Shop Pay(ショップペイ)は、Shopifyストアでの決済方法として2017年に導入され(当時の名前はShopify Pay)、その後4,000万人以上がShopifyストアでの買い物に使用しています。
本記事では、Shop Payの特徴、導入メリットや安全性、利用方法について詳しく解説します。
Shop Payとは
Shop Pay(ショップペイ)は、EコマースプラットフォームであるShopifyの決済方法の一つです。メールアドレスと電話番号を登録することで、次回以降にクレジットカード情報や配送先住所の入力が必要なくなり、ワンクリックで購入できます。
決済代行サービスのShopifyペイメントを利用しているショップであれば、追加料金などもかからず利用できます。Shopifyのアプリとの統合や、海外販売にも対応できるのが特徴です。
Shop Payの特徴
複数のプラットフォームで利用可能
Shop Payチェックアウトリンクを使えば、コーディング不要でメールやチャット、SNSなどに専用のチェックアウトリンクを掲載することができます。商品ごとに簡単にリンクを作成できるので、Shopifyのストアだけでなくさまざまなプラットフォームで利用できます。
追加費用ゼロで利用可能
Shop Payは、Shopifyが提供している決済サービスShopifyペイメントの決済方法の一つであるため、追加の初期費用や月額利用料がかかりません。
環境問題への取り組み
Shop Payを使用して商品を購入すると、追加料金なしで炭素除去プロジェクトや環境に配慮したサステナビリティへの取り組みに貢献することができます。
ShopifyはこれまでにWeForestやPachamaの協力のもと、セネガルでのマングローブの植樹やペルーにある熱帯雨林保護を行っています。同様に、脱炭素に貢献している企業への寄付も行っています。
ECストアにShop Payを導入するメリット
新規ユーザーへのリーチと売上増加
Shop Payを導入するECサイトであれば初めての利用でも登録情報が反映され簡単に決済することができます。そのため、利便性の高さなどからすでにShopifyを使用しているユーザーの獲得が見込め、新規客の売り上げにもつながりやすくなります。
また、Shopifyは日本を含む170カ国以上で利用されている越境ECも可能なプラットフォームで、海外でのShop Payの認知度や利用率は高いため、相乗効果で顧客の増加や売り上げの拡大が見込めます。
さらに、オンラインストアの拠点がアメリカにありShopifyペイメントの要件を満たしている場合であれば、FacebookやInstagramでもShop Payが利用できるため、外国人顧客へのさらなるリーチが見込めます。
エクスプレスチェックアウトによるコンバージョン率の向上
Shop Payでは、支払いが迅速に終わるエクスプレスチェックアウトのボタンを利用することができます。チェックアウトボタンを使用することで、顧客はカートを経由せず商品ページから直接決済に進むことができるため、コンバージョン率を向上させることができます。
安心のセキュリティ
Shop Payでは暗号化されたデータの送受信やクレジットカード業界のセキュリティ基準(PSI DSS)を満たすサーバーを使用し、顧客の配送先情報や請求情報は注文が発生した際にのみストアと共有することで安全性を確保しています。
顧客の支払いにはパスキーや6桁のShop Payコードを使用して認証するので、不正利用も防ぐことができます。
Shop Payを導入する方法
Shop PayはShopifyの画面から簡単に導入できます。
- Shopifyの管理画面を開き、設定、決済の順で選択
- Shopify ペイメントセクションで、[管理] をクリック
- Shop Payのチェックボックスにチェックを入れ、画面の右上にある保存するを選択
顧客がShop Payを利用する方法
Shopアプリまたはブラウザから登録することで利用できるようになります。
- メールアドレスと携帯の電話番号を入力
- SMSで届いた認証番号を入力
- 登録メールアドレスに確認メールが届くので、「メールを確認する」を選択
- 名前や住所などの個人情報を入力
- クレジットカード情報を入力
一度登録をしておけば、Shop Payを導入している全てのウェブサイトでその後の決済がスムーズに行えます。
※電話番号のみ登録した場合クレジットカードの情報は保存されません。その都度カード情報を入力する必要があります。
顧客がShop Payで決済する方法
配送の日時指定などを行わない場合、2ステップだけで購入できます。
- 商品ページでShop Payボタンを選択
- 内容確認後、「今すぐ支払う」ボタンを選択
配送日が決まっている場合でも、通常購入と同じ手順で商品選択後、希望日時を選択すれば上記と同じ流れで購入可能です。
Shop Payを利用する前の確認事項
決済方法とターゲット
Shop Payを導入する前に、希望する決済方法とターゲットを考慮しておきましょう。Shopifyのエクスプレスチェックアウトは、顧客が使用する可能性の高い決済サービスを自動で表示させるため、自動的にShop Payの決済ボタンが表示される可能性があります。
そのため、ターゲット層が多く使用している決済サービスを優先的に表示させたいなど、特定の決済サービスを指定したい場合は運用方法を事前に検討しなければなりません。
拠点の住所
Shop Payを導入するには、自社の拠点がShopifyが認証している22カ国のどこかに位置している必要があります。
日本で事業を開始する場合は問題ありませんが、今後拠点を海外に移す可能性がある場合は、導入前に自社のその後の展望など確認しておきましょう。
まとめ
Shopifyは世界的に使われているECプラットフォームで多くの決済方法に対応していますが、その分どの決済方法を導入すればいいか迷ってしまうのではないでしょうか。Shop Payを利用すれば、そのような不安を取り除くことができます。
Shop Payはセキュリティを維持しながら顧客の決済までのスピードを一段と早くしているため、顧客の支払い手続きの煩雑さを軽減し、カゴ落ちを防ぐことができます。
導入費用や月額費用は必要なく、Shopifyプラットフォームの使用料のみで決済開始できるので、事業者側の負担が少ないのも魅力です。
ECサイトに導入する決済方法をお悩みであれば、是非Shop Payを検討してみてください。
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よくある質問
Shop Payコードとは?
Shop Payコードは、決済でSMS認証をする際に発行されるコードです。これにより購入確認ができるため、不正利用などを防ぐことができます。
Shop Payの安全性は?
Shop Payはクレジットカード業界のセキュリティ基準(PSI DSS)を満たしているため安全性が高いといえます。
Shop Payの表示を日本語にする方法は?
Shop Payにログインし、設定から言語変更することができます。以下の手順で行えます。
- Shop Payにログイン後、設定を開く
- アカウントページを開く
- 画面下部(ログアウトの上)にある言語設定から変更
Shop PayとShopifyペイメントの違いは?
Shop PayとShopifyペイメントは、決済方法とそれを提供しているプラットフォーム、という違いがあります。
Shopify ペイメントはShopifyが提供している決済サービスです。一方Shop Payは事前登録した情報で簡単に決済することができる決済方法です。
Shopifyペイメントという決済プラットフォームの中にある一つの決済方法として、Shop Payが存在しています。
Shop Payで勝手に決済情報が入力されているのはなぜ?
Shop Payに一度決済情報を登録すれば、初めて訪れるサイトでもShop Payを導入するサイトであれば決済情報などが呼び出され、入力の手間がなくスピーディに決済できるようになっています。配送先情報などを登録した覚えがないサイトで決済情報が入力されるのはそのためです。
データは暗号化され業界のセキュリティ基準(PSI DSS)を満たすサーバーに保管されており、顧客情報は注文が発生した際にのみストアと共有されるため安全性も問題ありません。
文:Ryotetsu