Ivan Samkov
ソーシャルメディア (SNS) が進化するにつれて、EC業界もその影響を受けてきました。ECストア運営者であれば、オリジナルドメインのサイト以外に、LINE、Facebook、Instagram、Twitterなどのいずれか、または複数のSNSアカウントをお持ちでしょう。しかし、現在は「ソーシャルコマース」という仕組みを利用すれば、SNSからウェブサイトへ簡単に誘導できたり、モール型のサイト上でショップを開くこともできるようになりました。
今回は、ソーシャルコマースの種類や、メリット・デメリットについて解説していきます。その前にまず、そもそもソーシャルコマースとは何なのかを見ていきましょう。
目次
ソーシャルコマースとは?
Liza Summer
ソーシャルコマース (ソーシャルEC) とは、SNS (ソーシャルメディア) やサイト上で、他のユーザーとつながったり、コンテンツを共有しながら、商品やサービスを宣伝する仕組みのことです。ソーシャル(social)とは、英語で「社交的」「人とつながること」を意味するので、人と情報を共有しながら取引が行われるのが、ソーシャルコマースの特徴です。
ソーシャルコマースには、いくつか種類があります。FacebookやInstagramのように、ECサイト運営者のためにSNS上で商品を宣伝する機能を提供したり、オークションサイトのように、サイト上で他のユーザーとつながり、購入取引が行われるタイプのソーシャルコマースもあります。
なぜソーシャルコマースなのか?
現代人にとって、スマートフォンは毎日の生活に欠かせない物になりました。そして、スマホを持っている人であれば、誰しもが使っているアプリは何でしょうか?
もちろんSNSです。
2022年の時点で、日本でのSNSの普及率は83%以上にも達しました。ネットショップ運営者やオンラインでサービスを提供している人なら、これだけの人数が集まるプラットフォームに参加しないわけにはいきません。
SNSは、家族や知り合いとつながる場というだけでなく、興味のあるトピック、流行や、商品の口コミを検索できるプラットフォームでもあります。多くの一般消費者の目にとめてもらえるSNSは、ネットショップ運営者には強力な味方になります。
ソーシャルコマースの種類
ソーシャルコマース にはいくつか種類があります。代表的なタイプを見ていきましょう。
CtoC型
CtoCとは、Consumer to Consumerの略で、サイト上でユーザー同士が取引を行います。ヤフーオークション、メルカリ、eBayなどが代表的なサイトです。
SNS・ソーシャルメディア型
Brett Jordan
SNSのプラットフォーム上で商品を宣伝できる仕組みです。Facebook上で商品を管理できるFacebookショップや、Instagramショッピングなどが、このタイプのソーシャルコマースです。
レコメンド型
サイト上の他のユーザーのレビューを参考にして購入する仕組みです。Amazon、楽天など、あらゆるサイトで利用されています。レビューを書いてくれた人には、割引をしてくれるといった特典を用意して、レビューを集めるショップもあります。
ライブコマース
ライブコマースは、ビデオでライブ配信をしながら商品を宣伝するソーシャルコマースの一種です。ライブ配信なら、ECサイトで画像を見ただけでは分からない商品の詳細などが明確に分かります。さらに、ライブ配信者が商品のポイントについて説明してくれることで、レビューやよくある質問としての役割も果たすことができます。
ソーシャルコマースのメリット・デメリット
ソーシャルコマースのメリットを見ていきましょう。
メリット #1 ECサイトへの誘導がよりシンプルに
Facebook、InstagramなどのSNSでは、ECサイトへの誘導が簡単になりました。独自ドメインのECサイトでは、より多くのビジターを集めるために、SEO対策に労力と時間をかけていましたが、これらの機能により、これからはSNS経由のトラフィックも増やすことができます。
メリット #2 ユーザーとの距離が近くなる
ソーシャルメディアの本来の目的は、人とつながることです。単に商品を宣伝し、販売につなげるだけでなく、コメント、DMなどの機能で気軽にお客様とコミュニケーションを取ることができるのが大きな特長です。
デメリット #1 SNSコンテンツの作成や管理に時間がかかる

ANTONI SHKRABA
SNSでアカウントを開設すること自体は簡単ですが、クオリティの高い画像や文章を定期的に投稿するには、ある程度のスキルと経験が必要で、時間もかかります。
SNSは、その性質上、常にコンテンツをアップし続けないと結果に繋がりづらいので、日頃からアップデート作業に追われてしまうことも多くなるかもしれません。予約投稿など便利な機能もあるので、このようなSNS管理ツールを使うのも時間を節約する手段の一つです。
デメリット #2 SNSは自分のサイトではない
SNS上でショップを運営することは、スペースをレンタルしているのと同じで、自分がショップを所有しているわけではありません。各SNSの規約、アルゴリズムの変更やトラブルにより、自分のアカウントが影響を受けてしまう可能性もあります。
アルゴリズムの変更により、今まで検索で上位に出ていたけど、急に訪問者が減った、というようなケースもよく見受けられます。また、独自ドメインのサイトではないので、デザインなどのカスタマイズが難しいという点もあります。
ECサイトはShopifyで
ご紹介した通り、ソーシャルコマース は、SNSやサイト上で、他のユーザーとコンテンツを共有しながら、商品やサービスを宣伝・販売促進していく仕組みです。
独自ドメインのSEO対策はハードルが高いと感じている人には強力なツールになり、すでにECサイトを運営している人や、これから始めていきたいと考えている方にとっては、両者を連携させれば、ショップのさらなる成功をサポートしてくれることは間違いありません。