2020年1月に日本上陸を果たし、原宿に第一号店をオープンしたアメリカ発のスニーカーブランドのAllbirds(オールバーズ)。4月にはオンラインストアをShopifyでオープンし、日本で急成長をしています。
原宿駅の目の前にある実店舗では、Shopify POSを活用した接客が行なわれています。今回はAllbirdsの小川さんにShopify POSの活用方法と未来の購買体験についてお話を伺いました。
世界で最も快適なシューズ
Allbirdsを語る上で外せないキーワードが「世界で最も快適なシューズ」です。2016年3月にサンフランシスコで誕生したブランドは、シリコンバレーで爆発的な人気を呼び、世界中へファンを広げました。この快適さを生み出しているのが、従来のスニーカーのケミカルな素材とは真逆のメリノウールやユーカリの木の自然由来の繊維の使用。自然由来の素材を使うことにより、環境へ対する影響にも配慮したプロダクトなのです。
「我々のこだわりは限りある資源を有効活用することです。例えばユーカリの木は、シューズを作るためにわざわざ伐採をしているわけではなく、山を維持する際に必要な伐採の中から選ばれた木を使用しています。また、メリノウールも、羊が年に1回トリムするタイミングで刈られた毛を活用しています。新たなものを作り出すために、新たなものを犠牲にして作り出すのではなく、今あるものをいかに活用していくか、その中でいかに自然に負荷をかけずにビジネスを展開できるのかを意識しています」
Allbirdsホームページには素材についてのページもある
2020年には待望の日本市場にも進出。日本における反応は「期待していた以上」と小川さんは語ります。
「我々が期待していた以上の反応になりました。売上だけではなく『待っていました』という言葉が非常に多かったのが印象的でしたね。実際にアメリカで購入して、日本での発売を心待ちにしていたお客様が多かったようです。また、スニーカーブランドなので、通常だとスニーカーギークやファッション系の人をターゲットにすると思うのですが、我々はそこではなく、ビジネスやIT系の人たちに対してリーチをかけ、その人たちが来店して口コミで広めてくれた点も大きかったと思います」
Shopify POSを活用した接客術
Allbirdsの実店舗で行われているのは、まさに最新の接客術。原宿のAllbirdsの店舗に行くと、Shopifyが無料で提供しているShopify POSを活用した様々な購買体験が待ってます。
Allbirdsの特徴のひとつが電子レシートです。商品を購入する際に、店員が持っているShopify POSの端末に自分のメールアドレスを入力すると、そのアドレスに電子レシートが届き、紙のレシートは提供しないという取り組みです。これは環境に配慮した取り組みで世界中のAllbirdsの店舗で行っています。
「私が以前働いていた会社では、顧客情報を取るのが難しかったのですよね。個人情報の提供を断るお客様も結構いたんですけど、Allbirdsの場合は入り口がペーパーレスです。なぜペーパーレスかというと会社のミッションにもつながっており、我々が環境に配慮しているということが接客を通してお客様もわかっているので、メールアドレスの収集のハードル自体が下がっていると感じています」
また、Shopify POSを新型コロナウイルス感染症の対策としても活用。お客様に安心安全の購買体験をしてもらうために、お客様が靴を試着している場所にPOSのデバイスを持っていき、その場で購入できるようにしています。
さらに、POSを使用することで無駄のない接客も同時に可能となっています。例えば、お客様が希望されたサイズの在庫があるのかを、Shopify POSを使うことでその場で瞬時に確認することができ、在庫がなかったときにも、異なる色や異なるサイズの商品の提案をしたり、その場でオンラインで購入していただき自宅へ届けることが可能となるエンドレスアイルも提供しています。
「ストアでは限られたスペースに限られた商品しか展開することができません。その為タイミングによっては在庫切れのケースも発生します。しかしShopify POSによりストアで在庫切れが発生した場合でも、POS上で在庫確認が取れる商品についてはその場でスムーズに購入することができます。また、店内の在庫数もすぐに見れるので、異なるスタイルの商品を提案することも可能です。さらにメールによるその後の配送状況確認も可能となっていますので、まさしく実店舗とオンラインの融合を体現しています」
購入後の顧客体験も特別に
Allbirdsは購買後のフォローアップにもShopify POSをうまく活用しています。店舗で登録したメールアドレスにネットプロモータースコアと呼ばれる顧客満足体験のフィードバックのメールが届き、お客様は0点から10点までの間で店舗体験を評価することができます。これにより素早い改善が可能になり、日々より良い接客を提供することができます。
「スタッフには型にはまった接客はさせたくないというのがあり、彼らにはオーナーシップを取ってもらって、自分で判断しなければならないときにベストな選択肢と思ったことを自信を持って選んでもらっています。その選択を振り返ると間違っているかもしれないし、正しいかもしれない。ただ、それは判断しないとわからないことなので、積極的に挑戦してほしいと思っています。ネットプロモータースコアのフィードバックがあることで、素早い業務改善が可能となっています」
購入後に届くマーケティングメールに関しても情報過多にならないように気をつけています。「メールを送りすぎると読まなくなってしまうと言う方がいるので、メール量のコントロールは大事」と小川さんは説明します。
さらに、スタッフ1人ずつにShopify POSのPINナンバーを割り振ることで、スタッフの行動の追跡とお客様の追跡がスムーズに可能になっています。従来のPOSシステムだと、何時に売り上げたという情報しかわからなかったのが、今は誰がどこで何時に売り上げたのかを確認することができています。
「どのスタッフがどの決済に関わっているのかがすべてトラッキングできるのが便利です。お客様に何かあったときにその情報をもとに追えるのがとても良いです。また、お客様からサポートデスクに問い合わせがあったときに、お客様の顧客データがShopifyに入っていれば購入データとすべて紐づけられることができるので、従来ではお客様とのコミュニケーションのときには電話しなければならなかったのを、メールベースでお客様とコミュニケーションを取ることができます。お客様に対して電話をかけ直すであるとか、電話にずっと出なかったりなどという時間損失を減らすことができています」
未来の購買体験
未来の実店舗の在り方はどうなるのでしょうか?小川さんは、今後はさらにオンラインと実店舗の垣根がなくなっていくことを予想します。そして、それがAllbirdsが求める新たな買い物の姿です。
「オフラインのお店は現在ではモノを売るだけの場所ではなくなっていると思っています。それはオンラインストアへの入り口なのかもしれないですし、人と人がつながるコミュニティの場所なのかもしれない。私たちはお客様が実店舗に来ていただいたのに、お店での在庫がなくオンラインでの購入が発生してしまったときに、『実店舗の売上が減った』などとはまったく思っていません。お客様がどこでどのように商品を買おうが、結果としてD2Cというビジネスチャネルの中で彼らがAllbirdsの購買体験をより満足した形で終えていただければそれで良いと思っています。最終的にお客様がAllbirdsのことを好きになってもらえれば良いので、オフラインのお店であろうと、ECサイトであろうと、分け隔てなく同じような購買の体験ができる姿を求めています」
オンラインとオフライン間のシームレスな購買体験を提供するにあたってShopify POSはひとつの選択肢です。
「今後の世界ではオンラインとブリックアンドモルタル(実店舗)の垣根がなくなることが必至だと思っています。そのときに店舗でしか使えない大きいPOSやソフトを使っていると本当に太刀打ちができなくなってしまいますよね。今後は今の10代や20代の世代が日本のビジネスを背負っていくと思うんですが、彼らはデジタルネイティブの子ですし、この流れはさらに加速すると思います。そして、その選択肢としてShopify POSは良いと思います。今後、日本でもShopify POSを使用する仲間が増えればと思っています」
Allbirds 原宿店について
住所:東京都渋谷区神宮前1-14-34 原宿神宮の森ビル1階
営業時間:11:00 - 19:00(短縮営業)
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