしながら、僕たちのコーヒーと日本のコーヒー文化を発信、そして、コーヒー器具も販売しています。
── ビジネスを始めたきっかけについて教えてください
元々、証券会社で働いていたんですが、4年間働いてちょっと疲れてしまって、ひとつの節目として今後このまま働いていくかと考えたときに、何か新しいことにチャレンジしたいという思いが強くて、特にプランがあったわけではなかったんですが、仕事をやめました。
その後、色々やっていく中のひとつのプロジェクトにEコマースがあったんですよね。僕自身、海外に住んでたことがあったので、日本のものを発信したいという思いが元々ありました。そのような中でShopifyさんを通して雑貨のEコマースのサイトを立ち上げたら、コーヒー器具がすごく売れて、その後はEコマースの方に集中しようと切り替えて、そこからビジネスを成長していきました。
何も知らなくてもかっこいいストアが作れる
── なぜShopifyを使おうと思ったのですか?
Eコマースのプラットフォームについて何に知らない状態から調べ始めたんですけど、まずは海外に発信していきたいという思いがあったので、日本だけで使われているものよりも、海外で国際的に使われているプラットフォームがいいなということで、ShopifyやBigCommerce、Magentoなどを見ていました。その中でShopifyが一番デザイン性が高いと感じました。元々Kurasuをやるとしたらブランディングの中でもデザインに特化したいと思っていたので、無料のテンプレートでもクオリティの高いものが作れるShopifyを選びました。
もうひとつの理由は、カスタマイズが簡単にできるということですね。当時は僕自身、ほとんどプログラミングはわからなかったので、プログラミングやコードがわからなくてもカスタマイズができる。そういうバランスの中だと、Shopifyが一番真ん中にあるなっていうのを感じていました。
あとは、始めるときにかっこいいネットショップを探したんですけど、その中でいいなと思ったサイトの多くがShopifyを使っていたのも一つの大きな理由です。
── Shopifyの好きなところはありますか?
Shopifyの好きなところはいっぱいありますよ(笑)最初からいいなと思った部分は、デザイン性が高いところや、ECについて何も知らなくてもかっこいいオンラインストアが作れるところです。やはり、第一印象が大事なので、Kurasuがしっかり作り込んでいるサイトに見えるというのはそこから信頼につながっているのだと感じています。あとはアプリがすごく充実しているなと感じていて、普通だったら開発が必要な部分や、こういう機能があったらいいなというところにもだいたいアプリがあるので、そういったものをつなげてサイトをよりよくすることができるところも好きです。
また、個人的に良いと思うところはコミュニティが充実しているところです。まったくECを知らない状態から今の状態になれたというのはネットにあるコンテンツや、Shopifyのエキスパート、フォーラムなどの情報に助けられたと思っています。
純粋に好きなものを集められる
── Pinterestを使っている理由を教えてください
元々、Pinterestは日常で使っていて、カフェを立ち上げたときのアイデアをボードでピンして集めていました。他にもデザインのアイデアや、ブランディングのアイデアでも活用しています。
その後、ビジネスで使うようになったきっかけは、日本のコーヒー器具のクオリティの高いデザインやかっこよさをどのように発信しようかと考えたときに、Pinterestさんではシンプルにかっこよく発信できるなという思いがあったのが理由のひとつです。僕は製造業者ではなく、小売・雑貨屋さんなので、色々なものをキュレートしたいと思ってました。それに適した形でもっとも発信しやすいプラットフォームが Pinterest でした。
── Pinterestの好きなところはありますか?
例えばInstagramはビジネスとしてやっているところがあり、SNSとして気軽に投稿することができなくなっているんですよね。どうすればInstagramのフォロワーをもっと増やせるのかとか、「いいね!」を増やせるのかとかそういったことを考えすぎてしまいます。担当しているスタッフと話してもストレスを感じてしまうときがあるようで、本来ならばそういう目的ではないはずなんですけれども、タイムラインのことを考えたりとか、さっき投稿したばかりだから投稿は明日にしたほうがいいよねとか、そういったものを考える必要がでてきて、結局投稿のタイミングを逃したりとか。
その反面、Pinterest はこういうものがかっこいいから発信したいとか、もっとこういうものを発信していきたいとか、純粋な想いや理念にしたがってピン作成することができるので、Instagramと比べたら純粋に好きなものを集められ、ビジネスとパーソナルの境目をうまく活用できるところが好きです。
Pinterest をビジネスツールとして運用している中で、Kurasuは日本のコーヒー文化を純粋に発信するというブランディングのひとつでもっと使えると感じています。Pinterest では日本だけでなく海外のユーザーさんにコンテンツを見てもらえるチャンスがあるので、日本のコーヒー文化をもっと世界の人に知ってもらうためのブランディングのツールとして今後ももっと活用していきたいなと思っています。
── 今後のECの展開について教えてください
日本で売れるものと海外で売れるものが違うので、それによってターゲットを変えていきたいです。例えば日本のコーヒー器具のメジャーなものは、Amazonや楽天のモール系の方が全然安いんですよ。皆さん、モール系で買えるものはモールで買うんですよね。だから日本のお客様が購入してくれるのはオリジナルのグッズであったり、コーヒー豆であったり、うちでしか買えないものがよく売れます。
一方、海外では既製品の方がめちゃくちゃ売れるんですよね。例えば、東南アジアの田舎に住んでいてコーヒー器具が欲しいと思っても、なかなか家の近くでは良いものが買えないということがあるかと思います。そういう方がネットを探してうちのサイトにたどり着いて購入してくださる。そういうケースがあったりするので、グローバルと日本では違うアプローチで今後も販売していきます。
また、Pinterestに関してはストアではまだ活用しきれていないという思いが強いです。今後はもっとピンを閲覧している方がECサイトのコンバージョンにつながるように力を入れていきたいというのはあります。
色々なアイデアや、世界中にあるコーヒーのデザインやレシピなどを見る情報収集のツールとして、そして情報をキュレートできるツールはPinterest以外にはないので、これからもずっと使い続けていきたいです。もし、Pinterestからまったく売上がなくなってもやめるということは絶対にないですし、個人的にももっと使っていきたいですし、そこにプラスアルファでKurasuの売り上げに繋がるような使い方ももっと模索していきたいと思っています。
お知らせ
2019年4月11日にWeWork 城山トラストタワーにてPinterest Japanさまと共催で「Eコマース NIGHT! Pinterest x Shopify 活用セミナー」を開催いたします。Pinterestのビジネスへの活用方法や、Kurasu Kyotoの大槻さんとのセッションコーナーなどを行ないます。(*座席に限りがございますため、応募者多数の場合は抽選となります。
*当選者の方に、詳細のご案内メールを差し上げます。)
日時:4月11日(木)18:00 〜20:00
場所:WeWork 城山トラストタワー(東京都港区虎ノ門4-3-1 21F)
最寄駅:
- 「神谷町駅」
- 神谷町MTビル出口より徒歩3分(東京メトロ日比谷線)
- 「六本木一丁目駅」
- 泉ガーデン出口より徒歩6分(東京メトロ南北線)
参加費:無料
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